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不動産の取引

不動産の4つの価格

「基準地と標準地」「公示価格と標準価格」の関連性

2016年1月 FP技能士2級 学科 問42より

2.都道府県地価調査の基準地は、地価公示の標準地と同じ地点に設定されることはない。

この記述は不適切です。
以後は少しややこしい話になりますので、「基準地」と「標準地」を読み間違えないようにしながら、読んでくださいね。

都道府県が7月に調査するのが、基準地です。
国が1月に調査するのが、標準地です。

基準地は、標準地と同じ地点に設定されているものと、異なる地点に設定されているものの両方があります。
これは、半年間の地価動向を判断できるようにということで、基準地の一部を、標準地の中から選んでいるためです。
このように、基準地としても選ばれる標準地のことを、代表標準地と言います。

ここで改めて用語を整理してほしいのですが、「標準地」の価格を「標準価格」とは呼びません。

都道府県が7月に調査する「基準地」の価格を「標準価格」または「基準地価」と呼びます。
国が1月に調査する「標準地」の価格を「公示価格」と呼びます。

「基準」と「標準」が入り乱れていますが、用語の意味と使い方を正確に覚えておきましょう。
それにしても、どうしてこんなにややこしい用語になってしまったのでしょうかね・・・。

都道府県による「標準価格」の決まり方

2017年9月 FP技能士2級 学科 問41より

2.都道府県地価調査の基準地の標準価格は、各都道府県に設置された土地鑑定委員会が判定する。

この記述は不適切です。
これはちょっと難しいひっかけ問題ですね。
「各都道府県に設置された土地鑑定委員会が判定する」を「各都道府県が決定する」に直すと正しい記述となります。

都道府県には土地鑑定委員会は設置されていません。
土地鑑定員会は、国土交通省に設置された機関である点も覚えておきましょう。

以下では少し踏み込んだ解説となりますので、参考情報としてご覧ください。

都道府県が基準地の標準価格を決定する際には、不動産鑑定士による評価を参考にして決定をしています。

ちなみに「公示価格」の方は、国土交通省に設置された土地鑑定委員会が判定をしています。
土地鑑定委員会は公示価格を決定する機関ですが、自ら地価を算出しません。2人以上の不動産鑑定士に依頼して地価を出してもらい、それを審査・判定して正式に公示価格を決定する役割を持っています。

やや深入りした内容でしたが、FPの観点ではそれほど重要ではありませんので、参考情報としてとどめておいてください。

固定資産税評価額のもとになる固定資産評価基準

2017年9月 FP技能士2級 学科 問41より

4.固定資産税評価額は、原則として、市町村長が固定資産評価基準により決定する。

この記述は適切です。
これもFP試験にしては、ややマニアックな問題であり、固定資産税評価額がどのようなプロセスで決定されているのか、を問う問題です。

以下の解説は、参考程度に把握していただければと思います。

選択肢中の「固定資産評価基準」とは、建物や土地の評価額を、具体的にどのようにして算出するか、をまとめたものです。
固定資産税評価額は各市町村で算出しますが、同じ条件の不動産が、市町村ごとにばらばらな評価額になってしまうことは問題です。
そこで、どの市町村でも同じやり方で評価し、同一条件なら同一評価額になるようにと考え、その具体的な評価方法を国がまとめているわけです。

以上の背景から、この固定資産評価基準を国が策定し、それに従って市町村が固定資産税評価額を決定しているのです。

宅地建物取引業の免許の必要有無

媒介のみを行う場合

2014年1月 FP技能士2級 学科 問43より

3.宅地建物取引業とは、業として宅地または建物を自ら売買または交換する行為であり、売買等の媒介のみを行う場合は、宅地建物取引業の免許は不要である。

この選択肢は不適切です。
宅地建物取引業の免許は、建物の売買や交換をする場合以外にも、媒介を行う場合であっても必要です。したがって媒介のみを行う場合でも、宅地建物取引業の免許は必要になるのです。

