FP技能士3級2級の試験対策ポイントを、みんなで楽しく、そして濃密に学べる勉強会です。 FP技能士3級・2級合格勉強会

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相続税の申告と納税

相続税の計算に組み入れることのできる養子の数

相続税の計算に組み入れることのできる養子の数は、下記の通りとなっています。

ですので、養子を何人も増やしても、相続税の減額効果があるわけではありません

ただし、下記の場合は、相続税の計算上、実子と見なされます。すなわち、上記の養子数の制限の影響を受けません。

相続税の課税対象となる財産、ならない財産

所有権の移転登記がなされていない不動産

2015年1月 FP技能士2級 学科 問57より

1.被相続人が生前に購入した不動産で、相続開始時までに被相続人への所有権の移転登記がされていないもの

この選択肢は、相続税の課税対象となります。
相続税の課税対象となるのは、実質的に被相続人が所有していた不動産です。登記の有無は、関係がありません。
ですので本選択肢のように、被相続人が購入して実質的に所有しているならば、課税対象となるのです。

放棄した者が受け取った死亡保険金

2015年1月 FP技能士2級 学科 問57より

2.相続の放棄をした者が、契約者(=保険料負担者)および被保険者を被相続人とする生命保険契約に基づいて受け取った死亡保険金

この選択肢は、相続税の課税対象となります。
相続の放棄をした者、放棄をしなかった者、いずれの場合も、受け取った死亡保険金は「みなし相続財産」として相続税の課税対象になります。
ただし、放棄した者が受け取った死亡保険金に対しては、生命保険金の非課税金額の適用を受けることはできません。この点も合わせて覚えておきましょう。

代襲相続人かつ養子である者がいる場合の法定相続人の数え方

相続税計算における相続人の数え方

2014年9月 FP技能士2級 学科 問55より

3.(筆者注:相続税の計算において)代襲相続人であり、かつ、被相続人の養子となっている者については、実子2人分として「法定相続人の数」に算入する。

この選択肢は不適切です。
本選択肢の場合、本来的身分である代襲相続人としてのみ数えることになるため、実子一人分として法定相続人の数に算入します。このようなルールになっています。

なお、基礎控除の計算だけでなく、それ以降の相続税額を求める計算においても、この者を単なる代襲相続人の立場として税額計算を行うこととなります。

民法における相続人の数え方

ちなみに、この者の民法上の法定相続割合は少し複雑です。
代襲相続人としての身分における法定相続分と、被相続人の養子としての身分における法定相続分の合計が、この者の法定相続分と算定されます。

と、言葉で説明しましたが、下記URLの記述が図入りで解説されており、参考になります。
知識を深めたい方は、参考にしてみてください。
http://ameblo.jp/websagashi/entry-10839713816.html

法定相続人が誰もいない場合の相続税基礎控除額

2014年9月 FP技能士2級 学科 問55より

4.法定相続人が1人もいない場合、相続税額の計算上、遺産に係る基礎控除額は0(ゼロ)となる。

この選択肢は不適切です。
法定相続人が0ですから、基礎控除額は、5000万円+1000万円×0=5000万円、となります。
うっかり勘違いしないよう、気を付けてくださいね!

相続税の2割加算の対象となる人

2015年5月 FP技能士3級 学科 問28より

被相続人の兄弟姉妹が相続により財産を取得した場合,その兄弟姉妹は,いわゆる相続税額の2割加算の対象者となる。

この記述は正しいです。2割加算の対象と「ならない」のは、配偶者、父母、子、です。

これ以外の人(たとえば兄弟姉妹や孫、めい・おい、など)は、2割加算の対象となります。

このように、2割加算の対象と「ならない」人だけ覚えると楽ですよ。

配偶者に対する相続税額の軽減

配偶者が放棄した場合

2013年1月 FP技能士2級 学科 問53より

2.配偶者が相続を放棄した場合でも、その配偶者が遺贈により財産を取得したときには、配偶者の税額軽減の適用を受けることができる。

この選択肢は適切です。配偶者の税額軽減は、配偶者が相続や遺贈によって財産を取得したときに適用ができます。さらに本選択肢のとおり、配偶者が相続を放棄した場合でも、遺贈によって取得した財産があれば、配偶者の税額軽減を適用することができます。

