FP相談やってみよう:投資の損失で老後不安を抱えた相談者編
開催日時
2018/3/23(金) 19:00開始〜21:00終了予定
- 開始20分前から入室できます。それまでは会場に入ることができません。
- 遅れて参加の場合は、直接会場のドアを開けてご入室ください。
勉強会の目的、内容
定期的に行っている、FP相談シミュレーション形式の内容です。
今回は、年金受給が間近に迫っているものの、資産運用で大きな損を抱えてしまい、老後不安をかかえることになった方からの相談をテーマにします。
皆さんがこのテーマで相談を受けたとして、FPとしてどのようにアドバイスするかを、事例を使って考えていただきます。
相談者に対してどのように資産設計を行い、不安を解消する提案とアドバイスができるかが問われる内容です。
ほとんどのFPは資産運用を推奨していますが、結果的に損を抱えた方にどのように話しかけるか、心を寄り添っていくかも、事例を通して体験しながら、考えていきましょう。
当日扱う事例
- 相談者は、若いころに得たまとまった資金を元手に、資産運用を始めたが、最終的に資産が半額ほどに値下がりした
- 少ない収入の中でやや切り詰めた生活もしており、老後資金も十分とは言えない
- 老後生活を迎える中で、病気、介護、ローン返済など、様々なリスクを感じている
- 自分の将来の不安解消・問題解決のため、FPへの相談に踏み切った
- 相談者から提示された家計状況に、一部不正確と思われる内容がある
以上は概略であり、勉強会の中でさらに詳しい家計状況をお伝えします。
この事例から何を学べるか
下記の観点で、アドバイス・提案に役立つノウハウを学びます。
- 資産運用は、必ずしもうまくいくものではありません。資産運用で家計の問題を解決できるという論調が広まっていますが、その通りに行かなかった方に、どのように声をかけ、アドバイスの方向性を出していくのか
- 収入と支出の金額がともに小さい方に対する、家計改善方法
- 相談者から提示された家計状況に不十分・不正確な点がある場合に、追加のヒアリング事項をどのようなトークで収集するか
- 他のFPが出した提案内容の問題点に気づき、正しく訂正できるか
この事例を通して顧客の資産相談を体験しながら、FPとしての実践力を高めていきましょう!
当日の流れ
FP業界では「相談シミュレーション」と呼ばれている学習形態で進行します。
次の流れで、進めていきます。
- まずは各自で、相談事例の問題文を読み、FPとしてのアドバイスを考えます
- グループワークで、各自が考えた内容を発表し、グループ内でディスカッション。
グループごとに、アドバイス内容をまとめます。 - グループごとに発表し、最後に全体で共有。
スタッフからも、相談のポイントと、発表内容に対する評価をお伝えします。 - この事例に対して、あるFPが出した解決策を確認。その内容を見て、問題点の指摘と、本来あるべき提案内容について考えます
- 全体を通して、質疑応答や情報交換も行いながら進めます。
【参考】以前の開催様子
皆様のご参加をお待ちしています!
グループディスカッションでは、他の参加者の解決法やノウハウにも触れることができます。
FP知識を、周りの人の課題解決に役立て、FPらしいアドバイスができる実践力を高めましょう!
皆様のご参加をお待ちしています!