賃貸マンション所有者が賃貸業を行う場合

2015年5月 FP技能士2級 学科 問42より

1.賃貸マンションの所有者が、そのマンションの賃貸を自ら業として行う場合、宅地建物取引業の免許は不要である。

この記述は適切です。
建物の所有者が、その賃貸を自ら業として行う場合は、宅地建物取引業の免許は不要です。
たとえば不動産業者でない皆さんが、相続で得たマンションのオーナーになり、それを賃貸に出して収益を上げようとする場合に、宅地建物取引業の免許は取らないですよね。
(もしそうであるなら、賃貸マンションを相続する前に宅地建物取引業の免許を持ってなければならない、ということになる)
その点から判断すれば正解を導けたでしょう。

さて、宅地建物取引業の免許が必要となるのは、次の場合です。

・他人の宅地や建物の、売買・賃貸を代理媒介する場合
売り手と買い手の間をつないだり、貸主と借主との間を仲介するケースです。
いわゆる町の不動産業者が、これに当たりますね。

・自分が所有する宅地や建物を、複数人に売買する場合
複数人に売買する行為に対しては、宅地建物取引業の免許が必要とされています。
ですので自分の土地であっても、それを分筆して複数人に売却する場合は、実は宅地建物取引業の免許が必要なのです。

媒介契約

専任媒介契約・専属専任媒介契約の有効期間

2017年5月 FP技能士2級 実技(きんざい個人資産) 問10より
2019年5月 FP技能士2級 学科 問42も類題

1 宅地建物取引業者と締結する専任媒介契約および専属専任媒介契約の有効期間は3カ月が上限とされており、これより長い期間を定めて契約した場合は、当該契約は無効となる。

この記述は不適切です。
専任媒介契約および専属専任媒介契約の場合、3ヶ月より長い期間を定めたときは、その有効期間は3ヶ月とみなされます。
実務上、長期的な契約をする場合は、3か月ごとに契約を更新していくことになります。

重要事項説明

重要事項を記載した書面の交付時期

2019年5月 FP技能士2級 学科 問42より

1.宅地建物取引業者は、自ら売主となる宅地・建物の売買契約を締結したときは、当該買主に、遅滞なく、宅地建物取引士をして、宅地建物取引業法第35条に規定する重要事項を記載した書面を交付して説明をさせなければならない。

この記述は不適切です。
「売買契約を締結したときは」を「売買契約を締結する前に」に直すと正しい文章となります。
契約の流れとしては、重要事項を記載した書面の内容を確認して、その内容に異議がなければ契約に移ります。
この流れを把握しておけば、この問題で引っかかることはないでしょう。

使用貸借契約

使用貸借の認定

不動産の使用貸借の場合、固定資産税を使用者に払ってもらっている場合でも、税務上は使用貸借と認められます。

不動産を使用貸借として扱っている場合、固定資産税、借入金の返済利息、減価償却費は、不動産所得の必要経費に算入できません。
所有の不動産が空室の場合も同様にこれらは必要経費に算入することはできません。ただし、入居人を募集し、いつでも貸せるような状態で不動産を維持、メンテナンスしている場合には、必要経費に算入することができます。

借地権の贈与課税

2016年9月 FP技能士3級 学科 問28より

子が父の所有する土地を無償で借り受け、その土地の上に建物を建築した場合には、父から子へ借地権の贈与があったものとして贈与税の課税対象となる。

この記述は不適切です。
土地を無償で借りた場合(権利金の支払いがなかった場合)は、原則として借地権の贈与があったものとして贈与税の課税対象となります。
しかし本記述のように、親子など親族間で土地を無償で借りた場合には、使用貸借という形態の取引とみなし、贈与税の対象とはなりません。

不動産の事業的規模

以下の場合に、事業的規模として認められます。

仲介手数料

報酬額の上限

2015年5月 FP技能士2級 学科 問42より

4.宅地建物取引業者が宅地または建物の売買の媒介をする場合は、依頼者の合意が得られれば、依頼者から受け取る報酬の額に制限はない。

この記述は不適切です。
法律によって、報酬額の上限が定められています。この法律は強い強制力があり(法律用語で強行法規といいます)、違反すると処罰の対象となってしまいます。
たとえ依頼者との合意があったとしても、報酬額の上限を超える金額は法律上「無効」とみなされます。過去にそのような裁判事例もあります。

支払いが発生するとき

不動産売買の仲介手数料は、不動産売買が成立した時に支払います。
いわゆる成功報酬の意味合いがあります。
そのため、商談の途中で不動産の売買が成立しない状況になったとしても、不動産業者に仲介手数料を支払う必要はありません。

