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区分所有法

区分所有の共有

区分所有者の共有持分

2013年1月 FP技能士2級 学科 問46より

2.共用部分に対する区分所有者の共有持分は、原則として、各区分所有者が所有する専有部分の戸数の総戸数に占める割合となる。

この選択肢は不適切です。正しくは、原則として、各区分所有者が所有する専有部分の床面積(専有面積)の、専有部分総面積に占める割合となっています。戸数ではなく面積の割合である点を理解しておきましょう。
ただし、この割合は規約により変えることもできます。

共有者の議決権

2013年9月 FP技能士2級 学科 問47より

3.専有部分が数人で共有されている場合は、共有者それぞれが議決権を行使する権利を有している。

選択肢3は不適切です。専有部分が数人で共有されている場合は、共有している者の中から議決権を行使すべき者を1人定めなければならないことになっています。たとえば夫婦の共有名義のマンションの場合には、議決権を行使するのは、夫か妻のいずれか1人ということになります。

共用部分

専有部分を共用部分にする場合

2014年9月 FP技能士2級 学科 問47より

1.一棟の建物のうち、構造上区分され、独立して住居として利用することができる部分であっても、規約によって共用部分とすることができる。

この選択肢は適切です。
なので、たとえばマンションの一室を、マンション住居者が利用するサロン、マンション住居者用の託児所など、共用部分として活用することもできるのです。

共用部分の登記

2015年9月 FP技能士2級 学科 問46より

2.集会室や共用の応接室など区分所有権の対象となる建物部分について、規約により共用部分と定めた場合であっても、その旨の登記をしなければ第三者に対抗することができない。

この記述は適切です。
規約で定めた共用部分が、突然に別の人が所有者になっていた、というようなことがあった場合、登記していなければそれに対抗することはできません。
このような事態を防止するには、登記によって権利を主張できるようにしておく必要があります。

ちなみに、共用部分と一言で言っても、実は2つの種類があります。
1つは、本選択肢のように、規約で定めた共用部分です。一般的には占有部分として取り扱われる部分を、あえて共用部分として取り扱う場合が該当します。
もう1つは、法定共用部分と呼ばれるもので、廊下や玄関部分など、常識的に考えて誰かの占有物とすべきでない部分です。法定共用部分は、規約によって専有部分とすることはできません。また、この法定共用部分は、登記をすることもできないのです。

共用部分の共有持ち分

2014年9月 FP技能士2級 学科 問47より

2.共用部分に対する区分所有者の共有持分は、規約に別段の定めがない限り、各共有者が有する戸数の総戸数に占める割合による。

この選択肢は不適切です。

正しい共有持ち分の定義は、「各区分所有者が所有する専有部分の床面積(専有面積)の、専有部分総面積に占める割合」です。
戸数ではなく面積の割合である点を理解しておきましょう。
ちなみに、この割合は規約により変えることもできます。

共用部分の変更に必要な決議の議決権数

共用部分の変更の場合、変更が共用部分の形状または効用の著しい変更になる場合には、区分所有者および議決権の各3/4以上の多数による特別決議で決めることになります。
一方、そうでない軽微な変更の場合には、区分所有者数および議決権の各過半数による普通決議で決めることになります。

では、「形状または効用の著しい変更」に該当する場合としない場合との違いはどこになるのかという点についてですが、以下に該当する場合は「形状または効用の著しい変更」に該当するとされています。

したがって、大規模修繕だからと言って、必ず「著しい変更」とみなして4分の3以上の多数による決議が必要というわけではありません。
なお、「形状または効用の著しい変更」かどうかは、個別の事例により判断される点もあり、一概に判断が難しいケースも多いです。

区分所有法に基づく集会招集の、通知の期限について

2019年9月 FP技能士2級 学科 問47より

1.集会の招集の通知は、規約で別段の定めをしない限り、開催日の少なくとも1ヵ月前に会議の目的たる事項を示して各区分所有者に発しなければならない。

この記述は不適切です。
「1カ月」を「1週間」に直すと正しい文章となります。
開催日のどれくらい前までに通知が必要かも、理解しておきましょう。
ちなみに、この1週間という期間は、規約で伸ばすことも縮めることもできます。

管理組合の構成員

2014年1月 FP技能士2級 実技(FP協会) 問7より

3.荒木さんがこの物件を購入した場合、荒木さんの意思にかかわりなく、管理組合の構成員となる。

この記述は正しいです。
マンションなどの区分所有の形態をとる建物には、法律上、管理組合が存在します。その管理組合の構成員は、区分所有者と規定されているため、物件の購入者は自動的に管理組合の構成員となるのです。

建て替えにおける議決権数の変更

2013年9月 FP技能士2級 学科 問47より

4.区分所有建物を取り壊して新たな建物に建て替えるためには、原則として区分所有者および議決権の各5分の4以上の賛成による集会の決議が必要となるが、規約で別段の定めをすることができる。

この選択肢は不適切です。建て替えに関して、5分の4以上という議決権の数は、規約で別段の定めをすることはできません。
議決権の数を規約で別段の定めにできるのは、共用部分の形状または効用の著しい変更の場合です。この場合は、議決権の4分の3以上という部分を、規約で過半数まで減ずることができます。

