経済指標・株価指標
GDP
GDPとは
国内の経済活動によって生み出された財やサービスなどの付加価値の総額です。
内閣府が四半期ごとに公表しています。
GDPには、名目GDPと実質GDPがあります。
実質GDPは、名目GDPから物価上昇率を引いた値です。
実質GDP=名目GDP−物価上昇率
物価上昇率は、物価が上昇しているときには正の値、物価が下落しているときは負の値です。
物価が下落していく局面では、名目GDPがマイナスであっても、実質GDPはプラスになることもあります。
GDPの構成比
2015年5月 FP技能士2級 学科 問21より
1.国内総生産(GDP)において最も高い構成比を占める項目は、民間最終消費支出である。
この記述は適切です。
GDPとは、国内の経済活動によって生み出された財やサービスなどの付加価値の総額です。
2010年度のデータですが、GDPの構成比は大きい順位次の通りとなっています。
・第1位:民間最終消費支出(59%)
いわゆる民間のご家庭の家計支出の合計額とお考えください。
「個人消費」と言う言葉でも表されますね。
・第2位:政府最終消費支出(20%)
個人消費に対する、政府支出に当たる金額です。公務員の方の給料も、この支出額に含まれます。
・第3位:民間企業設備投資(13%)
その名の通りですが、主に民間企業による設備投資の金額です。消費とは区別して、集計されています。
経済成長率
GDPの前年比、四半期ごとの前年比の伸び率のことです。
企業物価指数
概要
企業間で取引されている商品価格の動向を調査したものです。
ここでいう商品価格には、サービスは含まれません。
国内企業物価指数、輸出物価指数、輸入物価指数から構成されます。
日本銀行が毎月公表しています。
日銀のホームページから、企業物価指数のデータをダウンロードできます。
消費者物価指数
一般消費者が購入している商品やサービスの価格動向を調査したものです。
総務省が毎月公表しています。
消費者物価指数と消費税の関係
2018年1月 FP技能士2級 実技(FP協会) 問23より
2013年1月 FP技能士2級 学科 問21も類題
1.消費者物価指数の算出では、消費税率の引上げがあっても増税分を差し引いて計算し、結果に影響しないようになっている。
この記述は不適切です。
消費者物価指数の算出においては、消費税を含んだ価格で集計されています。
したがって、増税が行われれば、消費者物価指数の計算結果に影響が出るということになります。
品目の見直し
2015年5月 FP技能士2級 学科 問21より
2.消費者物価指数は、指数計算に採用する品目とそのウエイトについて定期的な見直しが行われている。
この記述は適切です。
実は5年に1回の割合で、代表的な家計の支出項目として採用する品目と、消費全体に占める金額のウエイトが見直されます。
時代とともに人々が消費するものも変わっていくため、それを反映するために品目の見直しが行われているのです。
実際、携帯電話やETCが普及することにより、その支出額が消費者物価指数の項目として選定されています。
企業物価指数と消費者物価指数、どちらが先に影響が反映されるか
2016年5月 FP技能士3級 学科 問11より
原油価格などの商品市況や為替相場の影響は、企業物価指数に先行して、消費者物価指数に現れる傾向がある。
この記述は不適切です。
「企業物価指数」と「消費者物価指数」の言葉を入れ替えると、正しい文章となります。
つまり、企業物価指数の方が、先行してその影響が現れる、ということなのです。
企業物価指数は生産者が購入する金額、消費者物価指数は消費者が購入する金額の調査結果です。
そして通常、物が作られる流れは、生産→流通→消費 です。
この流れから、原材料価格や為替の影響は、企業物価指数(生産者が購入する金額)から先に反映され、少し遅れて消費者物価指数(消費者が購入する金額)に反映されると考えられているのです。
試験対策としては、この原理を理解しておきましょう。
ところが現実には「企業努力」により、原材料の価格や為替が変化しても、その影響が企業物価指数や消費者物価指数に反映されないこともあります。現実は、少し複雑なのです。
日銀短観
日銀短観での調査内容
2019年1月 FP技能士2級 学科 問21より
1.調査の対象となる企業の業種は、製造業に限られ、非製造業は含まれない。
この記述は不適切です。
調査の対象は、製造業に限らず、非製造業も含まれます。
