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国民年金関連

障害年金・遺族年金

障害年金・遺族年金のページにまとめています。こちらを参照してください。

被保険者の種類(1〜3号など)

被保険者のケースのうち、迷いやすいもの

20歳以下の者でも、厚生年金に加入していれば、その者は第2号被保険者となります。

65歳以上の第2号被保険者に扶養されている者で、20歳以上60歳未満の者は第1号被保険者となります。
扶養だから第3号と考えがちですが、第2号被保険者の年齢が65歳未満の場合においては、その扶養される者は第3号被保険者となり、65歳以上の場合だと扶養者は第1号被保険者となります。

夫婦で海外に長年在住していたとしても、夫が65歳未満の第2号被保険者であれば、その扶養されている妻は第3号被保険者です。なお、海外に居住していれば、そもそも日本の国民年金には加入しなくてもよいです(任意加入)。
海外に居住していても、第2号の被保険者になる選択をしていれば、上記のケースでは妻は第3号被保険者になります。

第2号被保険者と第3号被保険者

厚生年金に加入している人は、第2号被保険者とされていますが、原則として65歳未満の人が対象となります。
65歳以上で、老齢給付の受給権がある人(言い換えれば、25年以上年金を払っている人)は、第2号被保険者とはなりません。もちろん、65歳以上で在職老齢年金を受給している場合には、年金受給権があるために第2号被保険者とはなりません。

このように65歳以上で第2号被保険者とならない夫が扶養している60歳未満の妻は、第3号被保険者とはならず、第1号被保険者となります。第3号被保険者は、あくまでも第2号被保険者に扶養されている配偶者であるという要件だからです。

国民年金の任意加入者

2014年5月 FP技能士2級 学科 問4より

4.日本国籍を有する者であっても、日本国内に住所を有しない者は、国民年金に加入することができない。

この選択肢は不適切です。
このケースの場合は、国民年金の任意加入者という扱いになります。
国民年金に加入することもできますし、加入しないという選択もできます。

任意加入者は、国民年金に加入して保険料を支払えば、その期間は保険料納付期間とみなされます。
一方、国民年金に加入せず、保険料を払わなくてもよいのですが、その場合は合算期間とみなされ、老後にもらえる年金額には反映されなくなります。

国民年金第1号被保険者の要件に、国籍は関係ない

2017年1月 FP技能士2級 学科 問5より

1.(国民年金に関して)第1号被保険者は、日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満の自営業者、農林漁業者、学生、無職の者などのうち、日本国籍を有する者のみが該当する。

この記述は不適切です。
第1号被保険者の要件として、国籍は問われません。
第2号、第3号被保険者においても、国籍は要件に含まれていません。
国籍を問わず、日本国内に住所を有していれば、第1号被保険者となるのです。

ちなみに、年金制度では日本国籍の有無が要件になっているものもあります。
例えば日本に住所がない人(海外で生活している人)は、第1号被保険者とはなりませんが、第1号の任意加入被保険者になることもできます。
この任意加入においては、日本国籍がなければならない、という国籍要件が含まれています。

国民年金保険料の納付期限

2013年9月 FP技能士2級 実技(きんざい 個人資産) 問1より
2014年1月 FP技能士2級 実技(きんざい 個人資産) 問1も類題

国民年金の保険料は平成25年度については月額15,040円であり,毎月の保険料の納期限は原則として( 1 )となります。

( 1 )に当てはまる答えは「ロ:翌月の末日」です。この日を過ぎると未納の扱いとなり、この日より2年経過後に納付の時効となります。

国民年金保険料の前納

2015年9月 FP技能士2級 学科 問5より

3.国民年金の保険料は、所定の手続きにより2年度分をまとめて納付することができる。

この記述は適切です。
2014年より、2年分の保険料をまとめて納付することが可能となっています。

なお、2年分の保険料をまとめて納付した場合、

を選択できます。
これをうまく利用すれば、自営業者の方は利益が出そうな年にまとめて2年分の保険料を払うことで、節税効果を高めるなど、若干の調整を行うことができます。