買換え特約(買替え)特約

2016年1月 FP技能士2級 実技(きんざい個人) 問10より

2.Aさんが物件Yの売主との売買契約の締結にあたり、「物件Xが所定の期日までに一定額以上で売却できなかった場合には、物件Yの売買契約を解除するとともに手付金の返還を受けることができる」旨の特約をした場合、その特約は有効である。

この記述は適切です。
これは「買換え特約」とも言われています。

物件を買い替える場合、物件を売却した資金を元手に、次の物件を購入することがあります。このように物件の売却と次の物件の購入を一体的に行えるよう、このような特約があるのです。
この特約があれば、万一物件が希望の価格で売ることができずに買換えを断念する場合に、購入物件の手付金を放棄することなく、返還してもらえるメリットがあります。

瑕疵担保責任

瑕疵担保責任の概要

購入した建物に、雨漏りなどの瑕疵(欠陥)があった場合、売主がその事実を知っていたかどうかに関係なく、買主に対して責任を負わなければなりません。これを瑕疵担保責任といいます。

なお、買主がその瑕疵を知っていた場合には、瑕疵担保責任は発生しません。

買主は、その瑕疵のために契約の目的を達成できない場合には、契約を解除することができます。
逆に、瑕疵があっても目的が達成できる場合には、契約を解除することはできません。この場合、売主に対して損害賠償を起こすことはできます。

宅地建物取引業者が売り主の場合は、目的物の引き渡しから2年以上の瑕疵担保責任を認めなければなりません。

「住宅の品質確保の促進などに関する法律」の規定により、新築住宅の売買契約においては、目的物の引き渡しから10年間、住宅の構造耐力上主要な部分の隠れた瑕疵について瑕疵担保責任を負います。
あらゆる瑕疵に対する瑕疵担保責任ではないことに注意が必要です。

瑕疵の立証責任について

2016年9月 FP技能士2級 学科 問43より
2014年9月 FP技能士2級 学科 問43も類題

1.(不動産の売買に関して)売買契約に瑕疵担保責任に関する特約がない場合、買主が瑕疵担保責任に基づく権利を行使するためには、買主は、瑕疵が売主の責めに帰すべき事由により生じたものであることを立証しなければならない。

この記述は不適切です。
買主は、瑕疵が売主の責めに帰すべき事由で生じたものである場合(つまり売主に責任がある場合)に限らず、そうでない場合(つまり売主に直接の責任がない場合)であっても、買主は瑕疵担保責任に基づく権利を行使する(つまり損害賠償請求や契約解除を申し出る)ことができるのです。

このように、売主は過失の有無に限らずその責任を負うこととなり(売主は無過失責任を負っている、ともいいます)、買主はそれを立証する必要はないのです。

買主側の損害賠償請求

2014年9月 FP技能士2級 学科 問43より

4.隠れた瑕疵があることを発見した買主は、売買契約を解除することができない場合に限り、売主に損害賠償を請求することができる。

この選択肢は不適切です。
まず、隠れた瑕疵があることを発見した買主は、そもそも損害賠償請求を行うことができます。
また、契約の目的を達成できないとき(「家に住んで暮らす」という目的が達成できない場合など)には、買主側から売買契約を解除することができます。しかし契約の目的が達成できるなら、売買契約は解除できません。

不動産の媒介者は瑕疵担保責任は負わない

2016年9月 FP技能士2級 学科 問43より

4.売買契約締結が宅地建物取引業者の媒介によるものであり、売主に対して瑕疵担保責任に基づく権利を行使できるとき、買主は、その宅地建物取引業者に対しても当該権利を行使することができる。

この記述は不適切です。
瑕疵担保責任は、売主が負うべきものであり、媒介となる宅地建物取引業者が負うべきものではないためです。
過去にも裁判があり、媒介の宅地建物取引業者に瑕疵担保責任はないと判決が出ています。

債務不履行時の取り扱い

2015年1月 FP技能士2級 学科 問42より

4.売主の責めに帰すべき事由により、売買契約で定められている債務の履行が不能となった場合、買主は、履行の催告をすることなく当該契約を解除することができる。

この選択肢は適切です。
売買契約で債務の利用が不能になった場合とは、もはやどうやっても当初の契約通りに物事が進まなくなってしまった状態とお考えください。例えば、住宅を購入契約をしたのに、販売業者側の事情でどうにも販売が不可能になってしまった場合、等が該当します。
この場合は、履行の催促をしたところでどうにもなりませんから、契約の解除を行うことができます。