遺産分割完了との関連

2015年1月 FP技能士2級 実技(個人資産) 問14より

2.「配偶者に対する相続税額の軽減」は,相続税の申告期限までに遺産が分割された場合にのみ適用を受けることができるため,申告期限後に遺産が分割された場合,妻Bさんはその適用を受けることができない。

この記述は不適切です。
「配偶者に対する相続税額の軽減」は、申告書提出期限までに申告書を提出した場合に適用されます。
一方、遺産分割が申告書提出期限までに行われるかどうかは、適用可否には関係がないのです。

繰り返しますと、申告書提出期限までに「申告書を提出」したら適用の対象となり、「遺産分割が完了」は適用の要件ではないのです。

なので、申告期限後に遺産が分割された場合であっても適用を受けることはできます。ただし条件があり、申告期限後3年以内に遺産分割を終え、相続税の修正申告を行う必要があります。

実務上は、申告期限までに遺産分割ができなかった場合でも、いったん相続税の申告と納税手続きを行います(この時点では「配偶者に対する相続税額の軽減」は適用されません)
その後、遺産分割を終え、特例を使うと納税額が少なくなる場合には、改めて修正申告を行うと、納めすぎた相続税を後で還付してもらうことができるのです。

相続人が配偶者のみの場合の取り扱い

2014年9月 FP技能士2級 学科 問56より

1.相続人が被相続人の配偶者のみである場合、「配偶者に対する相続税額の軽減」の適用を受ければ、相続により取得した財産額の多寡にかかわらず、原則として配偶者が納付すべき相続税額は0(ゼロ)となる。

この選択肢は適切です。

配偶者に対する相続税額の軽減の適用を受けると、配偶者は相続財産のうち、

のうちのいずれか大きい金額分まで、相続税がかからなくなります。

ところで、相続人が配偶者のみであれば、配偶者の法定相続割合は100%です。
ですからこの場合、配偶者が財産をすべて相続した場合でも、相続税はかからないのです。

現場で活躍するFPや税理士も、意外とこのことを知らないのです。
皆様は試験対策のためにも、ぜひ知っておいてくださいね。

相続開始前3年以内の贈与と、相続税の関係

2014年1月 FP技能士2級 学科 問55より

4.相続人が相続開始前3年以内に被相続人から財産の贈与を受け、暦年課税を選択していた場合、その者が相続または遺贈により財産を取得しなかったとしても、当該財産は相続税の課税対象となる。

この選択肢は不適切です。
相続開始前3年以内に被相続人から贈与された財産を、相続税の課税対象にするというルールがあります。このルールが適用される人は、相続または遺贈によって財産を取得した人だけに適用されます。
ややこしい点ですが、理解しておいてくださいね。

法人が相続税の納税義務者となる場合

2015年9月 FP技能士2級 学科 問55より

4.人格なき社団が遺贈により財産を取得した場合、個人とみなして相続税の納税義務者になることがある。

この記述は適切です。
通常、法人が相続や遺贈によって財産を取得した場合には、その法人には法人税が課税されます。
ただし、人格のない社団または財団に対する相続や遺贈の場合は、その団体を個人とみなし、相続税が課税される場合もあります。
人格のない社団または財団の例として、PTA、サークル、町内会、同好会、同窓会などがあります。

相続税の納税義務者判定、国外財産への課税

国内外の相続財産に課税されるのか、それとも日本国内の相続財産のみに課税されるのかについての判定方法については、相続税の納税義務者の判定方法と課税対象の項目を参照してください。