ちなみに実務上、2年にわたって所得控除を行う場合には、確定申告上の注意点があります。
確定申告に添付する保険料納付の証明書は1枚しか発行されないため、2年目の確定申告では「保険料内訳明細書」という書面を作成する必要があります。
日本年金機構のホームページからダウンロードできますが、その明細書を作る手間が発生します。こちらを選択される方は、意外な盲点ですから注意してくださいね。

国民年金の連帯納付義務

2014年5月 FP技能士2級 学科 問4より

2.第1号被保険者が納付すべき保険料について、その者の配偶者やその者が属する世帯の世帯主は、当該保険料を被保険者本人と連帯して納付する義務を負う。

この選択肢は適切です。
これはかなりマニアックな出題ですね・・・。

国民年金保険料の連帯納付義務についてまで記載があるテキストはほとんどありませんが、実はこの記述の通りです。国民年金保険料を払えない場合、その配偶者や、世帯主(本人と配偶者以外に世帯主がいる場合)の方が法律上支払いを求められるということでもあります。

思い出していただきたいのですが、国民年金保険料の全額免除を申請する時には、本人・配偶者・世帯主の全員に対して所得要件が課されています。(といっても、この記述もないテキストは多くありますが・・・)
このことからも、国民年金保険料は、この3者が連帯して納付すべきものであるという理屈がうかがい知れます。

以上のように、国民年金の保険料は、本人、配偶者、世帯主の3者による連帯納付義務があるという点を、理解しておいてくださいね。

ちなみに、公的介護保険、後期高齢者医療制度においても、その者の配偶者やその者が属する世帯の世帯主が、連帯納付義務を負うことになっています。しかし国民健康保険においては、現状、連帯納付義務を負うことにはなっていないようです(連帯納付義務を負わせる方向で調整に入っているようではありますが)

公的年金等控除

控除が適用される年金

公的年金受給は、退職所得ではなく雑所得です。
雑所得では、公的年金等を受給する場合は、収入金額から「公的年金等控除」という控除を受ける事が出来ます。
その公的年金等控除が適用される年金は以下のとおりです。

公的年金控除額を判定する日

2013年1月 FP技能士2級 学科 問8より

4.公的年金等控除額は、受給者の年齢および年金支給額に応じて異なるが、年齢についてはその年の1月1日現在で判定する。

この選択肢は不適切です。公的年金等控除額は年齢によってその額が異なりますが、その年の12月31日時点の年齢で判定をします。

年金の繰上げ、繰下げ受給

申請時期

2015年9月 FP技能士2級 実技(きんざい生保) 問2より

<中略>
仮に、Aさんが( 1 )歳に達する前に老齢基礎年金の請求をしなかった場合、Aさんは( 1 )歳に達した日以後の希望するときから、老齢基礎年金の繰下げ支給の申出をすることができます。

(1)に入る言葉は、「66」です。

繰上げ支給は、60歳0か月〜64歳11か月の期間から受給開始となる年金に対して申請できます。
繰下げ支給は、66歳0か月〜70歳0か月の期間から受給開始となる年金に対して申請できます。

65歳0か月〜65歳11か月の期間から受給開始となる年金に対しては、繰り上げも繰り下げもできません。
繰り下げ支給の申請は、66歳に到達してからです。65歳の段階では、繰下げ支給は申請できない点を、理解しておきましょう。

同時申請の有無

2013年1月 FP技能士2級 学科 問5より

3.老齢厚生年金の支給繰下げの申出をする場合、その申出は老齢基礎年金の支給繰下げの申出と同時に行わなければならない。

この選択肢は不適切です。老齢基礎年金のみを繰下げ申請することも可能ですし、老齢厚生年金のみを繰下げ申請することも可能です。それぞれ独立して、繰下げ申請をすることが可能となっています。
逆に、繰上げ申請の場合は、老齢基礎年金と老齢厚生年金を両方同時に繰上げ申請しなければなりません。この違いも覚えておきましょう。

