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非上場株式の評価

類似業種比準価額の計算式

2014年1月 FP技能士2級 学科 問56より

下記の資料に基づくA社株式の1株当たりの類似業種比準価額として、最も適切なものはどれか。
<中略>

この問題に驚かれた人もいらっしゃるでしょう。
類似業種比準価額を求める問題は、過去に学科では出題されていませんし、試験対策テキストでも省略されているケースも多いです。ですので、自信をもって解けなかった方は少なかったと思います。
逆にきんざい中小事業主の実技を選択された方は、おなじみの問題だったので得点問題だったかもしれません。

類似業種比準価額の計算式は、あらかじめ決まっています。下記の計算式に適切な数値を当てはめれば、答えを出すことができます。

A×(b/B + c/C + d/D)÷5×斟酌率×P/50

A: 類似業種の株価
B: 類似業種の1株当たりの配当金額
C: 類似業種の1株当たりの年利益金額
D: 類似業種の1株当たりの純資産価額
b: 評価会社の1株(50円)当たりの年配当金額
c: 評価会社の1株(50円)当たりの年利益金額
d: 評価会社の1株(50円)当たりの純資産価額
斟酌率(しんしゃくりつ と読みます):大会社=0.7、中会社=0.6、小会社=0.5
P: 1株当たりの資本金の額

この計算式で評価するのは、上場していない会社の株式です。
たとえば、社長である父が亡くなり、その息子が社長を継いで経営権を継承するときに、その会社の株を父から相続することになります。
このとき、その会社の株の評価額を上記計算式に当てはめて計算し、相続税の計算が行われるのです。

特に儲かっている会社の株は、上記計算式に当てはめると高値で評価される傾向にあります。ですのでこの株の評価をいかに下げて円滑に事業承継するかが、高齢経営者にとって大きな課題です。
最近では、様々な税理士事務所が、このテーマで社長を顧客として獲得しようと頑張っています。時に億単位のお金が動くビジネスですので、この世界に入り込もうと考えるFPも増えてきています。
(2級の知識では実務上不足するので、1級またはCFPまで取得することが望ましいです)

土地保有特定会社の判定方法

2012年1月 FP技能士2級 学科 問57より

土地保有特定会社である会社は、その株式の評価は純資産価額方式で行います。

土地保有特定会社の定義は、会社の総資産の相続税評価額のうち、土地の価額が以下の割合となっている会社です。

非上場会社の株式評価における大会社の適用要件について

2017年9月 FP技能士2級 実技(中小事業主) 問13より

1.(平成29年1月1日以後において)評価しようとする株式の発行会社の規模区分の金額等の基準について、大会社および中会社の適用範囲が拡大され、直前期末以前1年間における従業員数が50人以上の会社は「大会社」とされた。

この記述は不適切です。
「50人」を「70人」に直すと正しい文章になります。

以前は判定の従業員数が100人でしたが、平成29年1月から70人に引き下げられました。

株式保有特定会社の判定方法

株式保有特定会社である会社は、その株式の評価は純資産価額方式で行います。

株式保有特定会社の定義は、会社の総資産の相続税評価額のうち、株式資産の価額が大会社の場合で25%以上、中小会社の場合で50%以上の会社です。

土地の売却による類似業種比準価格の変化

2018年5月 FP技能士2級 学科 問60より

1.A社は土地を売却する予定であり、売却すると多額の売却損の発生が予想されるため、この土地の売却により類似業種比準価額を引き下げることができると考えている。

この記述は適切です。
土地の売却で売却損が出ると、その事業年度の純利益が下がります。
類似業種比準価格では、純利益の額が下がると、株価が下がる計算式になっています。

また、土地の売却損が出ることで、純資産額も下がります。
類似業種比準価格では、純資産額が下がると、やはり株価が下がる計算式になっています。

この理屈により、多額の売却損を抱えた土地を売却することで、類似業種比準価格を引き下げることができるのです。

記念配当による類似業種比準価格の変化

2018年5月 FP技能士2級 学科 問60より

3.C社はこれまで無配であったが、今期、創業30年の記念配当を実施する予定であり、この配当を実施すると、比準要素のうちの配当がゼロからプラスになるため、類似業種比準価額が上昇するのではないかと考えている。

この記述は不適切です。
記念配当に関しては、2級では数年に1度くらいの頻度でしか出題されず、また試験対策テキストにも記載がないことがほとんどですから、ちょっと難しかったかもしれませんね。

まず、記念配当とは、創業〇周年記念とか、上場記念などの理由で支払われる、特別な配当です。業績好調による配当とは異なる理由で支払われる、臨時的な配当と位置付けられています。

さて、類似業種比準価格では、配当額が高くなるほど、株価も上昇する計算式となっています。
しかしこの配当額には、記念配当の額は含めなくてよいのです。
したがって記念配当を実施しても、直接的に類似業種比準価格が上昇するわけではないのです。

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贈与税・相続税の納税猶予の特例のページを参照してください

遺留分に関する民法の特例

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