CFPは国際ライセンス?CFPを取得すれば世界で活躍できる?
CFPが国際的に通用する資格だと認識している人は、たくさんいます。
それは、FP協会がCFPのことを「国際ライセンス」などと説明しているからです。
そのような説明があるために、また別の人たちが「CFPは国際ライセンス」「世界で活躍できる資格」と説明してしまっています。
しかしこの言い回しは、CFPに興味関心を持つ人にとって、誤解を生じる説明です。
そこでこのページでは、CFPが国際ライセンスとはどういう意味なのか、そしてCFP資格を取得した人が世界で活躍できるのか、について説明していきます。
「CFPが国際ライセンス」の本当の意味
まず、「CFPが国際ライセンス」という言葉の意味から見ていきましょう。
CFPという資格は、世界中のいろいろな国で存在している資格です。
アメリカにもCFPという資格はあります。
オーストラリア、中国、韓国、オランダにも、CFPという資格があります。
どの国でCFPという資格が存在するかは、下記のFP協会のサイトに記述がありますので、そちらをご覧ください。
多くの国で、CFPという資格があることが分かります。
https://www.jafp.or.jp/about_jafp/network/
世界の様々な国で、CFPという資格が存在していることから「CFPは国際ライセンスである」と表現されているのです。
これは、あくまで「CFPという資格が世界中にある」ということを説明したものであり、「CFP資格を取得した人が世界で活躍できる」という意味ではありません。
CFPの資格認定組織側の話であり、CFPの資格を取得した人の話ではないのです。
また、FP協会は「世界で活躍するCFP認定者」と表現しています。
これは、「一人のCFP認定者が、世界で活躍している」という意味ではなく、「世界中でCFP認定者がいて、その一人一人が活躍している」という意味です。
ここはとても重要な解釈の部分です。
「世界で活躍するCFP認定者」の主語と述語がないので、あたかもCFP認定者が世界で活躍しているかのような表現が、独り歩きしてしまっているわけです。
CFPの資格をPRしたいFP協会や資格取得スクールでは、この解釈を丁寧に説明していません。
CFP資格の取得を考えている方にとって、CFP資格が国際的な仕事につながるかどうか、国際的に活躍できるかどうかは、気になるところです。
なので、正しい実態を、説明してもらいたいところですね。
CFP資格保有者は、国際的に活躍できるのか
では次に、CFP資格を取得した人が、国際的に活躍できるのかどうかについて考えてみます。
まず日本のCFPですが、CFP認定者になるための要件は、FP協会の下記ページに記載があります。
https://www.jafp.or.jp/aim/cfp/ninteikyouiku/
CFPの資格を取得するためには、AFPをまず取得したのち、CFPの6課目試験を資格試験に合格し、エントリー研修を受験する、といった手順が記載されています。
これは、多くのFPが知っていることですよね。
しかしながら、「日本以外の国でCFP資格を持つ者は、日本でもCFPとして認定する」という記述は存在しません。
これは、他国でCFPの資格を取得しても、日本ではCFPとして認定されないことを意味します。
また、逆も同じです。
日本でCFPを取得しても、それだけでは海外でCFPを名乗って業務をすることはできないのです。
つまり、CFPの認定は各国ごとに行われているのです。
これは、国によって税制や社会保険制度に違いがあるからです。
老後の年金制度も、民間保険会社による保険契約ルールも、国ごとに異なります。
証券会社に口座を開いて取引するルールも、所得に対する課税ルールも、不動産の取り扱い方や不動産の利用ルールも、亡くなった人が保有していた財産の取り扱い方や課税のルールも、国によって異なります。
各国で定められたお金の制度を理解したうえで、個人の資産のサポートをするのがファイナンシャルプランナーですから、国ごとに認定基準が違うことは合理的ですよね。
そういう背景もあり、日本でCFPの資格を取得しても、海外でCFP認定されることはないのです。
実際、CFPの資格保有者で、国際的に活躍しているというFPには、私は一度も出会ったことがありません。
そのようなお話も、聞いたことはありません。
もし仮にそのような方がいらっしゃったとしたら、それはCFPという資格のおかげではなく、ご本人の努力によって成し遂げられた考えるのが自然です。
もし本当に、世界で活躍しているFPがいらっしゃれば、この「FP実務勉強会」で講師として登場していただき、多くの日本のFPがいっそう活躍できるよう、知見を共有いただきたいと思っています。
もしご存じなら、下記お問い合わせページより、ぜひ私にご紹介くださいませ。
まとめ
以上、「CFPは国際ライセンス?」「CFPの資格がどのように世界で通用する?」という疑問に、私なりの知見を踏まえてお答えをいたしました。
結論としては、「CFPは国際ライセンスではあるが、取得しても世界で通用するFPになれる効力を持っているわけではない」が私なりの答えです。
CFPの資格を取ろうという方は、この内容も参考にしていただき、取得の有無について検討をいただければと思っています。
みなさんのご参考になれば幸いです。
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