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ローン・クレジットカード

クレジットカード

クレジットカードの所有者

2015年9月 FP技能士2級 学科 問10より

1.クレジットカードは、クレジットカード会員の所有物であるため、自己の責任において第三者に自由に貸与することができる。

この記述は不適切です。
クレジットカードは、クレジットカード会社の所有物です。クレジットカードを利用している私たちは、クレジットカード会社からカードを貸与されている、という契約内容になっています。
みなさんがお持ちのクレジットカードは、契約上は自分のものではないということなのです。

法律上の所有者はクレジットカード会社ですから、カード会社の許可なく勝手に第三者にカードを貸与することは契約違反行為となりますので、やってはいけません。

ちなみに、クレジットカードで購入したものの所有権も、購入直後はクレジットカード会社のものとなります(そのような契約になっており、このように法律上は解釈されます)
購入代金が、後日銀行口座から引き落とされることで、正式に購入者(クレジットカードで買い物をした人)の所有物となります。

以上が法律上の解釈ですが、私たちはそんなことをほとんど気にせず、クレジットカードを活用していますよね。
クレジットカードにはなじみがあっても、問題で出題されるのはなじみのない内容。これがFP2級の試験なんですよね・・・。

信用情報機関

2015年9月 FP技能士2級 学科 問10より

4.クレジットカード会員は、所定の手続きにより、カード会社が加盟する信用情報機関によって登録されている自己の信用情報を確認することができる。

この記述は適切です。
私たちにはあまりなじみはありませんが、次のような代表的な信用情報機関があります。

これら信用情報機関の窓口、またはインターネットや郵送にて、自分自身の信用情報を確認することができます。
信用情報として確認できる情報は、主に次のようなものです。

手続きには、1000円程度の手数料がかかります。
ご興味がありましたら、一度自分の信用情報を確認してみるのもよいでしょう。

リボルビング払いの2つの方式

2016年1月 FP技能士2級 学科 問10より

1.リボルビング払いの手数料の支払方式には、月々の一定の支払額の中に手数料を含めて請求される「ウィズイン方式」と、月々の一定の元金支払額に手数料を上乗せして請求される「ウィズアウト方式」とがある。

この記述は適切です。
リボルビング払いの手数料とは、すなわち金利のことを指します。

ウィズイン方式は、「返済元金+利息(手数料)」が毎月一定額となるので、いわゆる元利均等返済方式といえます。返済完了までずっと同じ金額を返済するので資金繰りはしやすいのですが、借入残高の減少は緩やかです。
一方のウィズアウト方式は、元金返済額が毎月一定であり、それにプラスして金利も支払うので、いわゆる元金均等返済方式といえます。ウィズイン方式と比べて元金の減りは早くなりますが、返済額はウィズイン方式よりも高くなります。

ショッピング枠現金化

2016年1月 FP技能士2級 学科 問10より

4.クレジットカードのショッピングの利用可能枠を換金する目的で利用する「ショッピング枠現金化」は、クレジットカード会員規約に規定されている禁止行為に該当する。

この記述は適切です。

クレジットカードは、基本的に食品や物品などの「モノ」を買うのに使います。一般にこれをカード決済と呼んでいます。
しかしそうではなく、「現金」をカード決済で購入することを、「ショッピング枠現金化」といいます。
つまり、その場で現金を手に入れ、その金額に利息とされる額を加えた金額が後日カード引き落とし日に精算するわけです。実はこれは、事実上の融資行為に該当するものであり、これはクレジットカード会社側から禁じられている行為になります。したがって本記述は適切といえます。

融資の目的であれば、ショッピングとは別に「キャッシング」の機能を使って、お金を前借りしなくてはなりません。
カード決済は、あくまでも買い物をするために使うことを前提に、毎月の利用上限額が設定されているのです。
ショッピングとキャッシングでは、審査の観点も異なりますし、上限金額も別々に設定されています。

ショッピング枠の現金化、すなわちショッピング枠を使った融資行為は、貸金業法に違反する行為です。
カード利用者側も、規約違反としてカードの利用を停止されることもあり得ます。

ショッピング枠現金化が現在でも行われる事例が後を絶たず、悪質なトラブルに巻き込まれる事例も発生しています。
適切な金融サービスの利用と、消費者保護の観点からも、FPが知っておくべき知識と言えるでしょう。

ちなみに、新幹線のチケットや定期券をクレジットカードで購入した場合、払い戻しに当たっては現金で払い戻してもらえることはなく、クレジットカードを経由して銀行口座に払い戻すこととなっています。これも、ショッピング枠現金化と同じ原理で、融資(お金の前借り行為)としてカードが使われないよう防止するための措置なのです。
商品券などの換金性の高いものは、クレジットカードで購入できないケースが大半ですが、その理由はこういったところにもあるわけなのです。

クレジットカード紛失時の、支払い免除

2017年1月 FP技能士3級 学科 問5より

クレジットカードを紛失した個人のカード会員は、その事実について速やかにカード会社等へ所定の届出を行った場合、原則として、当該カード会社が届出を受けた日の120日前以降のカードの利用代金の支払債務が免除される。

