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生命保険の種類、特約の種類

特定疾病保障定期保険

特定疾病とは、一般的に、日本人の死因上位3位に入る3大疾病(がん、急性心筋梗塞、脳卒中)のことです。

特定疾病保障定期保険は、通常の定期保険の保障内容に加えて、特定疾病と診断された時、生前に保険金を受け取れる性質を持つ保険です。
「特定疾病の時だけ保険金が支払われる」という保険ではありません。 勘違いしやすいので気を付けてください。

したがって、特定疾病に該当しない病気で死亡したり、交通事故など不慮の事故で死亡した場合も、保険金は支払われます

こども保険

契約者

一般的には被保険者となる子の父母を契約者とします。ただし、契約者を父母以外にすることが認められているこども保険もあります。なお、契約者の年齢に制限を設けているこども保険が多いです。

契約者の死亡時

契約者(一般的には子の父母)が死亡した場合には、以後の保険料の払い込みは免除されますが、保障は継続し、満期時には満期保険金が支払われます。以上が契約者死亡時のこども保険の取り扱いとなりますが、保険会社の中には、契約者の死後一定期間に年金が支払われたり、一時金を受け取れるものもあります。

被保険者の死亡時

被保険者である子が死亡した場合、払い込んだ保険料や責任準備金が、死亡保険金として支払われ、契約は消滅します。

学資保険の出生前加入特則

2015年5月 FP技能士3級 学科 問8より

学資(こども)保険には,出生前加入特則の付加により,被保険者となる子が出生する前であっても加入できるものがある。

この記述は正しいです。
このように出生前加入特則の制度を設け、子の誕生前に加入できる学資保険が存在します。
子供が生まれたら学資保険に入りたいと考えている人もいますが、出産後しばらくはあわただしくて、保険加入手続きどころではない方も多いものです。
学資保険に加入し損ねることなく、事前に契約手続きだけしておけるようにと、出生前加入特則が登場したとも言われています。

なお、出生前加入特則を利用して子の出生前に学資保険に加入するためには、出生前に加入契約と、初回の保険料の払い込みが必要です。第2回目以降の保険料の払い込みは、子が生まれてからとなります。

万一、出生前加入特則を利用して学資保険に加入したあと、子が流産や死産になってしまった場合には、契約は無かったものとして取り扱われます(契約取消の扱い)。
この場合、すでに払い込んだ保険料は、全額返還されます。

無選択型保険

2015年5月 FP技能士2級 学科 問12より

1.無選択型終身保険は、加入時に医師による診査や告知の必要がなく、被保険者の健康状態にかかわらず加入することができる。

この記述は適切です。
健康状態を問わずに加入できる保険というわけなのですが、通常の保険に比べて保険料は割高です。
さらに、通常の保険と比較して、特定の条件下で保障が得られなかったり、一定条件において保険金が支払われないなどの制約がある場合もあります。
だれでも入れるということで入口は広いのですが、保険金支払いという出口が狭い(小さい)のが、無選択型終身保険の特徴です。

低解約返戻金型保険

低解約返戻金型保険とは

2015年5月 FP技能士2級 学科 問12より

2.低解約返戻金型終身保険は、全保険期間を通じて、解約返戻金額が通常の終身保険の70%程度に抑制されている。

この記述は不適切です。
低解約返戻金型終身保険は、ある一定期間は解約返戻金が通常の70%となっています。そのため、早期に解約すると損も大きいのですが、保険料は割安となっています。
その一定期間が経過すると、通常の終身保険と同じ解約返戻金を受け取れるようになります。全期間70%に抑制されているわけではありません。

保険料払い込み期間中は、低い解約返戻金に設定されているため、保険料も少し安くなっています。
解約した時のペナルティは大きくなるので、何があっても解約しないという決意を持つ人には有利な終身保険です。