これとは異なり、債務の履行が遅延しているなどの場合は、すぐには一方的に契約を解除することはできず、履行の催促をして、納期を再設定するなどの対応が必要となります。
履行する能力や条件があるのに、それをやっていないだけなのだから、改めて履行するチャンスを与えましょう、という法律の趣旨なのです。しかし履行の催促をした後で、再設定された期日に対しても再度の履行遅延が生じたり、履行の意思を見せないなどの状況が生じれば、その時は契約の解除を行うことは認められています。

以上が民法で定められた契約の解釈となりますが、これとは別に特約があれば、それが優先されます。
例えば、履行の遅延が生じたらただちに契約解除を認める特約がある場合には、その特約が優先適用されることとなります。

契約の話は、深入りすると法律論になってしまうので、理解が難しいですね。
でもこれは、不動産売買だけに限らず、様々な契約場面でも当てはまることですから、一般知識として知っておきましょう。

不動産広告

物件までの距離

2013年5月 FP技能士2級 実技(FP協会) 問7より
2014年9月 FP技能士2級 実技(FP協会) 問7より

(ア)
(徒歩12分という表記に関して)○○線△△駅から物件までの道路距離は、880m超960m以下である。

この記述は適切です。
数式で表現すると、徒歩A分と表記がある場合の道路距離は、「80×(A-1)m超、80×Am以下」であることを表します。
したがって徒歩12分であれば、「80×11m超、80×12m以下」=「880m超960m以下」の道路距離となります。

ちなみに、この距離は道路距離であり、駅からの直線距離ではありません。
また、駅の端点から目的の土地の端点までの最短の道のりを表しているため、電車を降りてから駅を出るまでの時間や、敷地内に入ってからマンションのエレベータをのぼって自宅の玄関までの時間は含まれていません。
あくまでも道路距離から測定した徒歩時間であるため、信号や踏切の待ち時間、歩道橋を渡る時間等も含まれていません。
実際には、これらの時間を含めて「徒歩△分」と表記してもよいのですが、駅から近いことを広告上で強調するために、含めないことが一般的です。

バルコニー面積

2014年1月 FP技能士2級 実技(FP協会) 問7より

1.広告に記載された専有面積には、バルコニー面積が含まれる。

この記述は誤りです。
専有面積にはバルコニーの面積は含まれません。なぜなら、バルコニーは専有部分ではなく共用部分だからです。

商業施設までの距離

2017年5月 FP技能士2級 実技(FP協会) 問7より

(エ)(不動産広告に関して)スーパーマーケット等の商業施設を広告に表示する場合、物件までの道路距離を明示することとされている。

この記述は適切です。
不動産の広告表示については、実は「不動産の表示に関する公正競争規約施行規則」というルールがあります。たとえば、駅からの距離を徒歩●分を、1分=80mとして表記する定めが有名ですね。
スーパーやドラッグストアなどの商業施設(要はお店など)の場所を示すときは、「すぐそこ」「至近距離」といった表現ではなく、本記述のとおり道路距離を数値で示すこととなっています。

余談ですが、それなら駅からの距離も「徒歩●分」ではなく道路距離で表示すればもっと正確な情報となるのに・・・とも個人的には思うのですけれどね。

クーリングオフ

2012年1月 FP技能士2級 学科 問42より

宅地建物取引業者が売主となる不動産の売買において、原則として売主の事務所以外の場所で、売買の申込みまたは売買契約の締結をした場合には、クーリングオフが可能であるとされています。
ただし、申込みと契約締結が異なる場所で行われた場合には、申込みの場所で判断をします。

すなわち、申込みを売主事務所で行い、契約を売主事務所以外の場所(例えば喫茶店など)で行った場合には、クーリングオフができません。
申込みを売主事務所以外の場所で行い、契約を売主事務所で行った場合には、クーリングオフが可能です。

