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生命保険・個人年金に関する税金(個人契約)

受け取り保険金に対する課税

相続放棄した人が受け取った保険金の課税について

2015年9月 FP技能士2級 学科 問14より

契約者(=保険料負担者)および被保険者を父とする生命保険の課税関係に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

1.死亡保険金受取人が子である定期保険の場合、子が受け取った死亡保険金は、子が相続の放棄をしたときには、贈与税の課税対象となる。

この記述は不適切です。
この場合、契約者と被保険者が同一であるため、死亡保険金は相続税の課税対象となります。
保険金受取人が相続を放棄した、しないにかかわらず、課税の種類は変わらず、相続税となります。

かなり細かい点をついた問題ですが、FPとしてさまざまなケースに対応する知識を身につけておくならば、ぜひ知っておきたいところですね。

保険金の受取を据置いても、課税の対象になる

2016年5月 FP技能士3級 実技(保険顧客) 問6より

3) 「Aさんが学資年金を受け取る際に、保険会社所定の据置きを選択し、実際に年金額を受け取らない場合は、所得税および住民税の課税対象にはなりません」

この記述は不適切です。
3級としては、やや難しい問題だったと思います。

年金の据置きとは、規定の受取日に保険金を受け取らず、以後保険会社に運用をしてもらい、受け取り次期を後にずらして受取金額を増やすことを指します。
老齢年金の繰下げのような制度だとイメージしてください。

年金を受け取らずに据え置いた場合であっても、本来の受取時期に所得税・住民税の課税対象となります。受け取った時期に課税されるわけではないのです。したがって本記述は「不適切」となります。

なぜかというと、いったん契約者が保険金を受け取った後、それを保険会社に預けて運用する、と税法上は考えます。
このため、本来の受取時期に一度お金を受け取り、それに課税されると解釈されているのです。

ちなみに、据置期間中に増えた金額(利息とも言います)に対しても、雑所得として所得税・住民税の課税対象となります。
また、個人年金に限らず、養老保険の満期金など、生存中に給付を受ける金額に対して据え置きを選択した場合も同様に、上記の通り課税がなされます。

指定代理請求人が保険金を受け取った場合の課税

2017年5月 FP技能士3級 実技(保険) 問6より

3) 「被保険者であるAさんが身体障害保障特約の一時金を請求できない特別な事情がある場合には、指定代理請求特約により指定代理請求人である妻BさんがAさんに代わって請求することができます。ただし、妻Bさんが受け取る一時金は、一時所得として総合課税の対象となります」

この記述は不適切です。
指定代理請求人が受け取っても、あくまで代理で受け取るものであり、本来の受取人が受け取ったものとして課税されます。
したがってこのケースでは、非課税となります。

リビングニーズ特約に関する税金

リビングニーズ特約で保険を受け取った場合は、通常の死亡時に受け取る生命保険とは異なるルールが適用されます。

課税のルール

まず、受け取る保険金自体は、所得税の非課税財産として扱われます。
これは、生命保険というより、医療保険の保険金を受け取った場合と同じ扱いと解釈されます。

また、被保険者(余命6か月を切った人)がリビングニーズ特約によって保険金を受け取った場合、その保険金は被保険者の財産とみなされます。したがってのちに被保険者が死亡したとき、受け取った保険金のうち使い切れなかった分には相続における相続財産とみなされます。
例えば、リビングニーズ特約によって生前に3000万円を被保険者(余命6か月を切った人)が受け取り、そのお金に手を付けないまま被保険者が死亡すれば、その3000万円は遺族に相続されます。その3000万円はまるまる相続財産とみなされ、相続税の課税対象となります。

「相続税における生命保険金の非課税の取扱い」は適用できない

リビングニーズ特約によって受け取った保険金には、相続税における生命保険金の非課税の取扱い(500万円×法定相続人の人数の額が非課税)は適用できません。

死亡時に受け取る生命保険金に対しては適用できますが、生前に受け取る保険金には適用できません。

ただし、リビングニーズ特約によって、保険金の一部だけを生前に受け取った場合、残りの保険金額を死亡時に受け取るのであれば、その分に対しては「相続税における生命保険金の非課税の取扱い」を適用できます。

したがって、節税対策としては、「500万円×法定相続人の人数の額」だけを残し、それ以外の金額を、生前に保険金として受け取るのがよい、といえます。

20%の源泉分離課税扱いになる場合

要件

生命保険金を受け取るとき、以下のすべての条件を満たす場合には、20%の源泉分離課税(所得税15%、住民税5%)となります。

  1. 対象の保険に、満期保険金が設定されている。いわゆる貯蓄性のある保険。
    (養老保険や、個人年金保険など。掛け捨て医療保険や終身保険は該当しない。)
  2. 保険期間が5年以下である、または契約から5年以内に解約した。
  3. 保険料を一時払いで支払っている。

所得の種類は一時所得です。譲渡所得ではありません。

一時払終身保険の場合

2017年5月 FP技能士2級 学科 問15より
(2015年9月 FP技能士2級 実技(きんざい生保) 問11も類題)