年金の繰下受給は、65歳以降にもらえる年金に対してしか行えない

2014年5月 FP技能士2級 学科 問5より

3.特別支給の老齢厚生年金を受給した者は、65歳から受給することができる老齢厚生年金を66歳以降に繰り下げて受給することはできない。

この選択肢は不適切です。これはちょっとややこしいお話です。

まず押さえておくべき点ですが、公的年金の繰下げは、65歳以降にもらえる年金のみに適用できるという点です。

老齢基礎年金は、そもそも65歳からもらえるものですので、老齢基礎年金自体は繰下げ受給することができます。

一方老齢厚生年金は、65歳以前にもらえる「特別支給の老齢厚生年金」と、65歳以降にもらえる「特別支給でない老齢厚生年金」の2つに区分されます。このうち、繰り下げの対象になるのは、65歳以降にもらえる「特別支給でない老齢厚生年金」の方だけなのです。

すなわち「特別支給の老齢厚生年金」は、報酬比例部分も定額部分もともに、繰り下げ受給することはできないのです

そのため、本選択肢にあるように特別支給の老齢厚生年金を受給した人であっても、65歳から受給することができる老齢厚生年金を繰り下げ受給するかどうかは、自由に決めることができるのです。

年金であればなんでもかんでも繰下げできる、というわけではないことを、この問題からも学び取ってくださいね。

年金支給に関する細かいルール

支給開始月

年金が支給開始となるのは、受給開始年齢となった誕生日の前日の翌月分からです。
たとえば10月10日生まれの人の場合は、前日10月9日の翌月分である11月分からの支給開始となります。
一方、10月1日生まれの人は、前日9月30日の翌月分である10月分からの支給開始となります。

この例からわかるように、同じ月に生まれた人でも、1日生まれの人と、2日以降生まれの人とでは、受給開始となる月が異なるのです。

老齢年金の請求書の送付時期

2018年1月 FP技能士2級 実技(FP協会) 問40より

(ア)老齢年金の請求書は、老齢年金の受給権が発生する者に対し、受給権が発生する年齢に達する月の3ヵ月前に事前送付される。

この記述は適切です。65歳になる3か月前(要するに64歳9か月ごろ)に送付されます。
その請求書に必要事項を記入して返送することにより、老齢年金を受け取れるようになります。

ちなみに、老齢基礎年金や老齢厚生年金のそれぞれを繰下げするかどうかも、この請求書で記入するようになっています。

支給終了月と請求の時効

2016年1月 FP技能士2級 実技(FP協会) 問40より

「公的年金の老齢年金は、受給要件を満たしたからといって自動的に支給されるわけではなく、請求の手続きが必要となります。邦彦さんには、老齢年金の支給開始年齢(受給権が発生する年齢)に達する3ヵ月前に、日本年金機構から『年金請求書(国民年金・厚生年金保険老齢給付)』が送られます。その用紙の記載事項を確認し、必要書類を添付のうえ、年金事務所等に提出します。この手続きは、支給開始年齢の( ア)から行うことができます。年金は原則として、受給権が発生した月の翌月分から( イ)まで支給されます。万一手続きが遅れた場合でも、( ウ)の年金まではさかのぼって支給されます。」

【選択肢】

1.(ア)誕生日の2週間前(イ)受給権が消滅した月の前月分(ウ) 5年前
2.(ア)誕生日の2週間前(イ)受給権が消滅した月分 (ウ)10年前
3.(ア)誕生日の前日 (イ)受給権が消滅した月の前月分(ウ)10年前
4.(ア)誕生日の前日 (イ)受給権が消滅した月分 (ウ) 5年前