未成年者との売買契約

法定代理人による取消

2015年9月 FP技能士2級 学科 問42より

1.未成年者(既婚者を除く)が法定代理人の同意を得ずに不動産の売買契約を締結した場合であっても、その法定代理人は当該売買契約を取り消すことはできない。

この記述は不適切です。
未成年者が行った契約は、その法定代理人(通常はその親)が取消をすることができます。
本選択肢は不動産売買についての記述ですが、これに限らず他の契約においてもいえることです。そのように、民法で定められていますからね。

もう少し具体的に説明しましょう。試験対策に限らず、実生活でも役立てられるお話です。

未成年者が行った契約を、その法定代理人が取り消せるのは、次の条件を全て満たしたときです。

さて上記をふまえてると、本選択肢の記述は不適切、すなわち法定代理人が売買契約を取り消せるということになります。
不動産の売買契約は、お小遣いの範囲での買い物とは言えませんからね。

実際のところ、未成年が不動産売買をするケースは非常にまれだと思います。
しかし次のケースでは、実際に契約取り消しに至ったトラブル事例がありますので、参考にしてくださいね。

以下は、関連する補足事項です。試験の範囲を超えるものですが、日常生活に関連する補足事項です。

該当未成年者が年齢を偽って物品を購入した場合は、あらゆる場合で取消できないかと言えば、そうでもありません。
取引において、契約の相手方が未成年かどうかを確認する必要もあると、法律上は考えられています。その確認を怠ったほうが、法律上の責任を負うこともあるのです。
例えば、見るからに取引の相手が中学生っぽく見えるのに、その子が「未成年じゃないよ、取引は問題ないよ」と言ってきた場合、実はあとから取消が認められる場合もあるのです。

また、この取消ができるのは、該当未成年者が成年になったときから5年以内です。
さらに、法定代理人に限らず、未成年者本人が取り消すこともできます。

この取消が成立した場合、代金の返還請求を行えます。また、未成年者が受け取った商品やサービスは、利益が残っている範囲で返還することとなります。言い換えると、使用済み分は返還の必要はなく、未使用分だけ返還が必要ということです。
未成年と契約した相手方は、商品やサービスを消費された後で取り消されたうえに、消費された分は返ってこない、ということにもなるわけです。

未成年者本人による取消

2019年9月 FP技能士2級 学科 問43より

2.未成年者(既婚者を除く)が法定代理人の同意を得ずに不動産の売買契約を締結した場合、原則として、その法定代理人だけでなく、未成年者本人も、当該売買契約を取り消すことができる。

この記述は適切です。
法定代理人(いわゆる保護者)が契約を取り消せることは知られていますが、未成年者本人も契約を取り消せるという点も、知っておいてくださいね。

不動産の二重売買の時、誰が所有権を取得するのか

2019年9月 FP技能士2級 学科 問43より

3.不動産について二重に売買契約が締結された場合、当該複数の買主間においては、原則として、売買契約を先に締結した者が当該不動産の所有権を取得する。

この記述は不適切です。
不動産の二重売買とは、ある不動産を、二人の人物に売る契約をすることです。
そんなことがあるのか?と思われるでしょうが、まれに発生するトラブルです。
地面師による詐欺事件で、二重売買であったことが発覚する場合もあります。

二重売買に売買契約が締結された場合、どちらの売買が先かに関係なく、登記を先に行った方が所有権を取得することになっています。
ですから不動産を取得したら、万が一のトラブルに巻き込まれないためにも、登記をしておくことに意味はあるのです。

もし二重売買によって不動産の所有権を取得できなかった場合は、売主に対して契約の解除や損害賠償の請求はできることになっています。

宅地建物取引業者名簿に記載されている内容

2016年9月 FP技能士2級 実技(きんざい個人資産) 問10より

3.国土交通大臣および都道府県知事は、宅地建物取引業者名簿をその閲覧所に備え、請求があった時は、一般の閲覧に供しなければならないが、この名簿には、業務停止処分を受けたことがある業者については、処分の内容等も記載されている。

この記述は適切です。
宅地建物取引業者名簿には、その業者の名称(商号)、住所、代表者氏名などのほかに、本記述のとおり業務停止処分の内容や処分を受けた日が記載されています。

宅地建物取引業者名簿に何が書かれているかなんて、一般の人はほとんど知りません。
そして、ほとんどのFPも知りません。
なかなかマニアックな問題です・・・。

 


 

 

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