この記述は不適切です。
「120日」を「60日」に直すと正しい記述となります。
過去60日前までさかのぼって、支払い債務が免除、すなわち不正利用を補償してくれますので、紛失時には早めに届け出ることが大事ですね。
最近は、クレジットカードに関する出題も増えています。クレジットカードの仕組みについても、時間があればしっかり勉強しておきましょう。

その他のローン

アドオン方式

2019年9月 FP技能士2級 実技(FP協会)問25より

パーソナルファイナンスにおいては、各種ローンに関する知識が必要である。消費者金融に関する次
の(ア)〜(エ)の記述について、正しいものには〇、誤っているものには×を解答欄に記入しなさい。

(ア)アドオン方式による金利と実質金利を比較すると、アドオン方式による金利の方が低くなる。

この記述は不適切です。
アドオン方式の方が金利が高くなります。まずはアドオン方式について解説します。

アドオン方式ですが、借入時点で利息の金額がすでに決定されている方式です。
なので繰上返済などを行っても、利息低減効果はない方式です。

実質金利は、住宅ローンで知られている元利均等返済方式・元金均等返済方式がその代表例です。複数回にわたる返済の都度、利息を計算する方式です。

アドオン方式は、現在はほとんど用いられていません。クレジットカードでの分割払いで利用されているくらいです。それ以外のローンでは、実質金利での表示が法律で義務づけられています。

ここまででアドオン方式の解説をしましたので、ここから問題の解説を行います。
問題の趣旨としては、例えば「アドオン方式の金利2%」と「実質金利2%」を比較すれば、アドオン方式の方が利息額が多くなるということです。
試験対策としては、結論としてこの点だけを理解しておけば問題ないでしょう。
なぜこのようなことが言えるのかを知りたい場合には、別途利息計算の計算式を理解する必要があります。その計算は試験範囲を超えると考えますのでここでは割愛しますが、ご興味ある方は調べてみてくださいね。

貸金業法における融資額の総量規制

年収と貸付額の要件

2015年1月 FP技能士3級 学科 問35より
(2012年5月 FP技能士3級 学科 問32でも類題出題)

貸金業法の総量規制により,個人が貸金業者による個人向け貸付けを利用する場合,原則として,年収の(   )を超える借入はできない。

( )に入る言葉は、「3分の1」です。

改正貸金業法が施行された、平成22年6月18日から適用となっています。
総量規制とも呼ばれており、借り手の年収の3分の1を超える金額を、無担保で貸し手側が貸してはいけない、という規制です。
借りすぎによって家計破たん状態になってしまう人が増えてきたことを受け、この規制が設けられることとなりました。

さまざまなローンが、この総量規制の対象となりますが、対象外のローンも存在します。
クレジットカードによるカードローン(キャッシング)は、規制の対象となります。しかし、クレジットカードによるショッピング枠での買い物は、この規制の対象外です。規制の対象外とは、年収の3分の1を超える額であっても利用できるという意味です。

この規制の対象は、無担保によるローンです。したがって、自宅などを担保にした住宅ローン、自動車を担保にした自動車ローンなどは、規制の対象外となります。

また、個人事業主が事業用途で利用する借り入れは、事業計画を提出し返済の見込みがあると判断されて貸し出される分については、この規制の対象外となります。たとえ事業用途の借入であっても、審査なく無担保で借りるローンは規制の対象となります。

収入がない専業主婦の場合、配偶者の同意があれば、その配偶者の年収の3分の1まで無担保で借り入れを行うことができます。ただし、その専業主婦と配偶者の借入額の合計が、二人の年収合計の3分の1まで借り入れできる、ということになります。つまり、夫婦2人合わせて、年収合計の3分の1まで、ということです。

なお、上記は法律で定められている規制であり、実際に借入ができる金額は、貸し手側による審査結果の影響を受けます。無条件に年収の3分の1まで借りられる、というわけではありません。

詳しくご説明しましたが、お金を借りるにあたり、以上のような規制が設けられていることも知っておきましょう。

自動車ローンとの関連

2019年9月 FP技能士2級 実技(FP協会)問25より

(ウ)自動車ローン(ディーラーローン)は、貸金業法における総量規制の対象とならない。

この記述は適切です。
借入できる金額は年収の3分の1までとする、という総量規制は、無担保のローンに対しての規制です。
自動車ローン(ディーラーローン)は、自動車を担保にした貸付であるため、この総量規制の対象とはならないのです。
同様に、住宅を担保にしている住宅ローンも、総量規制の対象外です。
このように担保の有無も関連がある点を、理解しておきましょう。

利息制限法

2019年9月 FP技能士2級 実技(FP協会)問25より

(エ)利息制限法における貸付金の上限金利は、借入額に応じて15〜20%と定められている。

この記述は適切です。
借入金額によって、上限金利は次のように法律で定められています。

借入10万円未満 → 上限金利は20%
借入10万円以上100万円未満 → 上限金利は18%
借入100万円以上 → 上限金利は15%

この上限金利を超える金利部分は無効となり、かつ行政処分の対象となっています。

 


 

 

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