FP技能士3級2級の試験対策ポイントを、みんなで楽しく、そして濃密に学べる勉強会です。 FP技能士3級・2級合格勉強会

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相続・遺産分割

相続の開始日

被相続人が亡くなった日、認定死亡や失踪宣告によって死亡とみなされた日です。

代償分割

代償分割で取得した代償財産は、実質的には相続により取得したとみなします。そのため、相続税の課税対象となります。贈与税の課税対象とはなりません。

ただし、相続発生前に自分が所有していた不動産を他の相続人に代償分割で与える場合には、その不動産を時価で譲渡したとみなします。そのため、譲渡所得による所得税の課税対象となります。

このように、代償の財産の種類により、課税関係が異なります。

遺産分割協議書

遺産分割協議書の形式

2014年5月 FP技能士2級 学科 問54より

3.遺産分割協議書は、民法で定められた形式に従って作成し、かつ、共同相続人全員が署名・捺印していなければ、無効となる。

この選択肢は不適切です。遺産分割協議書の形式は特に定められていません。民法でもその形式は定められていません。この部分が誤りです。

なお、「共同相続人全員が署名・捺印していなければ、無効となる」の記述は正しいです。したがって、遺産分割協議を終えたと思っても、実は隠し子がいた・・・なんていう場合は、その方も共同相続人となりますから、作成済みの分割協議書は無効となってしまう、というわけです。
(ドラマやバラエティ番組で、ときどき見かける例ですね)

遺産分割協議書には実印は不要

2016年5月 FP技能士2級 学科 問54より

2.遺産分割協議書は、共同相続人全員の署名、実印による捺印および印鑑証明書の添付がない場合には、原則として無効となる。

この記述は不適切です。

遺産分割協議書は、共同相続人全員の署名と捺印が必要です。
しかしこの捺印は、実印でなくても、認印で構いません。

また、遺産分割協議書には、印鑑証明書は不要です。

特別受益者の相続分

相続人のなかに、被相続人から贈与や遺贈を受けた人がいる場合、法定相続分で遺産分割を行うと、贈与を受けた人とそうでない人との間で不公平が発生します。
これを公平にするために、その贈与分を被相続人の財産に組み戻して相続財産に合算し、それをもとに遺産分割を行い、贈与の価格を控除した残額を相続する、という制度があります。
このような過程を経た相続分を、特別受益者の相続分と言います。

要するに、遺産を生前に前渡した分については、遺産相続の時点で考慮しましょうね、という制度です。

詳しくは、下記URLにて解説されています。
http://www.my-adviser.jp/column/detail.php?id=483
http://www2.odn.ne.jp/~cjj30630/kiyo.jueki.html

この記事では、ほかにも、遺言で、特別受益をなかったことにできること(特別受益の持戻しの免除)についても記載があります。

寄与分

相続人の中に、被相続人の財産形成に特別に貢献した者がいる場合(すなわち被相続人に対して贈与、扶養するなどして財産を消費した場合)、法定相続分で遺産分割を行うと、財産を消費した相続人ととそうでない相続人との間で不公平が発生します。
これを公平にするために、その貢献した者に相続分以上の財産を相続させることができます。
この制度を、寄与分制度と言います。

なお、被相続人の財産を増やすだけでなく、被相続人の財産が減らないよう貢献した場合も、寄与分に該当すると考えられています。

下記に、寄与分について解説された記事がありますので、興味ある方は参照してください。
http://www5a.biglobe.ne.jp/~ksoffice/page69.html
http://www.ac-souzoku.jp/information/information03/index05.html

なお、親子の間には扶養義務がそもそも存在するため、単に世話を一生懸命したなどの理由では、寄与分が認められにくいです。
寄与分を認めてもらうためには、どれくらい財産上の貢献をもたらしたか、また他の相続人と比べてどれほど多くの費用を負担したのかを具体的に示す証拠資料があることが望ましいです。
支出の明細を保存しておくなど、数値で示せるとなおよいです。

