その他ライフプランニング分野について
関連業法
投資顧問契約について
2015年1月 FP技能士3級 学科 問1より
ファイナンシャル・プランナーが顧客と投資顧問契約を締結し,その契約に基づき投資助言・代理業を行うには,金融商品取引業者として内閣総理大臣の登録を受けなければならない。
この記述は適切です。
投資助言・代理業とは、わかりやすく言えば、具体的な金融商品や銘柄を指定して上がる・下がる、売ったほうがよい・買ったほうがよいなどのアドバイスを行ったり、顧客の代理で金融商品の売買を行う業務です。
これらの業務は無資格で行うことはできず、本問の通り、内閣総理大臣の登録を受けなければなりません。
社会保険労務士の資格が必要な業務
2015年5月 FP技能士2級 学科 問1より
3.社会保険労務士資格を有しないファイナンシャル・プランナーが、年金の相談に来た顧客からの求めに応じ、有償で公的年金の裁定請求手続きを代行した。
この記述は不適切です。
社会保険(年金、公的医療保険、労災保険、雇用保険)に関して、役所に提出する書類の作成を代行したり、その書類を役所に提出・申請する手続きの代行は、社会保険労務士の独占業務です。
ですので、この業務をするためには、社会保険労務士資格が必要です。
ちなみに、就業規則の作成代行も、社会保険労務士の資格が必要な業務のひとつです。
その他
- FPは、司法書士資格がなくても、顧客の任意後見人になる契約を結んでもよい。
- FPは、遺言者や公証人と利害関係がなければ、公正証書遺言における証人になってもよい。
証人になることは、弁護士や司法書士の独占業務ではない。よって証人になったことによって適切な報酬を受け取るのも、問題はない。
財形制度
税制優遇措置について1
2013年9月 FP技能士2級 学科 問13より
4.積立目的に応じて積み立てることができる財形貯蓄積立保険(一般財形)や財形住宅貯蓄積立保険(財形住宅)には、いずれも運用益が非課税となる税制上の優遇措置がある。
この選択肢は不適切です。財形貯蓄積立保険(一般財形)は、運用益(利子とも言います)は課税されるので、非課税とはなりません。一方の財形住宅貯蓄積立保険(財形住宅)と、本選択肢には出ていない財形年金貯蓄は、共にあわせて元金の550万円まで運用益は非課税となっています。
この3種類の財形制度について、それぞれ違いがありますので、その違いも含めて勉強をしておいてくださいね。
ちなみに、財形貯蓄制度を利用すると、補助金を出してくれる会社もあります。
会社にお勤めの場合には、財形制度の活用も検討してみるのが良いでしょう。
税制優遇措置について2
2019年1月 FP技能士2級 実技(FP協会)問29より
(2015年1月 FP技能士3級 実技(FP協会) 問16も類題)
1.「瑠璃子さんの財形住宅貯蓄(金銭信託)の非課税限度額は、財形年金貯蓄と合わせて、元利合計で550万円までです。」
この記述は適切です。
財形年金貯蓄の保険型だけの場合は、非課税限度額は385万円です。
それ以外の財形における非課税限度額は、550万円となっています。
ちなみに、財形住宅貯蓄のみなら、元利合計550万円までが非課税となります。
一方、財形年金貯蓄のみの場合は、選択肢の通り、元利合計385万円までが非課税となります。
ややこしいですけれども、このあたりの金額も覚えておきましょう。
税制優遇措置について3
2019年1月 FP技能士2級 実技(FP協会)問29より
2.「敬太さんの財形住宅貯蓄(保険型)の非課税限度額は、財形年金貯蓄と合わせて、払込保険料累計額で385万円までです。」
この記述は不適切です。
「385万円」を「550万円」に直すと正しい記述となります。
財形年金貯蓄の保険型だけの場合は、非課税限度額は385万円です。
それ以外の財形における非課税限度額は、550万円となっています。
財形年金貯蓄の年金受取方法と期間
2016年9月 FP技能士3級 実技(FP協会) 問18より
2.(財形年金貯蓄に関して)年金は、60歳以後に終身年金としてのみ受け取れる。
この記述は不適切です。財形年金貯蓄で受け取れる年金は、一般的に5年以上20年以内の期間で受け取る有期年金ですが、保険型の財形年金貯蓄であれば、終身受け取りも可能となります。
「終身年金としてのみ」という限定した記述は、明らかに誤りと言えます。
少々複雑な点ですが、整理して覚えておきましょう。
財形年金貯蓄の課税について
2016年9月 FP技能士3級 実技(FP協会) 問18より
2016年9月 FP技能士2級 実技(FP協会) 問29も類題
3.(財形年金貯蓄に関して)受け取る年金は、個人年金保険と同様に雑所得として課税される。
この記述は不適切です。
受け取る年金は非課税の扱いとなっています。個人年金保険の場合とは異なるので、この観点でも覚えておいてくださいね。
財形貯蓄の目的外払出時の課税について
2019年9月 FP技能士2級 実技(FP協会)問5より
財形貯蓄制度に関する下表の空欄(ア)〜(エ)にあてはまる語句に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、復興特別所得税については考慮しないこと。
目的外の払出時の取扱い
財形年金貯蓄
[保険型]:( エ )
4.(エ)にあてはまる語句は「積立開始時からの利息相当分すべてが一時所得として総合課税扱いとなる」である。
この記述は適切です。
保険型の場合は、保険の解約返戻金と同じように、得をした金額(利益となった金額)が一時所得として課税されます。
ちなみに財形年金貯蓄の貯蓄型の場合は、過去5年間にさかのぼって利子の額に利子所得として課税されます。その税率は銀行預金利子と同じく、所得税と住民税あわせて20.315%です。
財形住宅融資
財形住宅融資の項目を参照してください
ライフプランニング
統計データ
2013年5月 FP技能士2級 学科 問2より
ライフプランを作成するうえで活用する主なデータに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1.男女別・年齢別の平均余命についての統計値は、内閣府の「国民生活白書」に記載されている。
