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第3分野の保険

民間の介護保険

保険金支払い基準

2015年9月 FP技能士2級 学科 問18より

4.介護保険は、公的介護保険制度を補完するものであり、介護保険法上、公的介護保険の要介護認定基準に連動した一時金および年金の支給が義務付けられている。

この記述は不適切です。
民間の介護保険の支給ルールは、介護保険法上の要介護認定基準に連動してもよいですし、連動せず保険会社が個別に定めることもできます。

実務上、最近では保険商品の分かりやすさという観点から、公的介護保険と連動させる保険商品も増えています。

ちなみに民間の介護保険の場合、保険金の支払いにあたり、要介護状態が一定期間以上継続していることを条件にしているものが主流のようです。
この一定期間は、多くの場合180日ですが、法令などで決まっているわけではなく、各保険商品ごとに異なる期間設定をすることができます。したがって、保険商品によっては180日より短い期間が設定されている場合もあります。

介護年金の支給額

2017年5月 FP技能士2級 学科 問19より

3.介護保険では、被保険者が公的介護保険の介護サービスを利用した場合の自己負担額を限度に介護年金が支払われる。

この記述は不適切です。

民間の介護保険の支給ルールは、公的介護保険のルールに影響されず、個別に定めることができます。
したがって、公的介護保険における自己負担額を超える金額にしても、超えない金額にしても、どちらでも問題はありません。

保障期間

民間の介護保険では、定期保険タイプまたは終身保険タイプのものが主流です。定期保険タイプでは、保障の期間は限定されるものの、毎月の保険料は安いです。一方、終身保険タイプの場合は、一生涯を保障期間とされますが、その分保険料は高くなります。

医療保険

介護施設への入所時の給付金支払い

2015年5月 FP技能士2級 学科 問19より

2.医療保険の被保険者が介護保険法に定める介護老人保健施設に入所しても、入院給付金は支払われない。

この記述は適切です。

医療保険の入院給付金は、病院や診療所等の医療機関に入院した場合が支払の対象となります。
一方、介護老人保健施設への入院は、入院給付金の支払対象とはなりません。

ちなみに、介護老人保健施設の入所にかかる費用の一部は、医療費控除の対象にはなります。
その詳細はここでは書きませんが、興味があれば国税庁のサイトに記載がありますので、そちらを参照してください。
https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1125.htm

入院中の入院給付金の請求

2015年5月 FP技能士2級 学科 問19より

4.医療保険の入院給付金は、退院後に所定の診断書を添付して請求する必要があり、入院中に請求することはできない。

この記述は不適切です。
入院給付金は、入院中にも請求することは可能です。
ただし、請求するその日までの入院分に対してのみ、請求することができます。
とはいっても、医師に協力を仰いで診断書を書いてもらったり、給付金の請求手続きなどを、入院中にしなくてはなりませんし、なかなか大変です。よほど家計が苦しい状況でないなら、退院後にまとめて手続きをして、給付金を受給するほうが効率的でしょう。

女性疾病特約

保障対象の病気

一般的に、下記の病気に対して給付金を受けることができます。
ただし、保険会社、保険商品ごとに異なる場合があります。

子宮がん、乳がん、胃がん、直腸がん、肝臓がん、肺がん、骨肉腫、白血病など
(悪性新生物に限らず、一部の良性新生物も給付の対象)
甲状腺腫、クッシング症候群、卵巣機能障害、鉄欠乏性貧血、紫斑病、血小板機能障害、低血圧症、慢性リウマチ性心疾患、胆石症、胆のう障害、ネフローゼ症候群、慢性腎不全、膀胱炎、腎結石、尿管結石、乳房の障害、女性生殖器の障害、流産、妊娠の合併症、分娩の合併症、産褥の合併症、リウマチ性多発筋痛、慢性関節リウマチなど。

保障対象外の内容

美容上の医療措置、正常分娩などは、保障の対象外です。

ガン保険

ガン保険の待機期間中にガンと診断されたら

2013年1月 FP技能士2級 学科 問18より

4.ガン保険は、責任開始までに一定の不担保期間を設定しており、その期間中に被保険者がガンと診断確定した場合には、契約は無効になる。

この選択肢は適切です。契約が無効となるため、最初から契約しなかったものとして取り扱われます。その場合、すでに払い込んだ保険料は全額返還されることになりますが、保険金も支払われません。
また、ガン保険は、一般的に90日間の不担保期間(待機期間)があるという点も押さえておきましょう。

白血病は、ガン保険の保障対象になるか?

2014年5月 FP技能士2級 学科 問18より

4.ガン保険の保障の対象となるガンには、白血病も含まれる。

この選択肢は適切です。
白血病は「血液のガン」とも言われていることからも、ガン保険の保障対象となっています。

手術給付金の支払限度回数

2018年5月 FP技能士2級 学科 問18より

2.ガン保険は、保障開始後は入院給付金の支払日数には限度がないが、手術給付金の支払回数には限度がある。

この記述は不適切です。
あまり一般的には知られていないのですが、ガン保険の手術給付金も、一般的には支払回数に限度はありません。
ただし保険商品によっては、手術の条件や回数に限度を設けて保険料を下げているものも存在します。実際の契約の時には、支払い条件をよく確認する必要がありますね。

生活習慣病入院特約

対象となる疾病

2019年5月 FP技能士2級 実技(FP協会)問11より

<問題文は省略>

この問題では、肺炎で入院した場合に、生活習慣病入院特約の保険金が下りるのかどうか、が問われました。
生活習慣病入院特約で支払われる疾病の種類は、「がん、急性心筋梗塞、脳卒中、高血圧性疾患、糖尿病」の5つです。

肺炎はこれに含まれないため、生活習慣病入院特約からは保険金は支払われないこととなります。
生活習慣病入院特約についても、知識を深めておきましょう。

ちなみに「生活習慣病」は、上記5種類の病気だけでなく、もっと幅広い疾患を指している言葉ですね。
言葉の意味も、一つ一つ理解をしておきましょう。

所得補償保険

保険金の支払い基準

2015年9月 FP技能士2級 学科 問19より

4.勤めている会社が倒産して失業し、収入が途絶えた場合に備えて、所得補償保険に加入した。

この記述は不適切です。
所得補償保険は、病気やけがで仕事ができなくなった場合に保険金が支払われる保険です。
倒産や失業に備えるものではありません。
倒産や失業に備える保険は、公的保険として雇用保険がありますね。

ちなみに実務上、所得補償保険で保険金が支払われるのは、病気やけがにより、いかなる職業にも就くことができない状態になったときとされています。大きな病気やけがの場合でも、何らかの仕事に就くことができる場合には、保険金は支払われないこともあり得るのです。

自宅療養でも補償対象

2018年5月 FP技能士2級 学科 問18より
(2016年9月 FP技能士2級 学科 問19も類題)

4.所得補償保険では、ケガや病気によって就業不能となった場合、入院中だけでなく医師の指示による自宅療養中も補償の対象となる。

この記述は適切です。
所得補償保険は、入院中に限らず自宅療養中でも補償の対象となります。
一般的な医療保険は、入院が要件となっていますが、それとは異なる点を理解しておきましょう。

先進医療

先進医療のページを参照してください。

 


 

 

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