相続と遺贈で異なる点

2014年1月 FP技能士2級 学科 問54より

3.遺言者の死亡以前に受遺者が死亡していた場合は、遺言者がその遺言に別段の意思を表示していない限り、受遺者の代襲相続人が遺贈を受ける権利を承継する。

本選択肢は不適切です。遺贈の場合は相続の場合と異なり、代襲相続の効果はありません。
他に、相続と遺贈の場合とで違いが生まれる場合があります。これについては、下記のとおりまとめています。

不動産の所有権移転登記

相続の場合は、相続を受けた相続人が単独で所有権移転登記を行えます。
遺贈の場合は、遺贈を受けた受遺者と、相続人が共同で所有権移転登記を行います。

不動産の対抗要件

相続の場合は、登記がなくても第三者に対抗できます。
遺贈の場合は、登記をしなければ第三者に対抗することができません。

借地権、借家権の移転

相続の場合は、権利移転について賃貸人の承諾は不要です。
遺贈の場合は、権利移転に関して賃貸人の承諾が必要になります。

農地の移転

相続の場合は、権利移転について農業委員会などの許可は不要です。
遺贈の場合は、権利移転について農業委員会などの許可が必要になります。

代襲相続の有無

相続の場合、代襲相続の取り扱いがあります。
遺贈の場合、代襲相続の取り扱いはありません。

相続財産分割後の不動産登記

相続によって不動産を取得し、その登記をしようとする場合には、以下の書類が必要となります。

つまり、遺産分割協議書を作らなかったり、自筆証書遺言で検認をしなかったら、不動産を相続後の登記が進められない、ということになります。

限定承認による不動産の取得

単純承認の場合は、相続の日が新たな取得日とはならず、被相続人の取得日が相続後も引き継がれます。

限定承認の場合は、相続によって不動産を譲渡したとみなされます。
そのため、取得日は引き継がれず、不動産を取得した日が新たな取得日となります。
さらに、譲渡による譲渡所得が発生する場合、被相続人の譲渡所得とみなされます。それに対する課税もなされます。

このようなことから、限定承認によって不動産を取得した場合、単純承認よりも税金面で不利となります。

相続欠格者には代襲相続がある

2015年9月 FP技能士2級 学科 問53より

<親族関係図は省略>

2.Cさんが欠格事由に該当して相続権を失った場合、Fさん(Cさんの子)がCさんを代襲して相続人となる。

この記述は適切です。
本選択肢のとおり、欠格者の子供は代襲相続により、相続人となります。

一方、本問とは異なり放棄した場合は、放棄者の子供は代襲相続にはなりません。これは3級でも勉強したことですね。
この違いを、覚えておきましょう。

ちなみに、代襲相続により相続権を得た人は、相続税額の2割加算の対象とはなりません。したがって代襲相続となる欠格者の子供は、2割加算の対象にはならないということになります。

廃除と遺留分の関係

廃除は、裁判所の許可が必要

相続人を廃除するためには、相続発生後に家庭裁判所の許可が必要になるため、必ずそのとおりに実現されるわけではありません。
実際には、廃除する人、廃除される人の双方から事情を聞くなどして、総合的に判断されます。
喧嘩をした、悪口を言われた、という程度では、一般的に排除は認めてもらえません。それを超える重大な事由、人としての信頼を完全に失うような事由が求められています。

廃除された人の遺留分

廃除された相続人は、遺留分の請求権もなくなります。
単に「相続分を0」と指定した場合には、その相続人は遺留分の減殺請求権を行使し、遺留分だけを請求することができます。ここが大きな違いです。

遺留分の請求権を持たない相続人を、廃除することはできません。
遺留分の請求権を持たない相続人に遺産を渡したくなければ、相続分を0と指定すればよいのです。

廃除された相続人に子供がいる場合、その子が代襲相続人になります。

放棄と遺留分の関係

相続を放棄した人は、遺留分の請求は認められていません。

遺留分を侵害した内容の遺言

遺言に、遺留分を侵害する内容の遺産分割方法を書いても、その遺言の内容は無効にはなりません。
ただし、遺留分の権利がある者が減殺請求権を行使した場合には、結果的に遺言通りの遺産分割にならなくなります。