低解約返戻金の期間

2016年1月 FP技能士2級 学科 問13より

4.低解約返戻金型終身保険は、解約返戻金の金額を低く設定する期間について、契約者が任意に指定できる。

この記述は不適切です。

解約返戻金の金額を低く設定する期間は、保険会社があらかじめ決定しています。契約者はそれを変更することはできません。

利率変動型積立終身保険

2016年1月 FP技能士2級 学科 問13より

3.利率変動型積立終身保険(アカウント型保険)は、主契約の適用利率が契約後一定期間ごとに見直されるが、最低保証利率が設定されている。

この記述は適切です。

本記述の通り、適用利率には最低保証利率と呼ばれる下限が設定されています。適用利率は見直しが行われるのですが、金利情勢によって利率が上昇することはあっても、最低保証利率より下回ることはありません。

生存給付金付定期保険

2014年1月 FP技能士2級 学科 問12より

1.生存給付金付定期保険の被保険者が死亡した場合、保険金額からすでに支払われた生存給付金の額を差し引いた金額が死亡保険金として支払われる。

この選択肢は不適切です。
生存給付金付定期保険は、保険期間中に生存給付金が支払われる定期保険です。この生存給付金は、契約で定められた死亡保険金とは別に、給付されるものです。
その分、保険料は通常の定期保険よりも高くなっています。

一時払い終身保険

2014年1月 FP技能士2級 学科 問12より

3.一時払定額終身保険は、契約後いつ解約しても解約返戻金が払込保険料を下回ることはない。

この選択肢は不適切です。
一時払定額終身保険の解約返戻金の額は、契約後に年数が経つにつれて高くなっていきます。特に契約直後の解約は、払込保険料を下回る金額になります(つまり元本割れの状態)。
このような性質があるため、一時払定額終身保険は契約後に数年以上たたないと、元本割れが解消できない状態が続きます。
したがって契約においては、後でお金に困ることのないよう、生涯における余裕資金を計算のうえでこの保険を購入することを検討すべきともいえます。

団体保険、団体扱いの保険

「団体保険」も「団体扱いの保険」も、ある団体に所属する人を対象にした保険です。例えば、グループ関連会社に所属する社員を対象にした保険、ある組合の構成員を対象にした保険などがあります。
どちらも、一般の契約と比べて、同じ保障内容でも割安な保険料に設定されています。

この両者の違いですが、団体保険は、その団体に所属する人しか保険に加入できないという条件があります。そのため、団体から脱退(たとえば退職など)すれば、自動的にその保険を解約したことになります。
したがって、団体を脱退した場合にも保険が必要なら、新たな保険に加入しなおす手間が発生します。

一方、団体扱いの保険には、団体に所属することが条件とはなっていませんので、脱退したからといって解約になることはありません。ただし団体に適用されていた割引はなくなり、通常の保険料になってしまう場合があります。

下記で説明している総合福祉団体定期保険や団体定期保険は、団体保険の一種です。

総合福祉団体定期保険

概要

契約者が法人などの団体、被保険者を団体の役員及び従業員とする保険です。
1年更新の定期保険です。

従業員や役員の死亡、高度障害に対して保険金が支払われます。
定期保険の性質であるため、退職金などの準備として利用することはできません。

死亡保険金受取人は、原則として従業員の遺族です。
ただし、被保険者の同意があれば、企業を受取人にすることができます。

告知のみで加入することができ、医師の審査は不要です。
ただし加入にあたっては、被保険者の同意が必要です。

従業員や役員は、その法人を退職すると、自動的に総合福祉団体定期保険も解約することになります。

ヒューマンバリュー特約

総合福祉団体定期保険で支払われる死亡保険金は、原則として被保険者(役員または従業員)の遺族となっています。
しかし、企業としては、該当従業員の死亡に伴い、その従業員が直接的に生み出していた利益の喪失、他の従業員を雇用するための費用などの費用負担が発生してしまいます。
これを保障することを目的として、総合福祉団体定期保険にはヒューマンバリュー特約があります。

