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その他の不動産関連法規

建築基準法については、建築基準法のページをご覧ください。
区分所有法については、区分所有法のページをご覧ください。

都市計画法

都市計画の定めについて

2015年5月 FP技能士2級 学科 問45より

2.すべての都市計画は、都道府県知事または国土交通大臣により定められている。

この選択肢は不適切です。

試験では何気なく出てくる「都市計画」という言葉ですが、この言葉が意味するものは抽象的かつ大きな概念を示す言葉です。わかりやすく言えば、「自治体側で、これからどのような土地利用をしていくかを考える」ということなのですが、それでも十分正確に表しきれない・・・そんな言葉です。
イメージだけでも、もっておいてくださいね。

で、この都市計画ですが、身近な都市計画は市町村が決定し、広域的・根幹的な都市計画は都道府県が決定する、とされています。これまた抽象的な表現ですが、市町村レベルの計画は市町村で決定し、それを超える規模のものは都道府県で決定する、と考えておけばよいでしょう。
なので本選択肢は不適切、となります。

このあたりは宅建の資格でより詳しく学べますので、詳細はそちらに譲りたいと思います。
ちなみに、原則は上記のとおりですが、「国の利害に重大な関係がある都市計画」である場合には、国土交通大臣の同意が必要とされています。参考程度に知っておいてください。

開発許可を受けた土地の建築確認有無について

2013年9月 FP技能士2級 学科 問45より

2.開発許可を受けた開発区域内の土地に建築物を建築する場合は、その規模等にかかわらず、建築基準法の建築確認が不要である。

選択肢2は不適切です。開発許可を受けた開発区域内の土地に建築物を建築する場合は、必ず建築確認が必要です。
建築確認とは、これから建築しようとしている建物などが、建築基準法などの法令や建築基準の要件を満たしているかどうかを、建築の着工前に行政が審査することです。

準都市計画区域とは

2015年5月 FP技能士2級 学科 問45より

4.準都市計画区域は、都市計画区域内において、おおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域として指定された区域である。

この記述は不適切です。
「準都市計画区域」を「市街化区域」に直すと正しい文章になります。

試験対策テキストでは、市街化区域の記述は多いものの、準都市計画区域についての解説はあまり見られませんね。

準都市計画区域とは、都市計画区域に指定はしていないが、すでに建物が多数存在して人々が生活していたり事業を営んでいる地域であるために、継続的に都市計画整備が必要と判断された地域のことです。
準都市計画区域には、市街化区域、市街化抑制区域の区分はありませんが、用途地域は定められています。

土地の分筆の扱い

2018年9月 FP技能士2級 学科 問45より
(2014年9月 FP技能士2級 学科 問45も類題)

3.分筆は、その行為が建築物の建築または特定工作物の建設を目的としていなくても、都市計画法上の開発行為に該当する。

この選択肢は不適切です。
まず「都市計画法上の開発行為」の説明から始めましょう。

都市計画法上における開発行為とは、次の3種類の行為のことを指します。

  1. 土地の区画を変更する
    わかりやすく言えば、私有地と道路の境界を変更する行為のことです。多数の土地、道路をまとめて作り変えてしまう「再開発」をイメージしてください。
  2. 土地の形を変える
    盛土・切土により、土地の断面形状を変更することです。土地を掘ったり埋め立てるなど、土地の高低差を変更、物理的な土地の拡張・縮小する工事をイメージしてください。単に土地の境界線を変えるという意味ではありません。
  3. 土地の質を変える
    土地の種類を変更することです。一般的には、宅地以外の土地(たとえば農地、山林など)を、宅地に変えることを指します。

以上の3つを合わせて、「土地の区画形質を変えること」と説明されることがあります。
(区画・形・質の3種類の変更という意味になります)

これが、都市計画法上の、開発行為にあたります。

さて、本問の土地の分筆についてです。
分筆は、登記上の1つの土地を、2つ以上の土地に分けて登記記録も分割することを指します。ですが、開発行為である上記3つのパターンには当てはまりません。土地の境界線を変える意味ではないという点を、もう一度思い出してください。
したがって、都市計画法上の開発行為には該当しないといえるのです。

