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公的介護保険

介護保険の分野は、多くのFP試験対策テキストで記述が薄いです。
2級学科での出題は1問〜2問ですが、深堀した学習をしすらいのが実情でしょう。
介護は今後の日本社会において重要なテーマとなります。こちらのページも参考にしながら、積極的に学習をしてみてくださいね。

介護保険の被保険者証

第1号被保険者(65歳以上の人)

新しく65歳になる人全員に公布されます。
65歳の誕生日の月(各月1日が誕生日の人はその前月)に交付されます。
(例)
8月1日が誕生日の人⇒7月に交付。
8月2日が誕生日の人⇒8月に交付。

第2号被保険者(40歳以上65歳未満の医療保険加入者)

給付対象者(加齢に伴う特定の疾病により、介護が必要と認定された人)に交付されます。
第2号保険者の全員に交付されるわけではありません。

加齢に伴う特定の疾病

加齢に伴う特定の疾病とは、以下のような疾病です。

試験対策で重要なのは、上記の疾病を覚えることではなく、「加齢に伴う疾病」という点を理解することです。
例えば交通事故や不注意による事故による場合には、介護保険を利用することはできません。

介護保険料

保険料の特別徴収(天引き徴収)

2014年1月 FP技能士2級 学科 問3より

1.公的介護保険の第1号被保険者で、公的年金制度から年額18万円以上の老齢等年金給付を受給している者の介護保険料は、原則として公的年金から徴収される。

この選択肢は適切です。
過去数回だけ実技試験で出題された内容ですが、学科ではおそらく初めての出題ですね。

第1号被保険者の場合、保険料の徴収方法は原則として、公的年金からの天引きされる特別徴収の方法がとられます。ただし、支給される年金額が年18万円を下回る人は、納付書による納付を行います。

ちなみに、公的年金の繰下受給を申請したために年金がもらえない人も、年18万円を下回ることに該当するので、納付書によって介護保険料を納付することになります。

健康保険の被扶養者の介護保険料負担

2013年5月 FP技能士2級 実技(FP協会) 問33より

現在、哲也さんの介護保険料は健康保険料と併せて徴収されており、被扶養者の智子さんは個別に介護保険料を( ウ )

正解の選択肢は、「(ウ)納める必要はありません」です。

公的介護保険の第2号被保険者で、かつ健康保険の被扶養者である人は、介護保険料は徴収されず、納める必要はありません。健康保険の保険料と同じく、介護保険の保険料も納付義務はないのです。

ただし、その被扶養者が65歳になった時には、介護保険の第1号被保険者となり、自身が給付を受ける年金から天引きされて介護保険料を支払うことになります。

ちなみに、公的介護保険の第2号被保険者である自営業者の場合は、国民健康保険と合わせて介護保険料を納付します。

介護休業期間中の社会保険料支払い

2016年5月 FP技能士3級 実技(FP協会) 問20より

2.「介護休業期間中の社会保険料は、所定の要件を満たした場合、被保険者および事業主とも支払いを免除されます。」

この記述は不適切です。

介護休業の期間中は、給与の支払いがない場合でも、社会保険料(健康保険料と厚生年金保険料と介護保険料)は支払う必要があります。
会社負担分、従業員負担分ともに、社会保険料の支払が必要なのです。

これは、育児休業とは異なる取り扱いです。
育児休業期間は、申し出があれば会社負担分も従業員負担分も、社会保険料の支払いが免除されます。こちらは比較的試験で出ますので、ぜひ覚えておいてくださいね。

ところで、介護休業中は従業員も社会保険料の負担が必要なわけですが、その従業員負担分の社会保険料を、会社が従業員からどのように徴収するかという問題があります。これは就業規則の中で取り決めているケースが多いと思います。

例えば、いったん会社が立て替えて支払い、社員が復職後の給与支払いの時に保険料を精算する、という方法があります。
または、従業員負担分を会社が負担するという方法もあります。この場合、会社が負担した従業員負担分は、その従業員に対する給与とみなされて、社会保険料と所得税の計算をすることになります。

所得と保険料の関係

2012年9月 FP技能士2級 学科 問9より

3.75歳以上の者は、現役並み所得者の場合を除き、介護保険の保険料負担はない。

選択肢3は不適切です。65歳以上の介護保険第1号被保険者は、年齢に関係なく全員介護保険の保険料負担があります。ただし所得に応じて支払う保険料が異なり、所得が少ない人は介護保険料の金額は小さく、所得が多い人は保険料も高額になるような制度になっています。