正解の選択肢は「4」です。
期日に関する細かい規定ですが、この通り暗記をしておきましょう。
試験対策だけでなく、年金相談など実務上役立つ知識になりますよ。

老齢年金はいつからいつまで支給されるか

2018年1月 FP技能士2級 実技(FP協会) 問40より

(ウ)老齢年金は原則として、受給権が発生した月の当月分から、受給権が消滅した月の前月分まで支給される。

この記述は不適切です。
正しくは、「受給権が発生した月の翌月分から、受給権が消滅した月分まで」支給されます。
1ヶ月ずらした記述で出題してきましたが、いつからいつまでの支給なのかを正しく理解しておきましょう。

支給される月

2013年9月 FP技能士3級 実技(FP協会) 問18より

2.「老齢基礎年金は、1月、4月、7月、10月の年4回に分けて支給されます。」

この選択肢は不適切です。
実際に年金が支給されるのは、偶数月(2月、4月・・・、12月)であり、さらにその前の2か月分がまとめて支給されます。たとえば12月に支払われる年金は、10月と11月分の2ヶ月分ということです。

支給額の端数処理

この2か月ごとに受給できる年金額の単数処理ですが、まず1年間での年金受給額(年額)を算出します。この年額は、十円の位を四捨五入し100円単位で求めます。
次に、その年額を6で割り、1円未満を切り捨てた金額が、2か月ごとに実際に受け取れる金額となります。

下記のサイトで、わかりやすく説明されていますので、参考にしてください。
参考:年金受給額の計算における端数処理のまとめ

国民年金の法定免除の要件

2018年1月 FP技能士3級 実技(きんざい個人資産) 問3より

1) 「Aさんが亡くなった後、妻Bさんは国民年金の第1号被保険者となりますが、遺族基礎年金等の遺族給付を受給している者は法定免除の対象となるため、妻Bさんは、所定の届出により、国民年金保険料の納付が免除されます」

この記述は不適切です。
遺族基礎年金や遺族厚生年金を受給していても、国民年金の法定免除の対象とはならず、国民年金保険料の納付する必要があります。

国民年金の法定免除となるのは、主に次のケースです。
・障害基礎年金を受給している
・障害厚生年金1級または2級を受給している
・生活保護を受給している

遺族年金ではなく障害年金の受給者であれば、国民年金の法定免除の対象になるという点を理解しておきましょう。

納付猶予制度、学生納付特例制度、全額免除の違い

2013年9月 FP技能士2級 実技(きんざい 個人資産) 問2 より
2016年1月 FP技能士2級 学科 問4より
2018年9月 FP技能士2級 学科 問4より

国民年金には、納付猶予制度や学生納付特例制度がありますが、一方で国民年金にはもともと保険料の全額免除制度もあります。これらの違いは下記の通りです。

※納付猶予制度は、以前は30歳未満の年齢の者だけを対象としていて「若年者納付猶予制度」と呼ばれていました。現在は50歳未満の者にまで対象が広がると同時に名称も変わって、単に「納付猶予制度」と呼ばれるようになりました。

適用対象年齢

納付猶予制度:50歳未満の人のみ適用可能(平成28年7月からこのとおり改正)
学生納付特例制度:全年齢で適用可能。ただし大学、短大、高校の学生であること。学校は夜間、定時制、通信制でも認められる。
全額免除制度:全年齢で適用可能

所得要件

納付猶予制度:本人の所得と配偶者の所得のそれぞれが、いずれも「(扶養家族人数+1)×35万円+22万円」未満であること
学生納付特例制度:本人の所得が、「扶養家族人数×38万円+118万円+社会保険料控除の額」 未満であること
全額免除制度:本人の所得、配偶者の所得、申請者世帯の世帯主の所得が、いずれも「(扶養家族人数+1)×35万円+22万円」未満であること

