フィンテックがFPのビジネス・FPの存在をどう変えるのか
参加者ディスカッションのまとめ
下記内容は、勉強会当日にプロジェクターで投影しながらまとめたメモの内容をもとに、後日勉強会スタッフが意味の通じる文章として再編集したものです。
メモ書きを意訳した箇所もございますが、ご了承ください。
なお、勉強会の会場限りと判断される内容は、この資料では割愛しています。
テーマ1:FPの役割・社会的な意義について
【お詫び】
皆様より多くの良きご意見を頂戴し、まとめていきました。
しかしスタッフ側のパソコンの不調により、本テーマのみ、その内容が消失してしまいました。
データの復旧を試みましたが、それも叶いませんでした。大変申し訳ございません。
ディスカッションのまとめの時間に、各グループの皆様より発表いただいた内容を、本テーマのまとめと替えさせていただきたく、ご容赦いただきますようお願い申し上げます。
テーマ2のディスカッション
テーマ1「FPの役割や社会的意義」も考慮し、
- フィンテック技術は役立つ、積極活用すべき
- フィンテック技術は役に立たない、活用する必要はない、関係ない
のどちらと考えるか?またその理由は?
フィンテックを積極活用すべき、の方のご意見
- FPはフィンテックを活用することで、資産運用、不動産など各専門領域に特化した情報を作り出せる。それを用いて、顧客の夢の実現を後押しでき、FPサービスの価値を高めることができる。
- フィンテックサービスが複数登場しているが、それらサービス対する信頼感は、まだ十分に醸成されていない面もある。その点をFPサービスとして提供することで、顧客の課題解決や満足度を後押しできる。
- FPがフィンテックを活用することで、FPが行うサービスに対して顧客の興味・関心を引き起こすきっかけにできる。
- コンピュータにさせればよい作業をフィンテック技術に任せることで、FPは業務を効率化でき、本来重視すべき業務(コンピュータにはできない業務)に注力できる
- フィンテックの活用で、これまでより精度の高いデータを顧客に提供し、業務の質を高めることができる。
- 顧客が自らフィンテック技術を使っても、理解しきれない点は出てくるはず。そこをFPがフォローするという活躍の仕方もある。(顧客が間違って解釈した場合、それをFPが正していく)
- 顧客がフィンテックを使いこなすための教育を、FPが担う。
- これまで金融機関が行っていた業務を、今後はフィンテックによりFPも行えるようになる(新たな業務領域が生まれる)
- フィンテックの普及により、顧客が金融知識を学ぶきっかけにできる。またFP業務に興味を持ってもらえるきっかけとなり、これをFPビジネスの追い風にできる。
フィンテックを活用する必要はない、というご意見
- そもそもフィンテックが正しい答え(顧客に最適な情報)を出せるとも限らない。それよりも、FPがコミュニケーションの中で正しい答えを出し、顧客に届けるべき。
- フィンテックが普及しても、それに対して顧客が正確な情報を登録できない(正しい結論を引き出すような使い方ができない)可能性がある。その場合、FPが正しい情報を顧客と共に見つけていく必要があるが、これはフィンテックを使って実現できない。
- フィンテックサービスを顧客に紹介したときの責任をどうとるか、確立されていない。
- フィンテックサービスが顧客に提供する情報が、フィンテックサービスを提供している業者向けに有利になるよう補正されている可能性もある。フィンテックサービスが出す結論に正当性・客観性が得られないなら、FPが自ら客観的に判断した情報を顧客に提供すべきである。
- システム業者が、人工知能等を使って手軽にサービスを出せることに、逆に不安に感じる。提供するサービスの質や精度の検証が十分なされていない事例もあるのではないか。
テーマ3のディスカッション
テーマ2での議論も踏まえ、フィンテックによって今後は
- FPの仕事は、なくなる/減少する
- FPの仕事は、むしろ増える
- FPの仕事に、特段の影響はない
のどれになって行くと考えるか?またその根拠は何か?
フィンテックでFPの仕事はなくなる/減少する、というご意見
- 情報処理能力はコンピュータの方が高い。FP業務の中でコンピュータでもできることが多くあり(キャッシュフロー表の作成など)、FPの業務が置き換えられていきそう。
- 金融機関で商品を売っているだけのFP業務は、なくなると思われる。
- これからの時代、FPが生き残るためには、どの業務に力を入れるかを考えないと、生き残れないのではないか。
例えば次のような業務に比重を置くとよいのではないか。
・消費者に対して、お金に関する教育をする
(学校など教育機関を対象に業務を開拓する)
・フィンテックを伝える仕事をする
・ITを全く使っていない人を取り込み、業務をする
フィンテックでFPの仕事はむしろ増える、というご意見
- お金に関心がなかった人がフィンテックにより関心を高めることが予想され、そこをFPビジネスの領域にできる。
- お金に関すること全体を取りまとめる役割、通訳的な役割は、フィンテックでは実現しにくい。この役割をこれからのFPが担っていく。
- 金融機関でのFPの仕事はなくなるだろうが、顧客側に立つFPのニーズはなくならない。
- 感情、情熱の部分を重視し、顧客のライフプランを支援する業務は、今後も続いていく。
- 自治体が生活者に金融リテラシーを高める取り組みをすれば、FPの活躍する場所が広がる。その流れに乗っていく。
- 人によるサービスは、フィンテックサービスより安心感を顧客に与えられる。それを提供できるFPはこれからも残る。
フィンテックでFPの仕事に特段の影響はない、というご意見
- コンピュータにできる作業はしなくて済む(効率化できる)面はあるが、コンピュータを使った後のFP業務の重要性は変わらない。
- 独立しているFPに相談する人は少ないが、富裕層はFPへの相談を続けると考えられる。富裕層はフィンテックを参考にするかもしれないが、人による多面的なFPサービスを受けたいというニーズは残り続ける。
- FPの仕事がなくなる面と、FPの仕事が増える面とがあり、差し引きすればあまり影響はないと考えられる。
淘汰されるFPと、残り続けるFPとに分かれる可能性がある
今後開催の勉強会(Zoom参加も可)