日銀短観では、大企業製造業、大企業非製造業、中小企業製造業、中小企業非製造業、のように、業種や企業規模ごとに指標が発表されています。
2.調査は毎月実施され、翌月に調査結果が公表される。
この記述は不適切です。
調査は毎月ではなく、四半期ごと(3カ月ごと)に実施され、その翌月に調査結果が公表されています。
3.日銀短観で公表される「業況判断DI」は、景気動向指数の算出に使用される経済統計指標のうち、3ヵ月前の数値と比較して改善した指標の割合を表す。
この記述は不適切です。
業況判断DIは、調査時点において、生産、売上、在庫、雇用などについて「良い」「さほどよくない」「悪い」の中から回答を取り、「良い」の比率から「悪い」の比率を引き算した者を表しています。
3カ月前の数値と比較しているわけではありません。
4.日本銀行の金融政策が決定される際、「日銀短観」の調査結果は判断材料の一つとして利用されている。
この記述は適切です。
日本銀行の金融政策とは、公開市場操作による金利の誘導や資産の買い入れなどがありますが、それらを行うかどうかの判断として、日銀短観を利用しているというわけです。
統計法とは
2018年1月 FP技能士2級 学科 問21より
4.全国企業短期経済観測調査(日銀短観)は、全国の企業動向を的確に把握し金融政策の適切な運営のために、統計法に基づいて行われる調査である。
この記述は適切です。
日銀短観の概略については、ほとんどの試験対策テキストに書かれていますので、そちらでしっかり勉強してくださいね。
ただ、「統計法に基づいて行われる」という記述に戸惑われた方がいるかもしれません。
統計法とは、そのような名称の法律のことです(方法論を表しているのではありません)
統計法という法律のもとで、日銀短観の調査が行われている、という意味なのです。
マネーストック
その1
2017年1月 FP技能士2級 学科 問21より
2.マネーストック統計は、景気、物価の動向やその先行きを判断するための一つの統計として、日本銀行が作成・公表している。
この記述は適切です。
マネーストック統計は、市場に流通している通貨量を集計したものです。この中には、国や日本銀行が保有している通貨量は含まれていません。
市場に流通している通貨量が多くなれば、それだけお金を必要とする人が増え、経済が活発になっているととらえることができます。逆に流通している通貨量が少なくなれば、支出を抑えている人が増えている、景気が停滞しているととらえることができます。
こういった特徴から、景気や物価動向を判断するための指標として、マネーストック統計が注目されています。
その2
2015年5月 FP技能士2級 学科 問21より
4.全国企業短期経済観測調査(日銀短観)は、金融部門から経済全体に供給される通貨量の残高を調査したものである。
この記述は不適切です。
「全国企業短期経済観測調査(日銀短観)」を「マネーストック」に直すと正しい文章となります。
日銀短観もマネーストックも、ほとんどの試験対策テキストに記述がありますので、詳しくはそちらでご確認ください。
なお、マネーストックの解説において、本選択肢のように「通貨量の残高」と表現されることもあれば「通貨の総量」と表現されることもあります。意味しているところは同じですので、この点も覚えておきましょう。
経常収支
2017年9月 FP技能士2級 学科 問21より
3.日本の経常収支が米国と比較して相対的に悪化することが予想されるとき、一般に、円安傾向となる。
この記述は適切です。
経常収支とは、他国との商取引・輸出入・送金などにより、
- 日本から外国に出ていった金額と、
- 外国から日本に入ってきた金額
との差し引きの金額を表したものです。計算式で書くと、
外国から日本に入ってきた金額 − 日本から外国に出ていった金額
となります。
この経常収支の額がマイナスの場合、外国に出ていくお金が多いということになり(貿易赤字をイメージしてください)、これを本記述中にあるように「経常収支が悪化する」といいます。
外国に出ていくお金が多いということは、円を外貨に換える動きが多くなるということから、「円安外貨高」の傾向となるわけです。
よって本記述は適切といえるのです。
逆に、経常収支がプラスになれば(貿易黒字のイメージ)、外国から日本に入るお金が増えることで円貨に換える動きが多くなり、「円高外貨安」の傾向となります。