受給する年金額への反映

納付猶予制度:まったく反映されない。
学生納付特例制度:まったく反映されない。
全額免除制度:2分の1の額が反映される。

※いずれも10年以内に追納することで、本来の年金額が反映されます。

申請の頻度

納付猶予制度:原則として毎年申請を行う必要があるが、あらかじめ希望すれば翌年以降の申請は不要。
学生納付特例制度: 適用を受けるには、毎年必ず申請を行う必要がある。
全額免除制度:原則として毎年申請を行う必要があるが、あらかじめ希望すれば翌年以降の申請は不要。

※上記はあくまでも申請に関するものであり、これらの免除特例が適用されるかどうかの審査は毎年行われます。

適用の順序

学生納付特例制度を適用できる要件を満たしている場合、納付猶予制度と全額免除制度のいずれも適用を受けることはできません。
よって被保険者本人が学生の場合には、この3つのうち学生納付特例制度しか適用を受けられないのです。

付加年金

付加年金の繰上げ・繰下げ

2019年5月 FP技能士2級 実技(FP協会)問39より
(2013年5月 FP技能士2級 学科 問5も類題)

(イ)老齢基礎年金の支給の繰下げの申出をしたときは、老齢基礎年金と併せて支給される付加年金も老齢基礎年金と同様に増額される。

この記述は適切です。
老齢基礎年金の繰上げまたは繰下げの申請をした場合、付加年金についても同率(繰上げなら1か月につき-0.5%、繰上げなら1か月に月+0.7%)で受給額が増減します

基礎年金と付加年金の受給は、同時にかつ一体で受給するというルールである点を、理解しておきましょう。

確定拠出年金との同時納付について

2014年9月 FP技能士2級 実技(中小事業主) 問2より

3.「Aさんは,老後の年金収入を増やすために,国民年金の付加保険料を納付することができます。ただし,Aさんが確定拠出年金の個人型年金加入者となった場合は,付加保険料を納付することができません」

この記述は誤りです。
確定拠出年金の個人型に加入していても、国民年金の付加保険料は納付することができます。

一方、国民年金基金の保険料と、付加保険料とは、同時に納付をすることができず、この場合はいずれか一方にしか加入できません。

この違いを、理解しておきましょう。

「確定拠出年金と付加保険料を同時に納付できる」と明確に書かれた試験対策テキストは、ほとんどありません。
ですから受験者の皆様も「この場合はどうなんだろう?」と不安に思われた方も多かったと思います。心理的に絶妙なところを突いてくる問題でしたね。こういう問題はやっかいです・・・

付加保険料納付者の、確定拠出年金の掛金限度額

2016年9月 FP技能士2級 実技(生保顧客) 問2より

ii)『確定拠出年金の個人型年金』
確定拠出年金の個人型年金は、将来の年金受取額が加入者の指図に基づく運用実績により左右される年金制度です。Aさんが確定拠出年金の個人型年金に加入した場合でも、国民年金の付加保険料を引き続き納付することができます。この場合、Aさんが確定拠出年金の個人型年金に拠出できる掛金の限度額は、月額( 2 )円となります。

(2)に入る言葉は「67000円」です。
68000円ではありませんので、引っかからないように注意してくださいね。

まず、確定拠出年金の個人型は、毎月68000円が掛金の限度額である、という内容は正しいのです。

ただし本記述のように付加保険料を払っている場合は、付加保険料400円と合算して68000円までとなります。
確定拠出年金の掛け金は1000円単位で設定するため、付加年金保険料を納付している場合は、
  付加保険料400円+確定拠出年金67000円
が上限額となってしまうのです。
(付加保険料400円+確定拠出年金68000円=68400円は、上限68000円をオーバーしてしまう)

ねんきん定期便

ねんきん定期便の加入記録

2015年5月 FP技能士2級 学科 問10より

2.「ねんきん定期便」には、国民年金の被保険者期間や厚生年金保険の被保険者期間が記載されているが、共済組合の組合員期間は記載されていない。

この記述は適切です。

ねんきん定期便に記載される内容は、その送付元である日本年金機構が把握している加入記録だけが記載されています。日本年金機構は、厚生年金に関する記録は保有していますが、公務員等の方が加入している共済年金の記録は保有していません。
共済年金の記録を保有している共済組合は、日本年金機構とは別組織であり、お互いに情報連携がなされていません。
そのため、ねんきん定期便には、共済年金の加入記録(組合員期間など)は記載されないのです。
共済組合の加入記録を知るためには、共済組合からの通知で把握したり、個別に問い合わせる必要があります。