ヒューマンバリュー特約を付加すると、死亡保険金の一部が、被保険者の遺族ではなく企業側に支払われます。企業側はこの保険金を活用して、会社の損失補てん等に充てることができるようになります。

ただしヒューマンバリュー特約を付加するに当たり、被保険者の同意が必要です。保険金は本来、被保険者の遺族のために支払われるのですから、それを企業側の一方的な事情だけで変更することは不適切ですね。なので被保険者の同意を求めるルールとなっているのです。

役員も被保険者にできる

2017年5月 FP技能士2級 学科 問14より

1.総合福祉団体定期保険は、従業員の遺族の生活保障を主たる目的とした保険であり、役員を被保険者とすることはできない。

この記述は不適切です。
総合福祉団体定期保険の被保険者は、原則として「すべての役員と従業員」となっています。したがって役員を被保険者とすることはできます。

災害総合保障特約

2019年1月 FP技能士2級 学科 問13より
(2017年5月 FP技能士2級 学科 問14も類題)

4.災害総合保障特約は、交通事故などの不慮の事故による災害時に障害・入院給付金が支払われる特約であり、給付金の受取人は企業に限定されている。

この記述は不適切です。
「受取人は企業に限定されている」を「受取人は被保険者または企業である」に直すと正しい文章になります。

総合福祉団体定期保険は死亡保障の性質を持つ保険ですが、これに災害総合保障特約を付加すると、いわゆる医療保障を得ることができるようになります。
災害総合保障特約による給付金の受取人は、原則として被保険者(役員や従業員)となります。ただし被保険者の同意があれば、受取人を企業にすることもできます。

団体定期保険

保険料の割引

2013年9月 FP技能士2級 学科 問13より

1.法人が契約者となり、従業員が任意で加入する団体定期保険(Bグループ保険)は、一般に、同じ契約条件によって個人で契約する定期保険よりも保険料が安くなる。

選択肢1は適切です。一般に団体定期保険といえば、本選択肢のように従業員が任意で加入し、保険料も割安な定期保険のことを指します。保険料が割安になる理由は、事務作業や保険に関する管理作業を一括して行えることにより経費が削減できるためです。

ちなみに、この団体定期保険をBグループとも言いますが、昔はAグループの団体保険もありました。
こちらは任意ではなく強制的に加入する保険でありましたが、保険金を巡って従業員の遺族と会社との間で訴訟が起こるなど社会問題化したことがありました。それを機に、このAグループの団体保険は「総合福祉団体定期保険」へと制度移行し、従業員の遺族の生活保障のための保険という位置づけとして生まれ変わった、という歴史があります。

保険料の負担者

2018年9月 FP技能士2級 学科 問12より

3.団体定期保険(Bグループ保険)は、従業員等が任意で加入し、その従業員等が保険料も負担する。

この記述は適切です。
団体定期保険(Bグループ保険)は、実に5年ぶりの出題ですね。

本記述の通り、団体定期保険は、従業員が任意で加入し、保険料も負担するものです。
ただし、団体扱いのため、保険料が割安になっています。
割安な保険料を、福利厚生として位置付けることもできる保険です。

ちなみに、この団体定期保険の類似制度として、総合福祉団体定期保険があります。
総合福祉団体定期保険のほうは「Aグループ保険」と呼ぶこともあります。
こちらは、全従業員が加入し、保険料は法人が負担するものです。

この両者の違いも、覚えておきましょう。

団体定期保険の加入限度額

2018年9月 FP技能士2級 学科 問12より

4.団体定期保険(Bグループ保険)の死亡保険金の加入限度額は、企業の退職金規程等で定められた死亡退職金の金額の範囲内で設定しなければならない。

この記述は不適切です。
「企業の退職金規程等で定められた死亡退職金の金額の範囲内で設定しなければならない」のは、総合福祉団体定期保険のほうですね。

団体定期保険のほうにはこのようなルールはなく、加入限度額は理論上、保険会社が保険商品として認めている上限額まで設定可能です。
とはいえ実務上は、ある程度の保険金額の幅を設定したうえで(500万円〜5000万円など)、契約者に選ばせる方式を採用しています。