ちなみに、過去20年間の経常収支はおおむねプラスでしたが、2014年あたりからマイナスに落ち込むことも増えてきています。
日本の短期金利の代表的な指標
2015年5月 FP技能士3級 実技(FP協会) 問4より
3.<金利>欄に記載されている「新発10年国債利回り」は、日本の短期金利の代表的な指標である。
この記述は不適切です。
日本の短期金利の代表的な指標は「コールレート翌日物金利」であり、これは金融機関同士の貸し借りで適用される金利です。
本記述にある「新発10年国債利回り」は、長期金利の代表指標といわれています。
「新発10年国債利回り」は、住宅ローンの金利にも影響を与えていることで有名ですね。
短期プライムレート
2018年1月 FP技能士2級 実技(FP協会) 問23より
3.変動金利型住宅ローンの適用金利は、短期プライムレートを基準にする金融機関が主流である。
この記述は適切です。
意外なことに、この説明がなされている試験対策テキストは少なかったですね。
マネー雑誌やフリーペーパーでの住宅購入記事では、説明されていることが多いのですけれども。
短期プライムレートは、金融機関が企業に1年未満の短期でお金を貸すときの金利のことです。
なお、企業に貸すといっても、財務状況が優良な企業の場合であり、しかも最も優遇した場合の金利(中でも低いほうの金利)です。
この短期プライムレートを、ホームページでも開示している大手銀行もありますね。
変動金利型住宅ローンは、短期プライムレートを基準に決めていることを、覚えておきましょう。
家計調査
2012年5月 FP技能士2級実技試験(FP協会) 問2より
消費世帯を対象に、収入、支出、貯蓄、負債の実態を調査したものです。
総務省が毎月実施しています。
この調査結果を活用することで、生活費の予測をしたり、家計全体の傾向をつかむことができます。
なお、消費者物価指数は消費者が購入する商品やサービスの価格を調査した指標ですが、これも総務省が毎月発表しています。
実は、消費者物価指数は、家計調査の結果も考慮にして算出されているのです。
消費動向調査
2012年5月 FP技能士2級実技試験(FP協会) 問2より
景気の動向を判断することを目的にした調査で、消費者の意識の変化やサービスの支出についての調査です。内閣府が毎月実施しています。
具体的には、暮らしぶりの変化、収入増加の期待の度合い、雇用環境などについて、今後よくなるのか悪くなるのかといったことを、回答者の年齢層ごとに調査しています。
消費者態度指数
2019年5月 FP技能士3級 実技(FP協会)問3より
<問題文は省略>
この問題では、経済指標とその内容を対応付けて理解できているかが問われました。
選択肢の中に「消費者態度指数」という指標があり、これに惑わされた方もいたのではないでしょうか。
その消費者態度指数について解説します。
消費者態度指数とは、「暮らし向き」「収入の増え方」「雇用環境」「耐久消費財の買い時判断」の4項目に関して、今後半年間の見通しが良くなるか悪くなるかを数値化した指標です。
指数は0〜100の値を取り、50以上が良い、50未満が悪い、ととらえます。
消費者が今後の暮らしを楽観しているのか、それとも不安を感じているのかを測る目的で、用いられたりします。
景気ウォッチャー調査
2012年9月 FP技能士3級 学科 問45より
景気ウォッチャー調査とは、地域ごとの景気動向の判断を目的とした指標であり、内閣府が毎月行っています。
百貨店の店員、タクシー運転手など、景気を感じるとされるおよそ2000人に聞き取り調査を行い、3か月前と比べて景気の状況が「良い」から「悪い」の5段階で判断した結果を指数としたものです。
北海道から沖縄までの11地域を対象としているので、地域ごとの景気動向に関する判断材料にもなります。
完全失業率と有効求人倍率
完全失業率と有効求人倍率の定義
2013年9月 FP技能士2級 学科 問21より
4.完全失業率は、全国の公共職業安定所に登録されている求人数を求職者数で除して算出される。
選択肢4は不適切です。本選択肢は完全失業率ではなく、有効求人倍率に関する記述です。
完全失業率は、完全失業者数÷労働力人口で算出されます。
完全失業者数とは、求職活動はしたものの仕事にありつけていない人の数を表します。
労働力人口とは、15歳以上の人(学生は除く)のうち働く意思を持っている人の数です。これには実際に働いている人の数に加えて、すでに説明した完全失業者数も含まれています。
