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その他、相続等について

法定相続割合

相続人が子と母の場合の法定相続割合

2018年5月 FP技能士3級 学科 問27より

被相続人に配偶者がなく、遺族が被相続人の子と母の計2人である場合、その相続に係る子の法定相続分は3分の2、母の法定相続分は3分の1である。

この記述は不適切です。

この場合、法定相続人は子だけであり、法定相続割合は子が100%となります。
父母に法定相続分が発生するのは、法定相続人が「配偶者と父母」「父母のみ」の場合に限られます。

問題に慣れないうちは、配偶者がいない場合の法定相続割合を間違えやすいので、注意してくださいね。

成年後見制度

法定後見制度

法定後見制度は、家庭裁判所に審判を請求して開始されます。

請求権者(申立権者)は、配偶者、4親等内の親族のほか、検察官、市町村長も含まれます。
複数の個人や法人を、成年後見人に選任することも認められています。

成年後見人は、家庭裁判所によって選任されます。

任意後見制度

家庭裁判所が、任意後見監督人を選任することで、その効力が生じます。
あらかじめ公正証書で契約を締結し、任意後見人とその権限内容を定めます。

なお、過去に出題された試験に「任意後見保佐人」という用語が選択肢に入っていることがありましたが、この単語は法律上、存在しないようです。

FPは、任意後見人になることは可能です。任意後見人は、資格制限を問いません。

成年後見制度を辞める、見直す

現実には、成年後見制度を利用している人が、その利用を辞めたり、利用の仕方を見直すケースもあります。具体的には、次のようなケースがあります。

成年後見開始の審判の取り消し

被後見人の意思疎通が可能になり判断能力が戻った場合など、成年後見制度そのものを辞める場合に選択します。被後見人(本人)、その配偶者または四親等内の親族等の請求により、家庭裁判所の審判によって取り消しが行われます。

後見人の解任

後見人が不正行為を行うなどした場合に、後見人にその地位を失わせたい場合に選択します。
後見監督人、被後見人またはその親族、検察官の請求により、家庭裁判所が後見人を解任することができます。この場合、別の後見人を選任するなどして、後見制度自体を継続して利用し続けることができます。

後見人の追加

複数の後見人を選任することもできます。複数の後見人をおくことで、後見人同士で監視しあい、不正を防止する効果が期待できます。
被後見人や、その親族の請求により、家庭裁判所が後見人を選任します。

成年後見人が取り消せる行為について

2018年5月 FP技能士2級 学科 問54より

4.成年後見人は、成年被後見人が行ったすべての行為について、取り消すことができる。

この記述は不適切です。
成年後見人は、成年被後見人(自ら判断する力を失ってしまった方のこと)のほとんどの行為について取り消すことができますが、日用品の購入その他日常生活に関する行為については取り消すことはできないとされています。
「日用品の購入その他日常生活に関する行為」とは、毎日行うような日常的で一般的なこと、というイメージを持っていていただければと思います。
例えば、水道光熱費の支払いや、普段行動している範囲での公共交通機関の運賃支払い、一般的な通院での医療費の支払いがこれに該当すると解釈されています。

離婚・再婚

離婚後の財産分与に関する税金

一般的には、離婚によって財産分与が行われても、それに対する贈与税はかかりません。
ただし、社会通念上などの様々な事情を考慮しても過大に財産の移転が行われたと判断された場合には、贈与税が課税されることがあります。
また、贈与税の発生を免れるために行われた離婚であると判断された場合にも、贈与税が課税されることがあります。

一般的には、離婚による財産分与で贈与税はかからないのですが、不動産が財産分与の対象となって不動産の持ち主が変わる場合には、譲渡所得とみなされます。したがって所得税が課されます。
ただし、離婚後に不動産の譲渡を行えば、「不動産の3000万円の特別控除」と「居住用不動産の軽減税率」を適用することができます。これらの制度は、家族間の譲渡では適用できませんが、離婚後であれば家族間ではなくなりますので、適用対象となります。

離婚による財産分与の範囲

2013年1月 FP技能士2級 学科 問51より

3.離婚した一方の者が有する財産分与請求権が及ぶ範囲には、相手方が婚姻中に相続により取得した財産は含まないとされる。

この選択肢は適切です。まず、離婚時の財産分与に関して、夫婦が二人で生活していくうえで築き上げた財産が、分与の対象となるという考えが根底にあります。そのため、次に挙げる財産は、夫婦と言えどもその人固有の財産とみなし、財産分与の対象とはならないとされています。

これ以外の財産は、一般的に財産分与の対象となります。ですので、夫婦の一方の名義で所有している財産であっても、それが結婚中に取得した財産であれば、財産分与の対象となります。

なお、離婚時の財産分与についての法的解釈は複雑で難しい点もあり、本選択肢の内容を含め上記の説明は一般論です。個別のケースでは、上記のルールに当てはまらない場合もあり得ます。そこは弁護士の業務範囲となる点には注意が必要です。

特定障害者扶養信託契約に基づく信託受益権

2013年9月 FP技能士2級 学科 問52より

2.特定障害者が受け取った特定障害者扶養信託契約に基づく信託受益権は、その信託受益権の価額の多寡にかかわらず、贈与税の課税対象とならない。

選択肢2は不適切です。
これは難問だったかと思います。特定障害者扶養信託契約については、過去に1級試験で1度だけ出題され、2級3級では出題されていない内容です。
特定障害者扶養信託契約を簡単に説明すると、特定障害者と認定された家族へ贈与をするときに、信託銀行を経由して財産を移転させる制度のことです。主に信託銀行で取り扱っています。

特定障害者扶養信託契約に基づく信託受益権は、6000万円までの部分は贈与税の課税対象となりませんが、それを超える金額については贈与税の課税対象となります。
ですので、この選択肢は不適切となります。

 


 

 

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