保証期間付終身年金

2015年9月 FP技能士2級 学科 問12より

3.保証期間付終身年金は、保証期間中に被保険者(=年金受取人)が死亡した場合、残りの保証期間に対応する年金または一時金が相続人に支払われる。

この記述は適切です。
保証期間という単語は、各社の試験対策テキストに書いてあることが多いですが、どういう意味かの解説はほとんどありませんね。

終身年金における保証期間とは、その期間は被保険者の生死にかかわらず年金が支給される期間のことです。
つまり、確定年金と同じ取扱いとなる期間と例えることもできます。
この保証期間が過ぎると、被保険者の生存中に限り終身で年金が支給されることとなります。

保証期間中に被保険者が死亡した場合の取り扱いは、本記述の通りです。合わせて理解しておきましょう。

少額短期保険

少額短期保険とは、保健期間や保険金額に制限がある、小規模な保険です。
FP技能士試験2級3級で、まれに出題されます。

1人当たりの保険金の上限額

2017年9月 FP技能士3級 学科 問37より

少額短期保険業者が1人の被保険者から引き受ける保険金額の総額は、原則として(   )を超えてはならない。

(  )に入る言葉は「1,000万円」です。

生命保険と損害保険の保険契約すべてを合わせて、一人当たり1000万円が引き受け可能な保険金額となっています。
これ以上の保障が必要であれば、少額短期保険業者ではなく、一般の保険会社と契約をする必要があります。
このように保険金に上限があることから、「少額」短期保険と呼ばれているのです。

1契約当たりの保険金の上限額と保険期間

1契約当たりの保険金額について、死亡保険金は最大で300万円、損害保険の保険金は最大1000万円とされています。また、生命保険や医療保険の保険期間は最大で1年、損害保険の保険期間は最大で2年とされています。
さらに、顧客1人当たりの保険金額の総額(生命保険、損害保険など全てを合算した保険金額の総額)は、1000万円が上限となっています。

その他

少額短期保険業を行う際には、財務局での登録が必要であり、無登録で業務を行うことはできません。
一般の保険会社は、金融庁から免許を受ける必要がありますが、それに比べると参入の規制は小さいといえます。
また、資本金も1000万円あればよいとされています。ちなみに、一般の保険会社に求められる資本金は10億円です。

少額短期保険業者は、保険契約者保護機構の対象ではありません。
しかし契約者を保護するために、少額短期保険業者には補償金の供託義務など、様々な制限が設けられています。

少額短期保険に加入して保険料を支払っても、生命保険料控除や地震保険料控除の適用を受けることはできません。

生活習慣病(成人病)入院特約

生活習慣病特約は、ガン、脳血管疾患、心臓疾患、高血圧性疾患、糖尿病の5大成人病で入院した時、保険金が支払われます。

災害割増特約と傷害特約

この二つについては、FP協会側の実技試験でよく出題される内容ですが、学科試験でも出題されたこともあります。
2012年9月 FP技能士3級 学科 問7、他

この二つの特約はかなり似た性質を持つ特約ですが、違いもあります。

災害割増特約と傷害特約で、共通の点

災害や事故により、死亡または高度障害になった場合に保険金が支払われます。
高度障害以外の障害については、後述の通り支払いに違いがあります。

名前に「災害」とありますが、災害だけでなく、不慮の事故(交通事故は不慮の事故に含まれます)に対しても保険金は支払われます。
一方、名前に「災害」とありますが、地震や津波による死亡の場合、保険金が支払われない場合があります。

災害割増特約と傷害特約との違い

高度障害ではない障害状態となった場合、災害割増特約では保険金は支払われません。

傷害特約の場合、障害の程度に応じて障害給付金が支払われます。
支払われる障害給付金は、1回につき保険金額の10割未満です。
なお、特約期間を通して、通算して保険金額の金額まで支払われます。例えば、ある時に保険金額の7割の給付金を受給した場合、それ以降の不慮の事故による新たな障害状態になった場合、残りの3割が支払の上限となります。