以上の内容から、算式を整理すると、下記のようになります。
完全失業率
=完全失業者数÷労働力人口
=完全失業者数÷(就業者数+完全失業者数)
つまり、完全失業率とは、働く意思を持つ15歳以上のなかで、求職活動中の人の割合であるとも説明できます。
有効求人倍率の算式
2017年1月 FP技能士2級 学科 問21より
4.有効求人倍率は、前月から繰り越された有効求職者数と当月の新規求職申込件数の合計数である「月間有効求職者数」を前月から繰り越された有効求人数と当月の新規求人数の合計数である「月間有効求人数」で除して求められる統計で、厚生労働省が作成・公表している。
この記述は不適切です。
この記述を数式で表すと、「月間有効求職者数÷月間有効求人数」となりますが、分母と分子が逆になっていて誤りです。
正しい有効求人倍率は、「月間有効求人数÷月間有効求職者数」です。
仮に皆さんが就職求人に応募する立場であれば、あなたは分母の「月間有効求職者数」側の数値に含まれるということです。こういう覚え方をすれば、間違えにくくなります。
この正しい数式の下では、仕事を探す人が増える(つまり分母の求職者数が増える)と、有効求人倍率の値は下がります。
これが1を下回ると、企業の求人数よりも職を探す人のほうが多いということになり、職にありつけなくなる人が必ず現れるという景気状況となっていることを表します。
景気動向指数
景気動向指数と東証株価指数との関連
2018年9月 FP技能士2級 学科 問21より
3.景気動向指数において、東証株価指数は、景気の動きに対してほぼ一致して動く、一致系列に分類されている。
この記述は不適切です。
東証株価指数(TOPIXとも言います)は、景気動向指数において一致系列ではなく、先行系列に分類されています。
この細かい観点まで書いてあるテキストもありますが、受験生が見落としていることが多いですので、改めてしっかり勉強しておきましょうね!
公開市場操作(オペレーション)
2015年9月 FP技能士3級 学科 問12より
日本銀行は、公開市場操作(オペレーション)などを用いて、短期金融市場の資金の総量を調整している。
この記述は適切です。
試験対策テキストには、このような表現で解説をしていないので、どういう意味かわからなかった方も多かったのではないでしょうか。
売りオペ、買いオペなどの公開市場操作は、金利の上げ下げを狙って(金利の調整を目的として)行われるものです。
金利を調整するその具体的な手段として、日銀と金融機関との間で資金を供給したり吸収したりしていますが、これが問題文に記載の「資金の総量を調整する」ということなのです。
公開市場操作の仕組みについて、今一度、理解をしておきましょう。
サスティナブル成長率
2014年9月 FP技能士2級 実技(中小事業主) 問6より
3.「サスティナブル成長率は,企業の内部留保と利益率をベースに,今後の成長率を予測する際に用いる指標です。サスティナブル成長率は,『総資産経常利益率(ROA)×(1−配当性向)』の算式で算出されます」
この記述は誤りです。
サスティナブル成長率の説明は正しいですが、その算出式に誤りがあり、正しくは次の通りです。
自己資本利益率(ROE)×(1−配当性向)
または
自己資本利益率(ROE)×内部留保率
サスティナブル成長率は、企業財務分析で用いられる指標です。
ただ、ここ数年は出題されておらず、もしかしたら初出題だったかもしれません。
1級学科試験では定番の問題ですが、それが2級の難問として降りてきました。
2級のテキストにはほとんど掲載がないものですから、中小事業主を受験される方は、この場で理解しておきましょう。
円高・円安
物価上昇との関連
2019年9月 FP技能士2級 学科 問21より
2.米国の物価が日本と比較して相対的に上昇することは、一般に、円安米ドル高要因となる。
この記述は不適切です。
物価が上昇すると、その国の通貨の価値が下がります。これを、インフレと言います。
日本と米国を比較して、米国の物価の方が相対的に上昇ということは、米国通貨の価値が相対的に下がるということですから、円高米ドル安の要因になります。
よって本問は不適切、といえるのです。
対米貿易黒字との関連
2019年9月 FP技能士2級 学科 問21より
3.日本の対米貿易黒字の拡大は、一般に、円高米ドル安要因となる。
この記述は適切です。
対米貿易黒字が拡大するということは、日本の物がたくさんアメリカで売れることになり、日本側は米ドルをたくさん受け取ります。