相続税の延納

延納期間

2013年5月 FP技能士2級 学科 問58より

2.延納が認められる期間は、最高25年である。

この選択肢は不適切です。

2014年1月 FP技能士2級 学科 問59より

1.延納期間は最高5年が原則であるが、相続により取得した財産に占める不動産の割合が75%以上の場合、不動産に係る相続税額の延納期間は最高20年となる。

この選択肢は適切です。

かなり細かい点を問う問題ですが、延納が認められる期間は、最高で20年となっています。
一般の場合の延納期間は5年までですが、不動産や自社株の比率が高い場合には、その比率や財産の内容により延納期間は10年〜20年と決められています。ちなみに、延納期間が長いほど、利子税も小さくなるよう配慮されています。

2014年2月現在、延納期間と利子税は原則として、次のようになっています。
※特例割合の利率については、次項「金融機関の借り入れとの利子比較」で解説しています。

不動産・自社株
等の割合
財産の
種類
延納
期間
利子税 特例
割合
75%以上 不動産 20年 3.6% 0.9%
動産 10年 5.4% 1.4%
50%以上
75%未満
不動産 15年 3.6% 0.9%
動産 10年 5.4% 1.4%
50%未満 不動産 5年 4.8% 1.2%
動産 5年 6.0% 1.5%

延納の担保財産について

2014年9月 FP技能士2級 学科 問59より

2.相続税の延納を選択する場合、延納の担保として提供することができる財産は、相続または遺贈により取得した財産に限られる。

この選択肢は不適切です。
延納の担保は、相続財産でもよいですし、相続財産でない財産でもかまいません。
ちなみに相続財産以外を担保にした場合も、その相続税評価額で評価額を算定します。

金融機関の借り入れとの利子比較

2014年1月 FP技能士2級 学科 問59より

2.不動産を相続し延納を選択した場合、利子税が課され、かつ、利子税は不動産所得の金額の計算における必要経費とならないため、借入条件によっては、延納に代えて金融機関からの借入れにより相続税を一括納付することを検討してもよい。

この選択肢は適切です。
延納の制度についてではなく、実務上のポイントについて問う問題ですね。

相続税の延納を選択した場合、利子税を支払う必要があります。
しかし延納せざるを得ない場合であっても、延納の利子税と、民間のローンの金利とを比較し、金利で有利な方を選択することもできます。

以前は、延納の利子税の方が高く、民間ローンの金利の方が低いケースが多かったです。しかし最近は延納の利子税も低下しています。このページ上部に掲載した表にある通り、現在の利子税は特例割合を適用でき、1.2%程度に低下しています。(特例割合の解説は次項を参照してください)

したがって現在は、延納の利子税と民間ローンの金利を比較することも検討に値するようになっています。なお、民間のローンを選択したほうが各種事務手続きは簡略なものになりますが、借りられる期間や金額に制限がある場合もあるので注意が必要です。

利子税の特例割合

現在、低金利である事情を考慮し、利子税の特例割合が適用されています。
特例割合とは、以下の計算式で計算された利子税のことを指します。

利子税×基準割引率(*)÷7.3%

(*) 延納期限の開始の日が属する月の2か月前の月の月末を経過するときの日本銀行が定める基準割引率及び基準貸付利率

この計算式に当てはめると、法律で規定されている利子税の4分の1ほどの利率となります。

物納

物納の撤回

2011年5月 FP技能士2級 学科 問57より

物納の許可を受けた後、物納に係る税額を金銭により一時に納付又は延納できることとなった場合、その物納の許可を受けた日の翌日から1年以内に申請することで、物納を撤回をすることができます。

ただし、物納財産が既に換価されたり、物納後に公共の用に供されている場合には、物納の撤回は承認されません。

不動産登記と相続税との関係

2013年5月 FP技能士2級 学科 問53より

1.被相続人が土地を取得した直後に死亡し、被相続人への所有権移転登記が未済のまま、その土地を相続人が取得した場合であっても、その土地は相続税の課税対象となる。

この選択肢は適切です。登記の有無とは関係なく、実質的な不動産の所有者が誰かという点に着目し、相続税を課税します。被相続人が死亡した時点で、該当不動産を被相続人が取得していたのであれば、その不動産は相続税の課税対象となります。