このように、災害割増特約と傷害特約とでは、障害状態になった場合の保険金の支払い方式が異なります。

リビングニーズ特約

生前給付金の支給額

2013年1月 FP技能士3級 実技(きんざい 保険) 問4より

A)リビング・ニーズ特約は,病気やケガの種類を問わず,被保険者の余命が6カ月以内と判断された場合,所定の死亡保険金額の範囲内で特約保険金を請求することができる特約です。なお,指定した保険金額から対応する6カ月分の( 2 )相当額を控除した額を特約保険金として受け取ることになります。

(2)に入る言葉は「利息および保険料」です。
リビングニーズ特約で保険金を受け取る場合は、6か月後に保険金事故が発生したのと同じ経済効果となるよう、6か月分の保険料と利息分が差し引かれて給付されます。

生前給付金の上限額

2018年5月 FP技能士2級 実技(きんざい生保) 問4より
(2012年9月 FP技能士2級 学科 問19も類題)

<中略>

3 「Aさんが加入している生命保険と同様、Aさんが提案を受けた生命保険にもリビング・ニーズ特約が付加されており、いずれの契約も余命6カ月以内と判断された場合に最大で3,000万円を請求することができます」

この記述は不適切です。
まず一般論として、リビングニーズ特約に基づく生前給付金の上限は最大で3000万円か、死亡保険金額のいずれか低いほうとなっています。ただし保険商品によっては、3000万円より小さい金額だけしか請求できないというものもあります。
(例えば1000万円までとか、死亡保険金額の2分の1まで、など)

このように、リビングニーズ特約には給付の上限金額が設定されているということを理解しておきましょう。

さて、本問の解答に入っていきますが、「Aさんが提案を受けた生命保険」のほうは、死亡の原因にもよりますが、死亡保険金額が最大でも1800万円となっています。(この詳細は、上記<中略>と記したところに記載されており、受験者はその内容を読み解いている必要があります)

したがって、3000万円を請求することは、できません。よってこの記述は不適切といえるのです。

家族定期保険特約

2015年5月 FP技能士2級 実技(生保顧客) 問4より

2.「仮に,妻Bさんが保険期間中に亡くなった場合,Aさんが受け取ることになる家族定期保険特約の死亡保険金300万円は,相続税の課税対象となります」

この記述は不適切です。
家族定期保険特約とは、被保険者以外の別の家族が死亡した場合にも保険金が支払われる特約のことです。
本記述のように、夫婦で保障を得る場合に、この家族定期保険特約を利用すれば割安な金額で死亡保障を付けられます。
(ただし保険を解約すると、家族定期保険特約も消滅します)

本記述のケースにおいて、家族定期保険特約によって保険金が支払わる場合、契約者と受取人が同一のAさんとなるため、所得税・住民税の課税対象となります。

身体障害保障特約

2016年9月 FP技能士2級 実技(生保顧客) 問5より

2.「Aさんが病気やケガ等で重度の障害状態となって働けなくなった場合、公的年金制度から障害給付を受給しても、通常の生活費に加え、療養費等の出費もかさみ、支出が収入を大きく上回る可能性があります。現在提案を受けている身体障害保障特約など、重い障害や介護に備えることができる特約(保障)を付加することも大切なことだと思います」

この記述は適切です。
身体障害保障特約は、1級〜3級の身体障害者に該当した場合(身体障害者手帳が交付された場合)に、一時金が支払われる特約です。
実際には、介護が必要となったときには、身体障害者に該当するケースも多くあるものです。したがって介護が必要になった場合に備えるためには、身体障害保障特約の加入も検討に値するというわけです。

団体信用生命保険

団体信用生命保険とは

住宅ローン契約者が、死亡または高度障害になった場合に、以降のローン返済が免除される保険です。「団信」とも略されます。
この保険に加入していても、生存しているが働けなくなってしまった場合に備えて、収入保障保険や医療保険への加入はしておいたほうがよいでしょう。