しかしそれを円貨に換金しますから、外貨を売って円を買う動きが高まり、円の価値が上がって円高ドル安要因となるわけです。
日本の株式指標
日経平均株価(日経225)
東京証券取引所第1部に上場している代表的な225銘柄を対象としています。
値がさ株(株価が高い銘柄)や、品薄株(市場で売買される株式が少ない銘柄)の値動きに影響を受けやすいといわれています。
日本経済新聞社が銘柄を選定しています。また、日経平均株価の値は、15秒ごとに公表されています。
TOPIX
東京証券取引所1部に上場している全銘柄を対象としています。
時価総額の大きい株の影響を受けやすいといわれています。
2006年7月より、浮動株を対象とする株価指数となりました。
ジャスダックインデックス
2019年5月 FP技能士2級 学科 問24より
2.ジャスダック・インデックスは、ジャスダック市場に上場している内国普通株式全銘柄を対象として算出した指数である。
この記述は適切です。
ジャスダック・インデックスは、1級を含めても過去に出題されていない初出題の指数ですね。
ジャスダック・インデックスは「JASDAQ指数」とも呼ばれており、JASDAQ市場に上場している普通株式全銘柄を対象とした、時価総額型の株価指数です。(浮動株を対象とした指数)
ちなみにJASDAQ市場は、ベンチャー向けの市場として位置付けられています。
この指数は、1991年10月28日の時価総額を100として指数化したものとなっています。
アメリカの経済指標
米国債国別保有残高
2017年5月 FP技能士2級 学科 問30より
2.米国財務省が発表している米国債国別保有残高によれば、2016年12月現在、保有残高第1位の国は日本であり、第2位はドイツである。
この記述は不適切です。
保有残高のトップ2国は、日本と中国です。
本記述にある2016年12月の報道によれば、それまで「中国が1位、日本が2位」であったものが「日本が1位、中国が2位」になったとのことです。
この2国はダントツに米国債国別保有残高が高く、他国に比べて1桁多いというところも覚えておきましょう。
ナスダック総合指数
2017年5月 FP技能士2級 学科 問30より
3.ナスダック総合指数は、ニューヨーク証券取引所に上場している全銘柄を対象とする修正平均型の株価指数である。
この記述は不適切です。
ナスダック総合指数は、NASDAQに上場している全銘柄を対象とする「時価総額型の株価指数」です。修正平均型の株価指数ではありません。
NASDAQは、アメリカでの新興企業(いわゆるベンチャー)がたくさん上場している株式市場となっています。
ちなみに、ニューヨーク証券取引所はNYSEと略されます。
また、日本のジャスダック(JASDAQ)市場は、NASDAQの日本版というイメージで覚えればよいでしょう。
ナスダック総合指数と、ダウ平均株価指数の違い
2019年5月 FP技能士2級 学科 問24より
3.ナスダック総合指数は、米国のナスダック市場に上場している米国株式の30銘柄を対象として算出した指数である。
この記述は不適切です。
ナスダック総合指数は、NASDAQに上場している全銘柄を対象とする、時価総額型の株価指数です。
NASDAQは、アメリカの新興銘柄の取引所ですね。
ちなみに、米国株式30銘柄を対象とした指数は「ダウ平均株価」です。ダウ平均株価もナスダック総合指数も、ニュースでよく見聞きするアメリカの指数です。
資産運用の話題で出ることも多いですので、この機会に知っておきましょう。
S&P500種株価指数
2017年5月 FP技能士2級 学科 問30より
4.S&P500種株価指数は、ニューヨーク証券取引所に上場している銘柄のうち、代表的な500銘柄を対象とする修正平均型の株価指数である。
この記述は不適切です。
S&P500種株価指数は、アメリカの複数の取引所に上場されている企業の中から、500銘柄を対象とした株価指数です。ニューヨーク証券取引所はもちろん、他にNASDAQに上場している銘柄も含まれます。
また、修正平均型ではなく、時価総額型の株価指数です。
S&P500種株価指数は、日本でいうところの日経平均株価やTOPIXのように、アメリカにおける代表的な株価指数です。アメリカだけでなく、世界中の投資家が参考にしている指数です。
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