この選択肢は不適切です。平均余命についての統計値は、厚生労働省の「簡易生命表」に記載されています。国民生活白書はその名前の通り、国民の生活に関する様々な調査結果についてまとめたものですが、平成20年度を最後に廃止され、現在は発行されていません。
2.幼稚園から高等学校卒業までの教育費用総額についての統計値は、文部科学省の「子どもの学習費調査」に記載されている。
3.1世帯当たりの1ヵ月間の収入と支出の金額の統計値は、総務省の「家計調査」に記載されている。
4.家計における金融資産の保有額や借入金残高の統計値は、金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査」に記載されている。
2〜4の選択肢はいずれも適切です。FPが顧客に対して何にどれくらいのお金がかかるのかを説明する際に、これらの資料に記載されている平均値を使うことが多くあります。FPが執筆している記事の中にも、これらのデータを引用しているのをよく目にします。
FPは、顧客一人一人の事情を考慮して、個別にライフプランニングの提案を行うことが本来的な業務と考えられています。ただその過程で、一般的な情報としてこれらの資料中のデータを参照したうえで説明することもありますので、どの資料にどのようなデータが載っているのかを知っておくことも重要です。
本問で登場したも以外にも様々な統計データがありますので、興味があればいろいろ調べてみてもよいでしょう。
バランスシートは時価額で作成する
2015年5月 FP技能士2級 学科 問2より
4.個人の資産や負債の状況を表すバランスシートの作成において、不動産は取得時の価額を記入し、預貯金や負債は作成時の残高を記入する。
この記述は不適切です。
バランスシートの作成においては、資産や負債はすべて原則として時価で記入していきます。取得時(購入時)の金額ではありません。
預貯金や負債は、厳密には利息も含めた時価額を使いますので、単純に残高を記入すればよいというわけでもないのです。
実務上、この時価を算出するのは手間がかかるうえに、意外と難しいのです。
不動産などは時価を算出する方法が決まっているわけではないので、算出方法によって時価額がぶれてしまうこともありますね。バランスシートを作るのは、なかなか大変なのです・・・。
老齢生活の日常生活費の金額
2016年1月 FP技能士2級 実技(きんざい生保) 問4より
2. 「公益財団法人生命保険文化センターの生活保障に関する調査(平成25年度)によると、夫婦2人で老後生活を送るうえで必要と考えられている最低日常生活費は平均35.4万円(月額)となっています。結婚や出産など、将来のことはわかりませんが、今のうちから支出可能な保険料の範囲内で無理なく準備を進めていきましょう」
この記述は不適切です。
世間の平均値(統計値)の金額を知っているかどうかを問う、実務的な問題ですね。
この記述の答えは、ズバリ下記ページに書いてあります。
http://www.jili.or.jp/lifeplan/lifesecurity/oldage/7.html
こちらに記載されている通り、老後の最低日常生活費は平均22.0万円(月額)となっています。問題文にある35.4万円(月額)は、ゆとりある老後生活費の金額です。
本問では、この二つの数字を入れ替わっているため、不適切といえます。
このデータは、多くの保険会社職員やFPが、老後にもらえる年金がおよそいくらくらいなのかを説明するときに引用している資料です。いわば保険業界・FP業界の常識数字であり、それを知っているかどうかを問う問題だったわけです。
FP試験対策テキストにはほとんど記載はありませんが、日々のマネーニュースに触れていたり、保険の見直し雑誌を読んでいれば、答えられたのではないでしょうか。
児童手当
2014年1月 FP技能士2級 実技(きんざい 生保顧客) 問4より
iv)「Aさんに支給されている児童手当は,原則として( 4 )に達する日以後の最初の3月31日までの間にある児童が対象となっています」
(4)に入る記述は、15歳です。要するに、中学3年を卒業する3月までが、支給対象となります。
ちなみに児童手当の受給額は、次の通りとなっています。
- 3歳未満(3歳の誕生日の月を含む)の子どもには、月15000円
- 3歳以上の子どもについては、下記の通り。
第1子または第2子:中学校卒業の3月まで、月10000円
第3子以降の子供:小学校卒業の3月までは15000円、以降中学校卒業の3月まで10000円
高年齢者雇用安定法の改正について
2014年5月 FP技能士2級 学科 問9より
4.高年齢者等の雇用の安定等に関する法律(高年齢者雇用安定法)の改正により、平成25年4月1日以降、事業主には、雇用する高年齢者の70歳までの安定した雇用を確保するための措置を講じることが義務付けられている。
この選択肢は不適切です。「70歳」を「65歳」に直すと、正しい文章となります。
この内容は、ここ1,2年で新聞やテレビでも報道されていましたね。
年金の受給開始が65歳からとなる中で、定年が60歳だと、60歳から65歳までの5年間が無収入の期間になってしまいます。
これだと老後生活に影響が出てしまうため、その対応として65歳まで働いて収入を継続できる社会環境を作るべく、本選択肢のように法律が改正された、という経緯があります。
この背景も踏まえて、年齢の数字を暗記するようにしましょう。
クレジットカード
ローン・クレジットカード のページに移動しました。(移動日:2020年2月13日)
- FP技能士3級と2級の過去問から、難問(試験対策テキストには記述がない問題、多くの人が間違えやすい問題など)を中心に解説しています。
正解だけでなく、問題の背景や周辺知識も含めて解説しています。 - 万一記述に誤りがあると思われた方は、お問い合わせページよりお知らせください。正しい内容をお知らせし、当サイトも訂正します。
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