同様に、合筆(複数の登記記録の土地を、一つの登記記録の土地に合併すること)も、都市計画法上の開発行為には該当しません。

開発許可を受けた土地の譲渡

2014年9月 FP技能士2級 学科 問45より

3.開発許可を受けた開発区域内の土地について、開発行為に関する工事完了の公告があるまでの間は、当該土地を譲渡することができない。

この選択肢は不適切です。
工事完了の公告がある前であっても、土地を譲渡することはできます。
ただしこの場合は、開発許可を受ける者が変更になるため、都道府県知事の承認が必要となります。

開発許可が不要な開発行為

2017年9月 FP技能士2級 学科 問44より
(2020年1月 FP技能士2級 学科 問44も類題)

3.市街地再開発事業の施行として行う開発行為には、都道府県知事等の許可を必要としない。
4.土地区画整理事業の施行として行う開発行為には、都道府県知事等の許可を必要としない。

3,4の記述はともに、適切です。
開発行為には、都道府県知事の許可が必要なケースと必要としないケースとがあります。
それぞれの代表的なケースは、皆さんのおもちのテキストに記載がありますので、そこを整理して覚えておいてください。

それに加えて、本記述のケースにおいては、都道府県知事の許可を必要としません。
これはテキストに記載がないケースも多いですので、ぜひ追加で覚えておいてくださいね。

ちなみに、土地区画整理事業とは、土地区画整理法に基づいて行われるものですが、土地区画整理法については土地区画整理法のページで詳しく解説しています。

開発行為の定義

2019年5月 FP技能士2級 学科 問45より
(2020年1月 FP技能士2級 学科 問44も類題)

3.(注:都市計画法に関して)土地の区画形質の変更が、建築物の建築や特定工作物の建設の用に供することを目的としていない場合、開発行為に該当しない。

この記述は適切です。
なかなかマニアックな問題ですね。順を追って解説します。
まず、「特定工作物」とは実は専門用語であり、危険物などを貯蔵・処理する施設や、ゴルフコース、テニスコート、競技場、動物園、霊園などが該当します。

土地の区画形質の変更が、建物建設のためでなく、また「特定工作物」を建てるためでもない場合は、開発行為に該当しないので開発許可の必要はありません。
この開発行為に該当しない例としては、「駐車場を作るために土地の区画形質を変更する場合」があります。
実例とともに理解すると、暗記しやすくなりますよ。

市街化調整区域の開発許可

2019年5月 FP技能士2級 学科 問45より

4.(注:都市計画法に関して)市街化調整区域内において、農業を営む者の居住の用に供する建築物の建築の用に供する目的で行う開発行為は、都道府県知事等の許可が不要である。

この記述は適切です。
市街化調整区域で、建築物の建築を目的とした開発行為を行うには、原則として都道府県知事等の許可が必要です。
しかし、下記の建築物における開発行為においては、その許可が不要とされています。

なかなか細かい点ですが、背景とともに理解を深めておきましょう

高度地区と高度利用地区

高度地区と高度利用地区の違い

2018年9月 FP技能士2級 実技(きんざい中小事業主) 問10より

3 高度地区は、土地の合理的かつ健全な利用を図るため、建築物の容積率の最高限度および最低限度、建築物の建蔽率の最高限度、建築物の建築面積の最低限度などが定められた地区である。

この記述は不適切です。
「高度地区」を「高度利用地区」に直すと正しい文章となります。

高度利用地区は、低層の建物や面積の狭い建物ではなく、空間を効率よく利用して多くの住居や事業所を確保できる高層建物を積極的に建てることを目的とした地区です。

一方の高度地区は、建物の高さの上限や下限を特別に定めた地区です。

この両者は、空間を効率よく使うという目的は共通しています。違いは次の点です。

防火地域に関する規定

防火地域に関する規定 で詳しく解説しています。

土地区画整理法

土地区画整理法はめったに出題されませんが、土地区画整理法のページで詳細に解説しています。

 


 

 

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