団信の保険料

2015年1月 FP技能士2級 学科 問13より

2.団体信用生命保険の保険料は、被保険者の契約時の年齢および性別と債務残高に応じて算出される。

この選択肢は不適切です。
団体信用生命保険の保険料は、債務残高によって算出されます。ローンの残高が多いほど、保険料も高くなります。
一方で、契約時の年齢、性別、健康状態は保険料に影響を与えません。
債務残高が同じであれば、年齢、性別に関係なく、どなたでも保険料は同じ、ということなのです。

したがって同じ保険金が支払われるのであれば、若い年齢の方は、団体信用生命保険よりも民間の生命保険のほうが保険料が安い、ということもあり得るのです。
逆に40代以降の方の場合は、団体信用生命保険のほうが保険料がお得になることがあります。

団信と生命保険料控除の関係

団信の保険料は、生命保険料控除の対象とはなりません。

団信に関連する相続税の取り扱いについて

2015年1月 FP技能士2級 学科 問13より

4.被保険者の死亡に基因して団体信用生命保険から支払われる保険金は、被保険者の相続に係る相続税額の計算上、相続税の課税価格に算入されない。

この選択肢は適切です。
団体信用生命保険から支払われる保険金は、被保険者の死亡と同時に、ローン返済に充当されるため、相続人の財産とはなりません。(みなし相続財産とはならない)
したがって、相続税の課税価格に算入されることはありません。
それに関連して、死亡保険金の非課税金額の適用を受けることはできません。

ちなみに、団体信用生命保険に加入していた場合には、被保険者の死亡と同時に借入金は全額返済されることになるため、住宅ローンの残額を、相続債務として取り扱うこともできません。

団信のデュエット

住宅ローンを組むとき、通常は万が一のことがあってもその本人分のローンが免除されるだけです。夫婦でローンを組んだとき、残されたほうのローンは引き続き残ります。
フラット35を扱う住宅金融支援機構では、夫婦それぞれが住宅ローンを組むときに、夫婦いずれか一方に万が一のことがあった場合に、夫婦共にローンの支払がなくなるという団信の制度があります。

この制度をデュエット(夫婦連生団信)といいます。
詳しくは、下記のサイトで解説されています。
http://www.jhf.go.jp/customer/yushi/danshin/danshin.html

夫婦それぞれでローンを組むときには、このデュエットの制度も検討にいれてみるのもよいと思います。

金融機関が破たんした場合

住宅ローンは、金融機関が破たんしてもそのまま残ります。引き継ぎ先の金融機関へ、継続してローンの返済を行います。

円換算支払特約

概要

2016年1月 FP技能士2級 学科 問26より

4.外貨建て保険は、円換算支払特約を付加することにより、当該保険契約の締結後から保険金の受取りまでの為替リスクを回避することができる。

この記述は不適切です。
円換算特約(円換算支払特約)は、運用は外貨建てで行うものの、保険料支払と保険金受け取りを円通貨で行うことを約束する特約です。つまりこの特約があれば、外貨での支払いや受け取りをすることはありません。

為替変動の影響

2016年9月 FP技能士2級 学科 問13より

4.外貨建て個人年金保険では、円換算特約を付加した場合、受け取る年金額は為替の変動による影響を受けない。

この記述は不適切です。
保険期間中の運用は外貨建てで行われるため、保険料支払い時と受取時の間で為替変動の影響を受けることとなります(為替リスクあり)。

既払込保険料の額を下回ることもある

2017年5月 FP技能士2級 学科 問13より

3.外貨建て個人年金保険では、円換算特約を付加することで、為替変動があっても円貨で受け取る場合の年金受取総額が既払込保険料相当額を下回ることはない。

この記述は不適切です。

円換算特約は、運用は外貨で行うものの、保険料支払と保険金受け取りを円通貨で行うことを約束する特約です。つまりこの特約があれば、外貨での支払いや受け取りをすることはありません。
しかし、保険期間中の運用は外貨建てで行われるため、為替変動の影響を受けることとなります(為替リスクあり)。
そのため、年金受取総額が、既払込保険料相当額を下回ることもあり得るのです。