マンション占有部分の敷地権に関する登記

2013年9月 FP技能士3級 実技(きんざい 個人資産) 問12より

3) 一般にマンションについては,専有部分について所有権の保存や移転の登記を行えば,専有部分に係る敷地権についても同様の登記がなされたものとしての効力を有する。

この選択肢は適切です。この選択肢に関する記載があるFP3級の試験対策テキストは、それほど多くないですので、受験者にとっては悩ましい問題だったと思います。

敷地権とは、建物の専有部分を所有するために必要な敷地に対する権利のことです。概念が少し難しいですね。詳細まで理解しきれない場合は、要するにマンション所有者が持つ土地の権利、と理解してください。
実はマンションなどのケースでは、建物の専有部分についての登記は存在しますが、土地登記簿(敷地権)への登記はなされていないことが多いのです。ですが本選択肢の通り、登記がなくても、敷地権の登記がなされた場合と同等の効力があるため、土地の権利も第三者に対抗することはできるのです。

マンションの管理者

管理者とは

管理者とは、いわゆる区分所有者による総会で選ばれる理事長で、規約や総会決議に基づいてマンションの管理業務を執行する人です。
ちなみに、管理者とは別に、マンションの「管理人」という役割もあります。管理人は、マンションの受付や清掃などの維持管理を行う人(法人)です。混同しないように注意してください。

区分所有者でない管理者

2013年9月 FP技能士2級 学科 問47より

2.区分所有者は、当該建物の区分所有者ではない者を管理者として選任することはできない。

選択肢2は不適切です。管理者には、区分所有者であってもそうでない人でも選任することができます。また、個人でも法人でも選任することができます。

管理者の専任と解任

2015年9月 FP技能士2級 学科 問46より

4.区分所有者が管理者を選任または解任する場合は、集会の決議が必要であり、規約で別段の方法を定めることはできない。

この記述は不適切です。
管理者とは、いわゆる区分所有者による総会で選ばれる理事長で、規約や総会決議に基づいてマンションの管理業務を執行する人です。
区分所有法には「規約に別段の定めがない限り、集会の決議によって管理者を選任し又は解任することができる」と定められています。

ちなみに、管理者とは別に、マンションの「管理人」という役割もあります。管理人は、マンションの受付や清掃などの維持管理を行う人(法人)です。混同しないように注意してください。

前所有者の義務の継承

2014年1月 FP技能士2級 実技(FP協会) 問7より

4.この物件の現在の区分所有者が管理費を滞納していた場合、この物件を購入した荒木さんに滞納分の管理費の支払い義務が生じる。

この記述は正しいです。
本来は前所有者が支払うべき管理費ですが、滞納したまま新所有者がその物件を購入すると、新所有者にも支払い義務が生じます。厳密には、前所有者と新所有者が連帯して滞納分を支払わなくてはならないという意味であり、両者またはいずれか一方が滞納分を完済することで、問題は解決されます。
実務上、中古物件を購入する際には、管理費以外にも水道代などの滞納がないかを十分確認のうえで購入すべきです。万一滞納がある場合には、売買価格から滞納額を減額した金額で購入するなどの交渉・対応を行うべきでしょう。

占有者が追う義務について

2016年1月 FP技能士2級 学科 問47より

3.専有部分の占有者は、区分所有者が規約または集会の決議に基づいて負うすべての義務と同一の義務を負う。

この記述は不適切です。
宅建では出題される内容ですが、FP試験では実に5年ぶりの出題です。

まず「占有者」という言葉ですが、わかりやすく説明すれば区分所有者から賃貸された人、もっとわかりやすく言えば分譲マンションの一室を借りている人に当たります。所有者ではないけれど、実質的にその専有部分を使用している人のことを、占有者と言います。

マンションの管理規約は、区分所有者に義務を課すものです。
では占有者には、区分所有者と同一の義務が課されるのかと言えば、そうではありません。
正確には、「建物、敷地、附属施設の使用方法」についてのみ、区分所有者と同一の義務が課されることとなります。
したがって本問の記述は不適切といえるのです。

マンションの管理規約には、様々なものがあります。
「建物、敷地、附属施設の使用方法」に関する規約の一例として、エレベーターの使用方法、共用部分の廊下に私物を置いてはいけない、ペットを飼ってはいけない、等が該当します。
これらは、所有者だけでなく、占有者も守らなければいけない、ということになります。
しかし、これ以外に関する事項、たとえば管理費を毎月納める、修繕積立金を支払うという義務は、占有者には課せられないのです。
要は、マンションはみんなで共同生活を営む場所なのだから、そのためのルールは全員で守るべきです、という趣旨なのです。

これは、区分所有法という法律で定められた規定です。
したがってこの法律に反することを規約で定めても、それは法律上無効となります。

敷地利用権は所有権以外の形態もある

2016年9月 FP技能士2級 学科 問47より

1.(建物の区分所有に関して)敷地利用権は、専有部分を所有するための建物の敷地に関する権利であり、当該権利は所有権でなければならない。

この記述は不適切です。
所有権のほかに、地上権や賃借権を設定することもできます。

一般的には所有権が設定されています。これにより、区分所有者全員がその敷地を所有しているという状況になります。
これが賃借権の設定であった場合は、区分所有者全員がその敷地を借りているという状況になるわけです。

 


 

 

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