教育資金プランニング
教育一般貸付
金利は固定金利
2016年9月 FP技能士2級 実技(FP協会) 問24より
1.(教育一般貸付に関して)貸付金利は、返済期間中の長期金利に連動する変動金利である。
この記述は不適切です。
教育一般貸付の金利は、固定金利となっています。
申込時期
2019年5月 FP技能士2級 実技(FP協会)問30より
<問題中略>
奨学金の申込時期:決められた募集期間内
教育一般貸付の申込時期:(イ)
(イ)に入る言葉は「いつでも可能」です。
細かい点ですが、この両者で申込時期に違いがある点を覚えておきましょう。
奨学金のほうが、申込時期の条件が厳しいとも言えますね。
日本政策金融公庫の教育ローンとの関係
教育一般貸付は、日本政策金融公庫の教育ローンのことを指します。
「教育一般貸付」という制度と、「日本政策金融公庫の教育ローン」は、同じ制度のことを指していることに注意してください。
教育一般貸付の融資額
2014年9月 FP技能士2級 学科 問8より
2.日本政策金融公庫の教育一般貸付の融資限度額は、平成26年4月以降、子ども1人につき300万円とされている。
この選択肢は不適切です。
「300万円」を「350万円」に直すと、正しい文章となります。
今年平成26年4月に改正があり、融資限度額が従来の300万円から350万円に増額となりました。
改正事項を問う問題でしたので、この点を正しく認識できていたかどうかがポイントになりますね。
資金使途
1.日本政策金融公庫の教育ローンの資金使途は、入学金、授業料などの学校納付金に限られ、受験料や受験のための交通費・宿泊費は対象外である。
この選択肢は不適切です。日本政策金融公庫の教育ローン(教育一般貸付とも言われています)の資金使途は、下記のとおりであり、入学金と授業料以外にも認められています。
- 入学金、授業料、施設設備費などの学校納付金
- 受験料、受験時の交通費や宿泊費
- 住居にかかる費用(アパート・マンションの敷金・家賃など)
- 教科書代、学習教材費、通学費用、修学旅行費用
- 学生の国民年金保険料
- その他、規定された用途
教育一般貸付の金利と返済期間について
2015年5月 FP技能士3級 学科 問35より
国が日本政策金融公庫を通じて行う「教育一般貸付(国の教育ローン)」の融資金利は( 1 )であり,返済期間は母子家庭等の場合を除き( 2 )以内となっている。
(1)に入る言葉は「固定金利」、(2)に入る言葉は「15年」です。
この点は、2級試験でも出題されますので、ぜひ覚えておきましょう。
ちなみに、母子(父子)家庭や交通遺児家庭の場合は、返済期間は15年ではなく「18年」と少し長くなります。
審査要件
2019年9月 FP技能士2級 学科 問9より
(2012年9月 FP技能士3級 学科 問33も類題)
4.日本政策金融公庫の教育一般貸付(国の教育ローン)を利用するためには、世帯年収(所得)が、申込人の世帯で扶養している子の数に応じて定められている金額以内であることが要件とされている。
この記述は適切です。
世帯所得が一定以下の場合に、奨学金制度を利用することができます。
本記述の通り、その所得の金額は、子の人数に応じて定められており、子供の人数が多いほど、所得基準が高くなっています(高い所得の場合も借りられる)。
教育一般貸付を利用するに当たり、審査の過程で学力や成績は問われません。学力が審査で問われるのは、日本学生支援機構の奨学金のほうです。
申し込み方法
2016年9月 FP技能士2級 実技(FP協会) 問24より
3.(教育一般貸付に関して)日本政策金融公庫のほか、銀行や信用金庫などでも申し込むことができる。
この記述は適切です。
ちなみに、現在はインターネットでも申し込みができるようになっています。
学生も申込人になれる
2016年1月 FP技能士2級 学科 問9より
3.日本政策金融公庫の教育一般貸付の申込人は、学生の保護者であるが、所定の要件を満たす学生本人も申込人となることができる。
この記述は適切です。
2018年5月 FP技能士2級 学科 問9より
2.日本政策金融公庫の「教育一般貸付(国の教育ローン)」は、主に親が申込人となるもので、成人していても学生本人が申し込むことはできない。
この記述は不適切です。
日本では学生の保護者が学費を負担するケースが大半であるため、教育一般貸付(教育ローン)の申込人は、学生の保護者となることが一般的です。
しかし学生本人が成人しており、かつ安定した給与収入や事業収入があるという条件を満たしていれば、その学生本人が申込人となることもできるのです。
資金の受け取り方
2018年1月 FP技能士2級 実技(FP協会) 問31より
教育ローン(教育一般貸付)の資金の受取り方:( イ )
(イ)に入る言葉は「一括」です。
奨学金のほうは毎月定額で受け取りますが、教育ローンのほうは全額を一括で受取ります。
ここまで細かいことは試験対策テキストに書いてありませんが、今後の試験でも出る可能性がありますので、覚えておきましょう。
日本学生支援機構の奨学金(貸与型)
制度概要について
2013年5月 FP技能士2級 実技(FP協会) 問30より
<問題は省略>
日本学生支援機構の奨学金についての正確な知識があれば解ける問題です。奨学金について、下記のポイントを理解しましょう。
奨学金の利息が発生するは、第2種奨学金の方で、さらに卒業後にのみ利息が発生します。第1種奨学金では、卒業前も卒業後にも利息は発生しません。第2種奨学金であっても、卒業前においては利息は発生しません。