遺留分の放棄について

遺留分放棄を行える時期

2012年5月 FP技能士2級 学科 問53より

相続開始前の遺留分の放棄であれば、家庭裁判所の許可が必要です。一方、相続開始後の場合は、本人が遺留分放棄の意思表示を示すだけで、遺留分を放棄することができます。

遺留分放棄の取消

遺留分の放棄を認められた者は、相続開始前であれば遺留分放棄の取消を家庭裁判所に申し立てることで、遺留分の放棄を取り消すことが可能です。
ただし、取り消しが認められるためには、正当な理由があることはもちろんですが、遺留分放棄を裏付けた状況が変化し、遺留分の存続が客観的に見ても不合理と認められる理由でなければならないとされています。つまり、よほどの事情がない限り、遺留分放棄を取り消すのは困難とされています。

遺留分放棄の件数

国が公表しているデータによると、遺留分の放棄は年間およそ1000件ほど行われています。

胎児の相続権利

2017年5月 FP技能士2級 学科 問54より

1.相続開始時に胎児であった者は、すでに生まれたものとみなされ、相続権が認められる。

この記述は適切です。

一般的に、法律上の権利が生じるのは、出生している人に限られ胎児に権利はない、というのが法律の世界での原則です。
しかし相続と損害賠償の権利に関しては、胎児も「既に生まれている」とみなすことで、特別にその権利が胎児にも認められているのです。

以上が、試験対策で覚えておけばよい内容です。
以下では、実務上のお話を簡単にまとめています。試験対策とは直接の関係はありませんので、参考情報としてお読みください。

胎児がいた場合に、実際の相続現場でどのように遺産分割をすればよいのか、疑問に思われる方もいらっしゃるでしょう。
相続開始時に胎児がいた場合には、実際の相続手続きはやや煩雑なものになります。

まず、胎児に相続権が認められるとは言いますが、その権利を行使できるのは出生後になります。
胎児の状態では、遺産を受け取れませんが、出生後になってから受け取れるのです。
さらに、出生後であっても、未成年者は遺産分割協議には参加できません。家庭裁判所で特別代理人を選定しなければなりません。つまり、特別代理人を巻き込んでの遺産分割協議となります。

相続税の世界でも、少しややこしい話があります。
相続後10か月以内の申告期限内に胎児が出生すれば、その子は相続税法上の相続人となるため、基礎控除額や生命保険の控除額における相続人の人数に含めて相続税の計算をします。

しかし申告書提出の時点で胎児のままであれば、その子は人数に含めて相続税の計算はできません。
ですが、胎児の状態の時にひとまず相続税の申告と納税を行い、胎児が出生後に相続人を一人増やした計算式で改めて相続税を計算し、更生の請求を行って税の還付を受けることもできます。

最後に、不幸にも胎児が死産となってしまった場合には、相続開始時にその胎児もいなかったものとして、遺産分割と相続税の納税を行うこととなります。

未成年者の遺産分割協議への参加

2017年5月 FP技能士2級 学科 問55より

2.相続人が被相続人の妻、長女(遺産分割時において18歳)の2人であり、長女は相続開始前に婚姻している場合、長女は遺産分割協議に参加できる。

この記述は適切です。
未成年者は遺産分割協議には参加できません。未成年者がいる場合は、家庭裁判所によって特別代理人を選定し、その特別代理人が未成年者の代わりに遺産分割協議に参加することになります。

しかし、その未成年者が婚姻をしている場合には、成年とみなします。したがって本記述のケースでは、長女は成年とみなされ、自ら直接に遺産分割協議に参加できるのです。

ちなみに、相続税において未成年者控除という控除があります。
こちらは単純に年齢だけで判断をするため、婚姻をしていても、していなくても、20歳未満であれば相続税の控除を受けることができます。

 


 


 

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