相続税の取得費加算の特例

特例の概要

2014年1月 FP技能士3級 学科 問55より

相続により取得した土地の譲渡について,いわゆる相続財産を譲渡した場合の相続税の取得費加算の特例の適用を受ける場合,当該土地を相続開始日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後(   )を経過する日までに譲渡していることが要件の1つとなる。
1) 3年
2) 5年
3) 10年

正解の選択肢は1です。

2014年1月 FP技能士2級 学科 問59より

4.相続により取得した不動産を相続開始のあった日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年以内に売却した場合、相続財産に係る譲渡所得の課税の特例により取得費に相続税額のうちの一定の金額を加算することができるため、相続開始前に売却するよりも税引後の手取り金額が増える場合がある。

この選択肢は適切です。

いずれも、いわゆる「相続税の取得費加算」と呼ばれる特例についての問題です。

これは、所得税(譲渡所得)と、相続税にまたがる税の取り扱いに関する特例です。

相続税の取得費加算については、2級で過去2回ほどしか出題されていない内容です。解説のないテキストもありますので、知らない人も多かったかと思います。
実はこの特例は、将来に法改正が行われることになっており、この取得費加算の扱いが今後変わります。そのため今、相続対策の現場では注目度が高い特例です。
(以下では、現行法に基づく取得費加算について記載しています)

上記問題文にもある通り、この特例は、相続した土地を売却するときに発生する譲渡所得を減らす効果があります。支払った相続税のうち一定額を取得費に加算できるためです。下記の計算式であることを、まずは思い出してください。

譲渡所得 = 収入金額 − 取得費 − 譲渡費用

なぜこのような特例があるのかというと・・・

思いがけず相続が発生し相続税が発生したとします。そこで、相続税支払いのために土地を売却したところ、その譲渡に対してさらに所得税が発生します。税を払うために税が発生するという、いわば2重課税のような状態になります。これに配慮して、譲渡による所得税を減らしてあげる特例だと考えてください。

ですので、相続税の一定額を取得費に加算して、所得税の減税効果が生まれるよう配慮された特例なのです。

上記2級の問題文を解釈すると、相続開始前(つまり被相続人の生前)に売却するより、相続開始後(つまり被相続人の死後)に不動産を売却したほうが、節税になるということです。(売却価格が同じであれば、という条件付き)

不動産が絡む相続対策の現場においては、この取得費加算を考慮に入れて対策を検討することもあります。
こういう特例があるのだということも、覚えておきましょう。

取得費加算となる対象の不動産

2014年9月 FP技能士2級 学科 問59より

4.相続税の納税資金に充てるため、相続人が相続開始前から所有していた不動産を売却する場合、所定の要件を満たせば、譲渡所得の金額の計算上、納付すべき相続税額のうちの一定の金額を取得費に加算することができる。

この選択肢は不適切です。
「相続開始前から所有していた不動産」を「相続によって取得した不動産」に直すと、正しい文章となります。いわゆる相続財産の取得費加算についての記述ですね。
あくまでも、相続によって取得した不動産が対象であり、それ以外の不動産は取得費加算は認められないのです。

相続税の納税資金対策

生命保険の加入

2014年9月 FP技能士2級 学科 問59より

1.相続税の納税資金対策として、被相続人が生前に相続人に対して保険料相当額の金銭を贈与し、契約者(=保険料負担者)および死亡保険金受取人を相続人、被保険者を被相続人とする生命保険に加入する方法がある。

この選択肢は適切です。
本選択肢のように契約をすると、被相続人が死亡したとき、保険金は相続人に支払われます。保険金は、被相続人の死亡後に保険会社から迅速に支払われます。
この保険金を原資として、相続税の納税資金に充てることができるため、納税資金対策になるのです。

一方で、被相続人の銀行口座は凍結されるため、銀行口座にあるお金を相続人が受け取るためには遺産分割が完了しなくてはならず、迅速に納税に充てられるわけではありません。

ちなみにこの方法は、被相続人の財産が贈与によって減っていきますから、相続税の減税効果も同時に狙うこともできるのです。

 


 


 

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