税額控除
配当控除
配当所得の中には、配当控除を適用できないものがあります。いくつかの例を下記にまとめていますが、配当に税金が課税されていないものが目安となります。というのも、配当控除には、二重課税を防止するという目的があるためです。
- 外国法人から受け取る配当(外国株式の配当)
- 特定株式投資信託や特定証券投資信託に該当しない投資信託。具体的には、海外ETF、商品を投資対象とするETFなど。
- 投資法人から受け取る配当(J-REITはこれに分類されます)
他に、通常は配当控除を適用できる配当であっても、確定申告不要制度を選択したものは、配当控除を適用できなくなります。これは試験によく出題される内容です。
2014年1月 FP技能士2級 学科 問35より
4.非上場株式の配当金で、総合課税を選択したもの
これは配当控除の対象となります。非上場の株式であっても、その分配金は法人税が課税された後の金額の分配にあたるからです。
住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)
中古住宅を購入した時の住宅借入金等特別控除の適用要件
2014年1月 FP技能士3級 実技(きんざい 個人資産) 問11より
1) 甲マンションは築年数が10年を超えているため,所得税の住宅借入金等特別控除の適用対象とはならない。
この記述は不適切です。中古住宅の場合、築年数は20年以下(耐火建築物の場合は25年以下)であれば、住宅借入金等特別控除の適用対象となります。
また、住宅ローンを借りてから、10年以上の返済期間があれば、新築住宅であっても中古住宅であっても、住宅借入金等特別控除の適用対象となります。
この2種類の年数を混同しないように、注意をしてくださいね。
償還期間は10年
この控除は、ローンの償還期間が10年以上の場合に受けることができます。
償還期間とは、返済開始から返済終了までの期間のことです。
ローンの繰り上げ返済をして、償還期間が10年未満になることが確定した場合には、それ以降は住宅ローン控除を受けることができなくなります。
例えば、ローンの繰り上げ返済をして、残りの返済期間が10年未満になったとしても(例えば残り8年など)、「既に返済した期間+残りの返済期間」が10年以上という条件を維持していれば、引き続き住宅ローン控除を受けることができます。
勤務からの借り入れの場合
住宅ローン控除は、勤務先からの借り入れでも利用できる場合があります。
その場合の条件として、金利が1%以上であれば利用ができます。
床面積要件
2015年5月 FP技能士3級 実技(FP協会) 問16より
3.「住宅ローン控除の適用対象となる住宅の床面積は、中古住宅の場合は50m2以上、新築住宅の場合は45m2以上とされています。」
この記述は不適切です。
中古住宅、新築住宅いずれの場合も、適用対象となる住宅の床面積は、50m2で同じです。
この床面積は、登記簿に表示されている面積で判断をする点も、覚えておきましょう。なので広告に表示された面積だけで判断すると、後になってから「住宅ローン控除の対象にならない面積だった」なんてこともありえるわけです。
ちなみに、フラット35の床面積要件は、次のとおりです。
- 一戸建て住宅の場合:70m2以上
- マンションの場合:30m2以上
たくさん勉強すると、似たような要件がゴチャゴチャになって頭に入ってしまいます。整理しながら覚えていくことが、大切ですね。
大変ですが、頑張りましょう!
店舗併用住宅の場合
店舗併用住宅の場合は、床面積の1/2以上をもっぱら住居用として使用する場合においては、住宅ローン控除の適用を受けることができます。
その年12月31日時点の住宅ローン残高の金額に、その住宅の総床面積のうちに居住用部分の床面積の占める割合を乗じて計算した金額を基にして住宅ローン控除額の計算をします。
例えば、住宅ローン残高が4000万円で、居住用部分の面積が70%の場合。
この時、住宅ローンの残高を 4000万×70%=2800万円 として、税額控除の額を計算することになります。
居住用部分の床面積を明確に区分できない場合、床面積のおよそ90%以上が居住用である場合には、ローン残高全額を住宅ローン控除の対象とすることができる。
店舗併用住宅の場合、店舗用と居住用の床面積合計が50平方メートル以上であれば、住宅ローン控除を適用できます。居住用部分が50平方メートル以上、ではありません。
2世帯住宅の場合
自身の持ち分だけでなく、他世帯の部分を含め、建物全体の床面積が50平方メートル以上であれば、住宅ローン控除の適用対象となります。
転勤時の適用
家屋の所有者が、転勤、転地療養(遠く離れた病院へ入院など)などのやむを得ない理由で該当の家屋に住むことができなくなった場合に、引き続き住宅ローン控除を適用できるかどうかについてです。
誰も住まなくなった場合
その年の12月31日時点において、その家屋に誰も住まなくなる状況であれば、住宅ローン控除は適用できません。
家族が住み続ける場合
所有者がその家屋に住むことができなくなっても、以下の2点の条件を満たしていれば、住宅ローン控除を適用できます。
- 生計を一にする家族がその家屋に住み続けること
- 転勤や転地療養などのやむを得ない事由が解消された場合、再びその家屋に戻って居住すること
海外に転勤になった場合
海外転勤など、やむを得ない理由で海外に行ってしまう場合、所得税の非居住者に該当してしまうと、住宅ローン控除の適用を受けることはできなくなります。非居住者に該当しなければ、上記のとおり家族が住み続けることにより、住宅ローン控除の適用を受けることができます。
住宅ローン控除を受けている途中で所得が3000万円を超えた場合
2018年9月 FP技能士2級 学科 問35より
(
2016年5月 FP技能士3級 実技(FP協会) 問16 も類題)
2.居住の用に供した年分の合計所得金額が3,000万円を超える者は、それ以降、合計所得金額が3,000万円を超えていない年分についても住宅ローン控除の適用を受けることができない。
この記述は不適切です。
合計所得が3000万円を超えると、その年は住宅ローン控除の適用を受けられない、と皆さん勉強していますよね。
この「所得が3000万円を超えているかどうか」は、各年ごとに判定をします。
そのため、前年に3000万円を超えていても、翌年の所得が3000万円以下であれば、住宅ローン控除の適用を受けることはできるのです。
災害減免法
各種所得控除>雑損控除の項目をご覧ください。
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