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青色申告関連

個人事業者の青色申告に関する規定

青色申告特別控除の控除額

65万円の特別控除の対象となる所得は、事業所得と、不動産所得のうち事業的規模のものが対象となります。
たとえ青色申告をし複式簿記で帳簿をつけるなどしても、山林所得の場合は青色申告の控除額は10万円です。

青色申告特別控除65万円の適用要件

2017年5月 FP技能士2級 実技(きんざい個人資産) 問8より
(2019年9月 FP技能士2級 学科 問37も類題)

<中略>
確定申告書を法定申告期限後に提出した場合には、青色申告特別控除の控除額は、最高( 3 )となる。

(3)に入る言葉は「10万円」です。
なかなか細かいところを突いてくる問題ですね。青色申告特別控除の65万円の適用を受けるためには、複数の要件を満たさなければなりません。その一つに、「法定申告期限内に提出」という要件があるのです。
この要件を満たさない場合は、青色申告特別控除の額は10万円となります。青色申告特別控除がなくなるわけではないところにも、注意してくださいね。

青色事業専従者と所得控除の関係

2014年5月 FP技能士2級 学科 問34より

4.納税者が生計を一にする子に青色事業専従者給与を支払った場合、その年分について納税者はその子について扶養控除の適用を受けることはできない。

この選択肢は適切です。
青色事業専従者となった親族は、扶養控除を受けることができません。
なお、青色事業専従者になれるのは、15歳以上の親族です。

同様に、配偶者が青色事業専従者である場合には、配偶者控除も配偶者特別控除も受けることはできません。

不動産所得の青色申告書と、事業的規模との関係

2014年1月 FP技能士2級 実技(きんざい 個人資産) 問10より

2.戸建住宅を賃貸して受け取る家賃収入は不動産所得に区分されるが,その貸付けが事業的規模ではないため,Aさんはこの所得について青色申告書を提出することはできない。

この記述は誤りです。この問題は、ちょっとした引っかけ的要素がありますね。
不動産所得を得ている人は、5棟10室以上の規模で不動産賃貸を行っていれば、事業的規模と見なされます。
しかし、事業的規模に該当していなくても、青色申告書を提出することはできるのです。

ただし、65万円の特別控除や、青色専業専従者に支払う給与の必要経費認定、少額資産の減価償却資産の特例などは、事業的規模でなければ適用を受けることはできません。
この違いも、覚えておいてくださいね。

青色申告特別控除は、どこから控除されるのか

2018年9月 FP技能士2級 実技(きんざい生保) 問11より

3 「Aさんが所得税の確定申告をするときに、納税地の所轄税務署長に青色申告承認申請書を提出すれば、最高65万円を青色申告特別控除として、総所得金額から控除することができます」

この記述は不適切です。
「総所得金額から控除」を「事業所得から控除」に直すと正しいです。
あくまでも、青色申告特別控除は、事業所得や不動産所得の所得額を減らす効果を持つものです。
総所得金額などの言葉に惑わされないように注意してくださいね。

廃業した年にも、青色申告の特典の適用は受けられる

2015年9月 FP技能士2級 学科 問37より

4.青色申告者が青色申告の対象となる事業を廃業した場合、その年分の所得税については、青色申告の各種特典の適用を受けることはできない。

この記述は不適切です。
年の途中で廃業した場合であっても、その年分は青色申告の各種特典の適用を受けることができます。

ちなみに、年の途中で事業を開始した場合、納税者が死亡した場合にも、その年分は青色申告の各種特典の適用を受けることができます。

個人事業を引継いでも、青色申告承認は引き継がれない

2015年9月 FP技能士2級 実技(きんざい個人資産) 問8より

2. Aさんが事業の引継ぎに際して、「個人事業の開業・廃業等届出書」を納税地の所轄税務署長に提出した場合、その提出をもって青色申告を取りやめたこととなるため、Aさんが不動産所得について青色申告を行うためには、改めて青色申告の承認を得る必要がある。