記載されている年金額

2017年5月 FP技能士2級 実技(FP協会) 問33より

(イ)50歳未満の人の「ねんきん定期便」には、老齢年金の種類と定期便作成時点の加入制度に引き続き60歳になるまで加入した場合の老齢年金の見込み額が記載されている。

この記述は不適切です。

2015年5月 FP技能士2級 学科 問10より

3.「ねんきん定期便」に記載されている年金額は、送付対象者の年齢にかかわらず、その者が現在加入している公的年金制度に60歳まで同じ条件で加入し続けたものと仮定して算出された金額となっている。

この記述は不適切です。

ねんきん定期便には、老齢年金の見込み額(要は老後にもらえる年金額)が記載されています。
しかし、50歳未満の方と50歳以上の方とで、異なる計算式で算出されています。

まず、50歳未満の方は、その時点までの加入実績(「ねんきん定期便」でお知らせしている年金加入記録)を基に計算した老齢年金の額を表示しています。言い換えると、その時点以降、一切基礎年金も厚生年金も加入しなかった場合の年金受給額となります。
(なので、20代の方は非常に少ない金額しか記載されないことになります)

一方50歳以上の方は、現在加入している年金制度に60歳まで同じ条件で加入し続けたものと仮定して算出された金額となっています。
とはいえ一般的には、50歳以上になると年収が低下する傾向がありますし、早期退職する場合もあります。年収低下が現実となると、ねんきん定期便の通りの金額は将来受給できなくなる可能性もあるわけです。

50歳を前後して、このような記載の違いがあることを理解しておきましょう。

この計算式の違いは、ねんきん定期便にも記載されています。
ご自宅に届いたねんきん定期便を事前にすみずみまで読んで理解していた受験者であれば、この問題は比較的簡単だったかもしれないですね。

遺族年金の見込み額は書かれていない

2017年5月 FP技能士2級 実技(FP協会) 問33より

(エ)「ねんきんネット」の「年金見込額試算」では、老齢年金および遺族年金の見込み額を試算することができる。

この記述は不適切です。
ねんきんネットは、一人一人の年金の状況を確認することができる、インターネット上のサービスです。
厚生労働省が管理しているサイトの一つです。

このねんきんネットでは、老齢年金の見込み額を試算することはできますが、遺族年金の見込み額を試算することはできません。

ねんきんネットは、登録すれば誰でも使えるサービスです。初回利用時の手続きに日数を要しますが、機会があればねんきんネットを一通り目を通してみてはいかがでしょうか。
「百聞は一見にしかず」ですし、ねんきんネットに関する今後の出題にも対応できる情報が得られると思います。

国民年金基金

国民年金基金のページをご覧ください。

雇用保険との併給

雇用保険と老齢年金との併給のページにまとめています。こちらを参照してください。

マクロ経済スライドの仕組みについての出題

2019年5月 FP技能士2級 実技(FP協会)問24より

2.公的年金の老齢給付におけるマクロ経済スライドにおいて、給付水準の調整に用いられるのは物価の変動のみである。

この記述は不適切です。
マクロ経済スライドそのものに関する出題です。ここまでのことはテキストにも載っていませんし、これを知らないFPのほうが多い内容です。

給付水準の調整に用いられるのは、物価の変動以外にも、賃金の変動もあるのです。
この両者が上がったか下がったかによって、翌年の年金額が調整され、増減される仕組みとなっています。

マクロ経済スライド自体の理解は、FP試験の範囲外ですので、詳しく学びたい方は別途専門サイトや書籍で学習してみて下さいね。

 


 

 

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