いつ時点のレートで円換算されるのか

2019年9月 FP技能士2級 学科 問12より

1.外貨建て終身保険は、契約時に円換算支払特約を付加すれば、契約時の為替相場で円換算した死亡保険金を受け取ることができる。

この記述は不適切です。
「契約時の為替相場」を「保険金受取時の為替相場」に直すと正しいです。
円換算支払特約により、円貨で保険金を受け取れますが、その額は保険金支払い時点の為替レートで計算されることを知っておきましょう。
つまり、保険金の額がいくらになるかは、契約時点ではわからないということになります。

以上がこの問題に対する考え方となります。
ただし実務上は、死亡保険金に最低保証額が定められている場合もあります。
また、円換算される時点が保険金支払日ではなく、保険金支払い手続きを保険会社で行った日、という場合もあります。

連生保険

複数人を被保険者とする保険のこと。
夫婦、親子を対象とした連生保険が、民間の保険会社で提供されています。

例えば、一般的なこども保険は、子供、父親、母親のいずれもが被保険者となり、いずれかが死亡した場合に死亡保険金が支払われます。
また、夫婦保険といって、夫婦それぞれが被保険者となり、いずれか(または両方)が死亡した場合に死亡保険金が支払われる保険もあります。

ちなみに、連生保険の反意語は「単生保険」であり、こちらは被保険者が一人に限定された保険のことです。

保険料払込免除特約

概要

保険料払込免除特約とは、三大疾病や身体障害、要介護状態などの特定の症状になった時に、以後の保険料払込が免除される特約のことです。子ども保険には、そもそもこの性質がありますね。
ただしこの特約に加入するには、別途、特約保険料を払う必要があります
さらに、どのような場合に保険料払込が免除されるかは、保険会社や契約内容によって異なりますので、契約を考えている際は細かい点までチェックすることが望ましいです。

更新型保険での払込免除特約

2017年5月 FP技能士3級 実技(保険) 問5より
2016年9月 FP技能士2級 実技(生保顧客) 問5も類題

3) 「生まれて初めて所定のがん(悪性新生物)と診断された場合、がん保険料払込免除特約により、次回の更新時までの保険料が免除されますが、主契約の保険料については免除されません」

この記述は不適切です。
更新型で払込免除特約がある場合、次の更新時までではなく、契約で定められた期間まで払込みが不要となります。
更新型保険は多くの場合、更新可能な年齢の上限(60歳まで、70歳まで、など)まで、払い込みが不要とされています。

払込免除特約により保険料が免除される場合は、特約保険料だけでなく、主契約の保険料も免除されます。

市場価格調整(MVA)機能

2018年1月 FP技能士2級 実技(生保顧客) 問4より

<問題文を一部抜粋>
市場価格調整(MVA)機能を有する外貨建て終身保険は、市場金利に応じた運用資産の価格変動に伴い、解約返戻金額が増減します。仮に、市場価格調整が行われる期間において解約時の市場金利が3%の場合と4%の場合を比較すると、外貨建ての解約返戻金額は3%の場合のほうが4%の場合に比べて( 2 )なります。

(2)に入る言葉は「多く」です。

市場価格調整(MVA)は、市場金利の影響を解約返戻金に反映する仕組みのことです。
債券投資の場合と同じように、金利が上昇すれば解約返戻金は減少し、金利が下落すれば解約返戻金は上昇します。
この背景が分かっていれば、本問を解答しやすくなりますね。

実務上、わずかな金利上昇で解約返戻金が結果的に大きく減ることもあり得ます。
金利上昇を予想するのであれば、市場価格調整(MVA)機能を有する外貨建て保険は、避けたほうが良い・・・かもしれませんね。

 


 

 

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