開催内容に関する補足
勉強会の終了後に懇親会を行います
勉強会の本編終了後の30分〜1時間ほど、同じ会場で引き続き懇親会を行います。
飲食の提供はありませんが、追加料金も発生しません。
他の参加者、FPの方、スタッフといろいろな情報交換をしたい方は、ぜひご参加ください。
参加対象者
どなたでもご参加いただけます。
FP(ファイナンシャルプランナー)の資格をお持ちでない方でもご参加いただけます。
開催場所、参加費等
参加費
1000円
参加費は会場で集めます。事前振込み等は不要です。
※途中参加、途中退室の場合も、同額となります。
持ち物
特にありませんが、ノート、筆記用具、電卓はあった方がよいです。
今回の勉強会で役立つと思う書籍や資料を、持参いただいてもかまいません。
その他
当日の進行
当日の進行は、当勉強会の運営スタッフ・サイト管理人の佐藤が担当します。
業務上は、FPがお客様、FPの先生という立場で、FP6分野に関するコンピュータシステムの開発や、FPの教育・育成にも関わっています。
FP3級〜1級の問題も全て自ら解いて、FP試験の最新動向をつかみ、資格取得の支援に役立てています。
参加費は、当勉強会の運営費用として、また 無料で高精度なライフプランシミュレーションソフト Financial Teacher System の開発とシステム運営費として利用させていただいています。
開催報告
土日ばかりだと参加しづらいという声を過去にいただいていたことから、今回は平日の夜に開催してみました。
いつもよりも少人数ではありましたが、20人弱の方にお集まりいただきました。
定期的に行っているFP相談シミュレーション形式の内容でしたが、今回は相談者の申告内容に疑問があったり、正確さが欠けているものが含まれているなど、答えたくてもちょっと答えにくい、という事例を用意しました。
そのような中でも参加者の皆様は、相談者の事情をくみ取り、安心できる家計を実現するためにどのように語り掛けていくか、について知恵を絞られていて素晴らしかったですね。
グループワークでは、いろいろな方の提案内容、解決方法にも触れることができたのではないでしょうか。
にぎやかに語り合いながら、一つの相談案件に対して、複数名でチームワークを発揮して取り組む体験にもなったでしょう。
人によって提案内容に違いがあったり、優先的に解決すべき課題に違いがみられるなど、いろいろな方の問題解決方法に触れる機会にもなったと思います。
お金の専門知識ばかりを身に着けるのではなく、相談者の課題解決への道筋を作るのも、FPにとっては大切なことですね。
このような体験も通して、FPとしてのスキルアップにつながったのであれば嬉しく思います。
グループディスカッションメモ
勉強会当日に、プロジェクターで投影していたメモは、下記のとおりです。
参加した人にしかわからない記述が含まれる場合がありますが、ご容赦ください。
- キャッシュフロー表を作成した結果、貯蓄に余裕がある状況であれば、安心できる・大丈夫であることを話す。
- 何歳まで働くつもりなのか、働くとしても時短勤務にするのか、など働くことに対する意向を確認する。
- 年金定期便で、将来の年金額を把握する。ただし年金定期便に記載の金額は60歳まで働いた場合であり、65歳まで働く場合は別途計算が必要。
- 現在の家計状況だけでなく、過去の家計状況もヒアリングし、お金の使い方を確認する。
- 相談者の申告以外のほかに、支出がないのかを確認する。ただし、相談者自身がどのようにして正確に支出を把握すべきかの方法を伝えなければならないこともある。
- 今後の支出額が、現在の金額のままでよいのか、それとも今後の支出額が変化するのかを、確認する。
- 資金に余裕があれば、ローンの繰り上げ返済をする。
- なぜ他人名義のローンを返済しているのか、その経緯について確認する
- 火災保険の金額が高額な気がするので、補償内容を確認する。
- 子供と同居しているのか、同居しているなら今後も同居を続けるのか、のヒアリングをする。
- 相談者の死後、子供の将来をどのように考えているのかを聞く。
- 自分の老後のこと(介護のこと)について、施設で過ごすのか、それとも子供に面倒を見てもらうのか、によって家族の負担とかかる費用が変わってくる。
- 住宅のメンテナンス費用(修繕費)を見積もり、キャッシュフロー表に反映する。
- 車を何歳まで運転するのかを確認し、車の維持費用や買い替え費用をキャッシュフロー表に反映する。
- 複数の保険がある中、有期契約の(80歳まで、など)の保障だけ残すべきか、それとも高齢時の入院まで保障すべく終身保険を残すべきか。
- 過去にどのような資産運用をしていたかを確認する
- 老後に向けて、 リスクの低い資産に変えていく。そのためには、現状の資産状況を再確認する必要がある。
- 分配金の多いファンドを解約する、とアドバイスするFPに妥当性があるのか疑問。
- 資産運用がわかっていない相談者に対しては、丁寧な売却アドバイス(資産運用の終了アドバイス)があってもよい。
参加者のご感想
頂いたご感想を、一部抜粋してご紹介しています。
(個人を特定する記述の削除・要約をしている場合があります)
◆1
先日はお世話になりました。
大変有意義な勉強会でしたし、楽しかったです。
家計状況の細かな聞き取りが必要だということを実感しました。
また提案についても、数字をあげてアドバイスすることが必要だということが、よくわかりました。
その辺り、苦手なので、今後も勉強させて頂いたり、実践で心がけたりしたいと思います