3.一時払い終身保険を契約から5年以内に解約した場合に受け取る解約返戻金は、一時所得として所得税・住民税の課税対象となる。

この記述は適切です。
契約から5年以内の解約による解約返戻金が源泉分離課税の対象となるのは、養老保険や個人年金などの場合です。
終身保険の場合は、5年以内の短期解約であっても、一時所得として総合課税扱いとなります。
保険の課税ルールは複雑ですね。細かいところですが、理解しておきましょう。

生命保険の保険契約者を変更した場合の課税

被保険者、契約者とも死亡していない場合

2014年5月 FP技能士2級 学科 問13より

4.父親が契約者(=保険料負担者)であり、その子が被保険者である終身保険において、契約者を子に名義変更した場合、名義変更時点において父親が払い込んでいた保険料相当額の贈与があったものとみなされ、名義変更した年の贈与税の課税対象となる。

この選択肢は不適切です。名義変更した時点では、一切の課税は発生しません。ですので贈与税の課税対象となることもありません。

実際に課税がなされるのは、あくまでも死亡保険金や解約返戻金が支払われるときです。
しかし、名義変更した場合の課税ルールは、ちょっとややこしい。

受け取った死亡保険金は、旧契約者が支払った保険料部分と、新契約者が支払った保険料部分とに分割され、分割されたそれぞれに対して別々に課税がなされます。

本選択肢の例でいえば、被保険者である子が死亡(ただし旧契約者の父親は健在とする)した時に次の課税が発生します。

旧契約者である父親が支払った保険料に関する部分については所得税が課税されます(契約者と死亡保険金受取人が同一のため)。
一方、新契約者である子が支払った保険料に関する部分については相続税が課税されます(契約者と被保険者が同一のため)。

本選択肢は死亡保険金についてのお話でしたが、保険を解約した時に受け取る解約返戻金の課税関係においても、同様に分割してそれぞれに課税がなされます。

試験対策のコツとしては、名義変更の時に課税されるのではなく、お金のやりとりが発生する被保険者死亡時または保険解約時に、まとめて課税されると理解してくださいね。

契約者の死亡により、契約者を変更した場合

契約者の死亡に伴い、新しい契約者に契約変更をした場合には、新しい契約者が保険契約の権利を引き継ぐことになります。そのため、契約者死亡時点で、生命保険契約に関する権利として評価された金額(通常は解約返戻金相当額)を相続または遺贈したとみなされ、相続税の課税対象となります。

契約者変更における告知と審査

2016年1月 FP技能士2級 実技(きんざい生保) 問9より

3. 「将来、役員退職金の一部として契約者を長男Bさん、死亡保険金受取人を長男Bさんの相続人に名義変更することで、長男Bさん自身の相続対策(納税資金対策)にも活用することができます。ただし、名義変更時点において告知、診査が必要なため、長男Bさんの健康状態によっては名義変更できないこともあります」

この記述は不適切です。
契約者を変更するだけなら、告知や診査は不要です。
告知や審査は、被保険者に対して行うものだからです。

ただし、契約者の変更と同時に、保険金額なども変更する場合は、保険の増額手続きに当たるため、診査や告知は必要になります。また例外的に、学資保険の契約者を変更する場合も、告知と診査が必要となるケースがあります。

生命保険の保険金受取人を変更した場合の課税

2級試験では、契約者、保険金受取人が変更された場合の課税についても出題されます。少しややこしいところではありますので、十分に学習をしておきましょう。ポイントを簡単に下記のようにまとめています。

保険金の支払いが発生していない場合

保険金受取人を変更したその時には、誰にも課税は発生しません。
保険金受取人を変更後に保険金支払事由・解約自由が発生した場合には、新受取人に対して相続税、所得税、贈与税が課税の対象となります。このとき旧受取人は一切の保険金を受け取れないために、旧受取人に対しては、課税の対象とはなりません。

保険金の支払いが発生している場合

年金形式での受け取り中などの場合が該当しますが、いったん保険金の支払事由が発生した後は、保険金の受取人を変更することはできません。

年金の残り期間分を一括で受け取った場合の課税

2011年9月 FP技能士2級 学科 問13より

確定年金の場合

年金の受取期間中、まだ受け取っていない残りの期間の年金を一括して受け取ることができます。
このとき、残りの年金額の年金現価額を、一括して受け取ることができます。
この場合、受取額は一時所得として課税されます。
一括で受け取った時点で、契約は消滅します。

保証期間がある終身年金の場合

年金の受取期間中、保証期間内のまだ受け取っていない年金を一括して受け取ることができます。
このとき、残りの年金額の年金現価額を、一括して受け取ることができます。
この場合、受取額は雑所得として課税されます。
一括で受け取った場合でも、契約は消滅しません。
保証期間経過後も被保険者が生存していれば、それ以降再び年金の受け取りが開始され、一生涯年金を受け取ることができます。

生命保険料控除

生命保険料控除のページを参照してください。

保険と相続との間の関連事項

保険と相続のページを参照してください。

法人契約の保険に関する税金

生命保険・個人年金に関する税金(法人契約)のページをご覧ください。

個人事業主が契約した生命保険の経理処理

個人事業主が契約した保険の経理処理のページをご覧ください。

 


 


 

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