相続税
※顧客固有の具体的な税のアドバイスには税理士の資格が必要ですので、関連業法の抵触には注意しましょう。
生命保険の活用
相続発生直後の資金繰りに役立つ
相続発生時、被相続人の預貯金口座が凍結されてしまいます。しかし生命保険金は、数日から1週間で現金として受け取れるという利点があります。遺族の方の資金繰りのことを考えると、生命保険を活用も検討に値します。
配偶者ではなく子を受取人にすると便利
保険金受取人は配偶者以外の人(例えば子供など)にしておくと、より節税効果を高められます。
なぜなら配偶者の場合は、1億6000万円または法定相続分までは、もともと相続税がかからないという特例があるためです。
また、配偶者控除の特例があるため、配偶者が納税資金に困るケースが少ないためです。
配偶者以外にはこのような特例がないため、保険金で納税資金をカバーするという方法は、むしろ配偶者以外の相続人に有効となります。
二次相続のことまで考えて相続対策をする
両親が二人とも亡くなると、相続が2回発生します。
その2度目の相続のことを、二次相続と言います。
相続対策というと、目先の相続(直近に発生する相続)のみについて考えがちです。
しかし父親(または母親)が亡くなった時に節税になっても、その次に母親(または父親)が亡くなった時に多くの相続税が課税されてしまうなら、それは有効な相続税対策とは言えません。
二次相続対策の大きなポイントとしては、一次相続とそのあとの二次相続とでの遺産分割案をあらかじめいくつか検討し、2度の相続で発生する相続税額の合計が小さくなるような案を考えておくことです。
さらに、配偶者への財産移転に関するポイントがあるので、ご紹介します。
■相続税の配偶者控除
一次相続の時、相続税の配偶者控除が使えるからと言って、多くの資産を配偶者に移転してしまうと、二次相続の時に多額の相続税を払うことになる可能性があります。
「配偶者控除をフル活用する」という発想を持たないことがコツです。一次相続も二次相続も低率の相続税の支払で済み、節税効果を高めるにはどうしたらよいかを考えていきます。
■配偶者へ移転した財産は、配偶者が消費する
一時相続では相続税の配偶者控除を活用したうえで、換金性の高いものを配偶者に相続し、配偶者が生存中はその財産を消費して生活するようにします。
こうすることで、二次相続の時に配偶者が保有する財産が減少し、結果として相続税の課税を抑えることが期待できます。
多額の資産をお持ちのご家族がこれらの対策を講じると、一時相続と二次相続とで数千万円も節税になることがあります。
家族がみな納得できる分割案であり、かつ2度の相続で節税にもなるアドバイスを心がけてみましょう。
金の仏壇は相続税対策に有効か?
仏壇の購入は、相続税対策の一つとなります。
なぜなら、仏壇の購入費用は相続税上の債務控除として取り扱えるためです。
(ファイナンシャルプランナーの資格試験でも出題される内容です)
ですから、高額な金の仏壇を購入すると、多額の債務控除の適用を受けられるので、相続税対策になるという理屈です。
ところが、現実にはこの通りにはいかないようです。
というのも、下記の条件のいずれかを満たす場合には、債務控除の対象にならないと国税庁側が判断しているためです。
- 必要以上に高額な仏壇を購入した場合
- 仏壇に金銭的な価値があり、換金性を有する場合
つまり、仏壇が債務控除として取り扱われるためには、以上2点に該当しないもの(いわゆる一般的なもの)でなければならない考えられます。
したがって、金の仏壇は相続税対策にはならない、といえるでしょう。
しかし実際には、「相続税対策になる」とうたって、金の仏壇を販売している業者もあります。ネットで検索すると、いくつか出てきましたが・・・。
FPとしてアドバイスをする場合には、こういった金の仏壇が相続税対策にはならないと説明することが大切です。
実務力を高め、顧客に価値を届けたいFPのみなさん、ぜひご参加ください!
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