介護保険の利用者負担額

2014年1月 FP技能士2級 学科 問3より

2.要介護認定を受けた被保険者が介護保険施設を利用した場合、食費および居住費は、原則として全額が利用者負担となる。

この選択肢は適切です。
食費、居住費、それ以外にも日常生活費に関しては、介護サービスとはみなされないため、全額利用者が負担することになります。

介護保険の保険給付

2012年5月 FP技能士2級実技試験(FP協会) 問40より

公的介護保険の保険給付には、以下の3種類があります。

予防給付

要支援者に対する保険給付であり、居宅サービスを受けられます。居宅サービスのことを、在宅サービスということもあります。
居宅サービスには、具体的に以下の12種類があります。

介護給付

要介護者に対する保険給付であり、居宅サービス以外にも、施設サービスを受けることができます。
施設サービスとは、下記の施設に入所してうけるサービスのことです。

市町村特別給付

上記の予防給付や介護給付は、介護保険法によってその内容があらかじめ定められています。
一方、市町村特別給付とは、それとは異なる独自の給付で、市町村が条例で定めた給付です。

一般に保険給付は、支給限度額までは自己負担額が1割で済みますが、その支給限度額を超える金額を各自治体で定めることができます。市町村がより多くの金額を給付してくれることから、これを上乗せサービスということもあります。
また、予防給付や介護給付にはないサービス、たとえば給食サービス、輸送サービスなど、そもそもは保険給付の対象外となっているサービス内容を市町村で決め、給付することもできます。これは、横出しサービスとも呼ばれています。

高額介護サービス費

2014年1月 FP技能士2級 学科 問3より
2015年1月 FP技能士2級 学科 問4より

3.同一月内の介護サービス利用者負担額が一定の上限額を超えた場合は、所定の手続きにより、超えた分が高額介護サービス費として支給される。

この選択肢は適切です。
高額療養費制度に類似の制度が、介護保険にもあると理解すればよいでしょう。

問題文中に「一定の限度額」とありますが、所得の金額に応じて段階的に上限が設定されており、所得の低い人ほどその上限が低く設定されています。

公的介護保険に関する施設の種類

2014年9月 FP技能士2級 学科 問9より

2.介護老人保健施設は、入浴や食事などの日常生活上の支援や療養上の世話などを提供する施設であり、要介護者と認定された者が終生入所することができる施設として機能している。

3.介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)は、リハビリテーションを中心とした医療サービスを提供する施設であり、要支援者と認定された者がその施設サービスを受けることができる。

2,3のいずれの選択肢も不適切です。
介護関連施設についての出題ですが、ここまでの記述がある試験対策テキストは少ないですね。試験対策テキスト全般にいえることですが、介護保険に関しては記述が少なく、試験範囲のカバー率は小さいです。

まず、施設名とその特徴についてまとめます。そのあとに、選択肢の正誤についてみていきます。
やや長文になりますが、順に理解を進めてくださいね。

介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)

施設の特徴を表すキーワードは、次の3つです。

一般的には、非常に介護症状が重い方が利用する施設です。
介護老人福祉施設という言葉よりも、特別養護老人ホームという言葉の方に聞き覚えがあるかもしれませんね。

原則として、生涯入居することが可能ですが、病状が悪化して病院への入院が必要な場合は、退去せざるを得ない場合があります。
手厚い介護を低価格で受けられる施設ではありますが、入所待ちの人が40万人以上いるうえに、新たな特別養護老人ホームの建設も進んでいないため、日々のニュースで取り上げられるほど社会問題化しています。

介護老人保健施設

施設の特徴を表すキーワードは、次の3つです。

生涯の住まいというよりは、医療・リハビリにより、自宅への復帰を目指す施設という位置づけです。
なお、要支援者も、通所によるリハビリテーション(デイケアとも呼びます)を受けることができます。この場合、通所(施設に住むのではなく、自宅から通うスタイル)ですから、施設への入所とは意味が異なります。

介護療養型医療施設

施設の特徴を表すキーワードは次の3つです。

老人ホームというよりは、医療施設に近い位置づけの施設です。
なお、介護療養型医療施設の制度は、国家的に上昇している医療費の削減を理由に、2018年ごろ廃止することが決まっています。現存の介護療養型医療施設は、別の形態への転換が求められています。