この記述は不適切です。
事業の引継ぎにおける青色申告の取り扱いについてです。これまた、マニアックなものを取り上げてきましたね。

「個人事業の開業・廃業等届出書」を提出して廃業したとしても、その提出によって青色申告を自動的に取りやめたことにはなりません。不動産所得において青色申告の要件を満たしているなら、引き続き翌年も青色申告による特典を受けることができます。

ちなみに、青色申告を取りやめるためには、「所得税の青色申告の取りやめ届出書」を提出する必要があります。
廃業に伴い、青色申告すべき所得がすべてなくなる場合には(本設例では当てはまりませんが、事業所得も、事業的規模の不動産所得もなくなるとき)、この取りやめ届出書を提出する必要があります。
取りやめ届出書を提出した後に、再び事業所得や、事業的規模の不動産所得が得られることになった場合には、改めて青色申告の承認を得る必要があります。

法人の青色申告に関する規定

申告期限

2017年5月 FP技能士2級 学科 問37より
(2015年5月 FP技能士2級 学科 問38も類題)

4.新たに設立された株式会社が、設立第1期から青色申告を行う場合は、設立の日から2ヵ月以内に、 「青色申告承認申請書」を納税地の所轄税務署長に提出し、その承認を受けなければならない。

この選択肢は不適切です。
「2か月以内」を「3か月以内」に直すと正しい文章となります。個人の所得税の青色申告は「事業開始から2か月以内またはその年の3月15日まで」ですが、それとは期限が異なる点に注意してくださいね。

法人税の繰り戻し還付

2015年5月 FP技能士2級 学科 問38より

3.青色申告法人の所得金額の計算上生じた欠損金額は、当該法人の期末資本金の額が5,000万円以下である場合に限り、前事業年度の所得金額に繰り戻して納付した法人税額の還付を受けることができる。

この記述は不適切です。

法人税の繰戻し還付といいますが、この適用を受けるための資本金要件は次の通りとなっています。

実務上は、この繰り戻し還付よりも、欠損金額の繰越処理のほうがよく用いられています。繰越処理についても、試験で出題されますので理解しておきましょう。

青色申告特別控除

2015年5月 FP技能士2級 学科 問38より

4.青色申告法人は、法定の帳簿書類を備えつけて取引を記録し、その記録に基づいて作成された確定申告書を申告期限内に提出した場合には、所得金額から青色申告特別控除額を控除することができる。

この記述は不適切です。
なかなか上手なひっかけ問題ですね。
青色申告特別控除額は、個人事業主の所得税にある制度であり、法人税の世界にはない概念です。
「青色申告」という言葉は所得税と法人税の両方にあるのですが、青色申告のメリットは所得税と法人税で異なっています。この点を整理して覚えておきましょう。

個人事業者と法人とで共通の、青色申告に関する規定

青色申告者の純損失の繰戻還付の条件について

2014年5月 FP技能士2級 学科 問33より

4.純損失の繰戻還付は、青色申告者であれば、その損失が生じた年の前年分について青色申告書を提出しているか否かにかかわらず、適用を受けることができる。

この選択肢は不適切です。
純損失の繰戻還付を受けるには、その年と、前年分の両方とも、青色申告書を提出していなければなりません。つまり、2年連続で青色申告書を提出しないと、純損失の繰戻還付は受けられないということです。

青色申告だけで認められる棚卸資産評価法の「低価法」

2017年1月 FP技能士2級 実技(生保顧客) 問10より

また、青色申告者が受けられる税務上の特典として、青色申告特別控除のほかに、<中略>、棚卸資産の評価について( 3 )を選択できることなどが挙げられる。

(3)に入る言葉は「低価法」です。
「低価法」とは、棚卸資産の価値評価において、原価と時価のうちいずれか低いほうの金額を採用できるという方式です。他の評価方式より、棚卸資産の価値を低くできる余地が大きいのが特徴とされています。

 


 

 

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