日本学生支援機構の奨学金制度では、家計支持者の年収(いわゆる世帯年収)による制限があります。
家計支持者は通常父母になりますが、父母がいない場合にはその学生の家計を支えている人となります。家計支持者の収入金額が規定以下である場合に、奨学金制度を利用できます。その収入金額は、扶養する子供の人数などの条件によって異なります。
また、収入金額の制限は、第2種奨学金より第1種奨学金の方が厳しくなっています(第1種の方が、より低い収入金額でなければ奨学金制度を利用できません)。
収入金額以外にも、学力による審査もあります。こちらも第2種奨学金より第1種奨学金の方が厳しくなっています。
適用される利息
2018年1月 FP技能士2級 実技(FP協会) 問31より
第二種奨学金の利息:年利( ウ )を上限とする利息(在学中は無利息)
(ウ)に入る言葉は「3%」です。
第二種奨学金の利息には、上限3%が設定されています。
ここまで細かいことは試験対策テキストに書いてありませんが、今後の試験でも出る可能性がありますので、覚えておきましょう。
返済期限の猶予制度
2019年5月 FP技能士2級 学科 問9より
3.(注:日本学生支援機構の奨学金に関して)貸与型奨学金の返還が困難となった場合、一定期間の返還を猶予する返還期限猶予を申請することができる。
この記述は適切です。
例えば災害、傷病、経済困難、失業などの事情が生じて、返還が困難な状況となれば、返還期限の猶予を申請することができます。
ただしこれは、返済を待ってもらう性質のものなので、返済金額を免除してもらえるわけではありません(パンフレットでもここは強調されています)
なお、申請すれば必ず猶予されるわけではなく、日本学生支援機構が承認することで正式に猶予決定となります。
奨学金制度の保証と所得要件について
2019年9月 FP技能士2級 学科 問9より
2.日本学生支援機構の奨学金制度には保証制度があり、貸与型の場合は、所定の海外留学資金として利用する場合を除き、連帯保証人と保証人を選任する人的保証と日本国際教育支援協会の機関保証の両方の保証が必要となる。
この記述は不適切です。
奨学金制度によってお金を借りる場合は、人的保証と機関保証の「いずれか一方」が必要となります。
保証内容の詳細は試験範囲を超えますが、興味がある方は下記の日本学生支援機構のサイトに詳細が記載されていますので、一度ご覧くださいね。
https://www.jasso.go.jp/shogakukin/moshikomi/houhou/hosho_sentaku/index.html
日本学生支援機構の奨学金(給付型)
学業不振の場合の取り扱い
2018年9月 FP技能士2級 学科 問9より
2.給付型奨学金は返還義務のない奨学金であるが、在学している学校において学業成績が著しく不振である場合等には、支給打切りや返還が必要となる場合もある。
この記述は適切です。
給付型奨学金制度は、2018年から本格的に始まった新しい制度です。
給付型なので返還の必要は原則としてありませんが、本記述のように学業不振の場合は支給の打ち切りや返還を求められることがあります。
ちなみに学業不振の一例として、留年や停学がそれにあたると、日本学生支援機構から例示されています。
貸与型との併用
2019年5月 FP技能士2級 学科 問9より
1.(注:日本学生支援機構の奨学金に関して)給付型奨学金を申し込む者は、所定の基準を満たせば、併せて貸与型の第一種奨学金および第二種奨学金を申し込むこともできる。
この記述は適切です。
給付型奨学金と貸与型奨学金は、併用することが可能です。
給付型奨学金は返済不要な点が大きなメリットですが、奨学金の金額だけで学業のやりくりは困難な金額です。
なので、給付型と貸与型を併用するのが現実的、というケースも多いものと思います。
日本学生支援機構(その他の制度)
海外留学奨学金
4.(注:日本学生支援機構の奨学金に関して)海外に留学する場合でも、所定の基準を満たせば、給付型奨学金や貸与型奨学金を利用することができる。
この記述は適切です。
「海外留学奨学金」という奨学金制度のことですね。
問題文の通り、海外留学の場合にも利用できる奨学金制度として、この制度が用意されています。
詳しいことは、日本学生支援機構の下記サイトをご覧ください。
https://www.jasso.go.jp/ryugaku/study_a/scholarship/index.html
教育一般貸付と奨学金の、制度の違い・併用について
教育一般貸付と、奨学金の審査要件の違い
教育一般 貸付 |
第1種 奨学金 |
第2種 奨学金 |
|
---|---|---|---|
所得制限 | あり | あり | あり |
学力審査 | なし | あり | あり |
教育一般貸付と奨学金の重複利用
2014年9月 FP技能士2級 学科 問8より
4.日本政策金融公庫の教育一般貸付と独立行政法人日本学生支援機構の奨学金は、同一世帯内で重複して利用することができる。
この選択肢は適切です。
重複して利用した場合にも、特に条件や制約はありません。本選択肢の文章の通り、理解しましょう。
- FP技能士3級と2級の過去問から、難問(試験対策テキストには記述がない問題、多くの人が間違えやすい問題など)を中心に解説しています。
正解だけでなく、問題の背景や周辺知識も含めて解説しています。 - 万一記述に誤りがあると思われた方は、お問い合わせページよりお知らせください。正しい内容をお知らせし、当サイトも訂正します。
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