介護療養型老人保健施設

前述の介護療養型医療施設の廃止に伴い、新設された施設です。
前述の介護老人保健施設と介護療養型医療施設の中間的なイメージの施設です。
老人ホームというよりは、医療施設に近い位置づけの施設です。

 

以上の4種類の施設について、まずは概要を抑えておきましょう。

これを踏まえると、選択肢2は「介護老人保健施設」を「介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)」に直すと正しい文章となります。
選択肢3は、「介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)」を「介護老人保健施設」に直すと、正しい文章となります。

サービス付き高齢者向け住宅

2014年9月 FP技能士2級 学科 問9より

4.サービス付き高齢者向け住宅は、高齢者の居住の安定を確保するために創設された賃貸住宅制度であり、その入居者は、同制度に基づき、家賃について国の補助を受けることができる。

この選択肢は不適切です。

サービス付き高齢者向け住宅には、国からの家賃補助制度はありません。基本は入居者が全額支払うものです。
ただし自治体によっては、独自に家賃補助の制度を設けている場合がありますが、家賃補助制度の設置は必須ではありません。

サービス付き高齢者向け住宅は、いわゆる賃貸住宅の一種ですが、バリアフリー構造、入居は高齢者に限定するなどの特徴を持ちます。
名称に「サービス付き」とあります。このサービスとは介護サービスのことです。
いわゆる一般的な介護支援サービスがあったり、住宅内に安否確認や緊急通報の装置が備えられていたりします。

介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)や介護老人保健施設などの介護施設は、入院が必要になると退去しなければならないのが原則です。それに比べると、サービス付き高齢者向け住宅は不動産の賃貸借契約によるため、入院を理由に退去させられるということはありません。

なお、介護サービスが付いている住宅ではありますが、その介護サービスは無料という意味ではありません。賃料以外に、別途介護サービスに関する料金を支払う必要がある点に注意が必要です。

介護予防住宅改修費/居宅介護住宅改修費

2014年9月 FP技能士2級 学科 問9より
(2014年1月 FP技能士2級 学科 問3も類題)

1.要支援者と認定された者が居宅に手すりの取付けや床段差の解消などの住宅改修を行った場合は、所定の要件を満たせば、公的介護保険から介護予防住宅改修費の支給を受けることができる。

この選択肢は適切です。
介護保険制度の詳細について問う問題ですね。各社出版の試験対策テキスト全般にいえることですが、介護保険に関しては記述が少なく、試験範囲のカバー率は小さいです。介護保険制度についてここまで詳細な記述は、通常の試験対策テキストにはありません。下記で補足の解説を記載していますので、参考にしてください。

本選択肢のように、介護保険制度には、住宅改修に関する給付制度があります。
本選択肢は要支援者の場合の話ですが、要介護者の場合にも同様の住宅改修に関する給付があります。
給付の名称は、要支援者の場合は本選択肢にあるように「介護予防住宅改修費」、要介護者の場合は「居宅介護住宅改修費」といいます。
名称は違えど、給付内容は同一のため、以下では「居宅介護(介護予防)住宅改修費」という名称で説明します。
※各自治体のホームページ上でも、「居宅介護(介護予防)住宅改修費」という名称で市民に案内しているケースが多いですので、これにならって説明します。

居宅介護(介護予防)住宅改修費は、介護が必要な方に対する住宅改修にかかる費用の一部を、介護保険から給付してもらえる制度です。
対象となる住宅改修の内容としては、手すりの取り付け、段差の解消、滑り止めの設置、引き戸への変更などがあります。

居宅介護(介護予防)住宅改修費の対象となる金額ですが、改修費用の上限は20万円と定められており、その1割が被保険者負担となります。したがって、給付される金額は20万円の9割である18万円が上限となっています。
この20万円は、要支援1〜2または要介護1〜5によって規定されている介護サービス支給限度額とは、別枠で設定されます。

参考までに、居宅介護(介護予防)住宅改修費の支給を受けるためには、下記の要件を満たす必要があります。

ちなみに、実務上において、居宅介護(介護予防)住宅改修費以外にも、自治体独自の給付制度がある場合があります。介護時の住宅改修を検討する場合には、この両者の併用を検討するのがよいでしょう。

 


 


 


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