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国民年金基金

加入・脱退に関して

加入する年金の種類

終身年金2種類、確定年金5種類の中から、年金の種類と口数を選択して、掛け金を納付します。
1口目は必ず終身年金でなければなりません。2口目からは、終身年金と確定年金から選択することができます。

また、終身年金の額が、全体の半分以上を占めていなければなりません。
(確定年金のほうを半分以上にすることはできません。)

50歳以上の加入

2019年9月 FP技能士2級 実技(きんざい生保)問3より

2 「老後の年金収入を増やすために、国民年金基金に加入することができます。ただし、60歳から給付を受けるためには、通算加入者等期間が10年以上なければならないため、50歳までに加入する必要があります」

この記述は不適切です。
国民年金基金は、50歳からも加入することは可能です。
ただし、掛金の総額が少なくなるために、受取年金額も少なくなってしまいます。
また、50歳以降は、IV型とV型には加入不可(それ以外の型には加入可能)となります。

60歳以上の加入

2015年1月 FP技能士2級 学科 問8より

1.国民年金基金には、国民年金の第1号被保険者のほか、日本国内に住所を有する60歳以上65歳未満の国民年金の任意加入被保険者も加入することができる。

この選択肢は適切です。
国民年金の任意加入被保険者も、国民年金基金に加入できます。
ただ実際のところ、60歳以上で加入すると、毎月の掛け金が大きいにもかかわらず、65歳からの受給額はそれほど大きくはなりません。あまりメリットは感じられないかもしれませんね。

加入資格と脱退

2012年9月 FP技能士2級 学科 問7より

加入資格者は、国民年金第1号被保険者であることが条件です。
ただし、国民年金保険料の免除者、または滞納者は、加入することができません。

次に該当する場合、国民年金基金を脱退することになります。

国民年金基金は任意に加入できますが、上記などの理由がない場合には、任意に脱退することはできません。

国民年金の加入者が、国民年金基金を脱退しても、脱退時に掛金の還付や年金の支払いは行われません。つまり、一時金の支給や解約返戻金のようなものはありません。
この場合も、65歳以降に年金として給付が行われます。

掛金に関して

毎月の掛け金について

2015年9月 FP技能士3級 実技(きんざい保険顧客) 問2より

2) 「国民年金基金の毎月の掛金は、国民年金の定額保険料や付加保険料と同様に、年齢や性別に関係なく、一律です」

この記述は不適切です。
国民年金基金の掛金は、給付する年金の型、加入口数、加入時の年齢、そして性別によって決まります。全員一律ではありませんので注意してください。
加入口数によって掛金も変わってきますが、その月額6万8000円までが、社会保険料控除の対象になります。この控除の種類も間違えやすいので、しっかり覚えておきましょう。

ちなみに、実際の掛金や受け取る年金を知りたい場合には、国民年金基金のホームページでシミュレーションすることができます。興味があれば、確認してみてくださいね。

国民年金未納者に対する取り扱い

2016年1月 FP技能士2級 学科 問8より

4.国民年金基金の加入者が国民年金の保険料を納付しなかった場合、その未納期間に係る国民年金基金の加入期間は、国民年金基金の年金給付の対象とされない。

この記述は適切です。
国民年金保険料を納付しない場合、国民年金基金の加入要件を満たさないこととなってしまいます。
実はこの場合、国民年金基金の掛け金を納付したことにはならず、掛け金はそのまま還付されることになります。

ちなみに本件のケースに該当し、しかもその国民年金基金の掛金を社会保険料控除とした確定申告書を提出済みであれば、過去の確定申告内容を修正する「修正申告」が必要となってしまいます。
(要は確定申告をやり直すことになるのです)

前納制度について

2017年5月 FP技能士2級 実技(きんざい個人資産) 問3より

1 「老後の年金収入を増やす方法としては、国民年金基金に加入することも検討事項の1つです。国民年金基金の毎月の掛金は、加入時の年齢や選択する給付の型などによっても異なりますが、1年分の掛金を前納すると割引が適用される仕組みがありますので、資金に余裕がある場合は検討してください」

この記述は適切です。
4月から翌年3月までの1年分の掛金を前納すると、0.1か月分の掛金が割引されます(割引率0.83%)。
前納にはいろいろなパターンが用意されていますが、1年分の前納以外の方式で前納しても、割引はありません。

ちなみに、国民年金、付加保険料、小規模企業共済にも、前納の仕組みがあります。
合わせて覚えておきましょう。

受取年金に関して

基本年金額

2015年1月 FP技能士2級 学科 問8より

3.国民年金基金の老齢年金の基本年金額は、積立金の運用状況によって変動する。

この選択肢は不適切です。
老齢年金の基本年金額は、契約時点の年齢・性別によって決まっているので、運用状況によって変動することはありません。
ちなみに、国民年金基金のホームページで、基本年金額としていくら受給できるのかをシミュレーションできます。加入を検討している方は、一度調べてみるのもよいでしょう。

国民年金基金の支給開始年齢

2019年1月 FP技能士2級 実技(きんざい中小事業主)問3より
(2015年9月 FP技能士2級 実技(きんざい損保) 問2も類題)

2 「国民年金基金への加入は口数制となっています。1口目は、保証期間のある終身年金A型、保証期間のない終身年金B型のいずれかを選択しますが、いずれも年金給付は60歳に開始します」

この記述は不適切です。
「60歳」を「65歳」に直すと正しい文章となります。

国民年金基金の年金支給開始年齢は、年金の型によって異なっています。

問題文にある終身年金のA型とB型、それに加えて、確定年金のI型とII型は、受給開始年齢は65歳です。
一方、確定年金のIII型、IV型、V型は、受給開始年齢は60歳です。
国民年金基金制度の詳細に踏み込んだ問題でしたね。知ってないと解答が難しかったと思います。

 


 

 

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