第2回:年金・社会保険の相談シミュレーション勉強会
開催概要
勉強会の目的、雰囲気
第2回目の勉強会は「年金、社会保険に関する相談」をテーマにします。
相談者の悩みに対して、皆さんがFP・アドバイザーとして相談に乗り解決方法を提案するという、相談シミュレーション形式の勉強会です。
年金や社会保険については、困ったことになってからどうしよう、と動き出す人が多いのが現状です。
しかも年金や社会保険制度は複雑なので、アドバイスをする側はこれらの制度を整理して理解していなければなりません。
そこで、相談に対して的確にアドバイスできるようになることを目指した内容で進めていきます。
今回の勉強会では、年金や社会保険について、5つの相談事例を用意しています。
会社員の相談、自営業者の相談、若い人からの相談、高齢者からの相談、などなど。
いずれも答えは一通りではないですし、相談してきた人の状況によって適したアドバイスも異なってきます。
相談内容にどのように回答するのか、どのような姿勢でアドバイスをするかなどを、個人ワークとグループワークとで学んでいきます。
グループワークでは参加者同士で意見交換もできるので、実際の相談に役立つ知識と経験が得られるでしょう。
楽しみながらも、困った人の力になれる人を目指していく、そんな勉強会にしたいと考えています。
皆様のご参加を、お待ちしています。
参加対象者
特に制限はありません。
多少専門的な内容を扱うため、FP3級を取得していることが望ましいですが、必須ではありません。
開催日時
2016/4/29(金・祝) 13:00開始〜15:00終了予定
- 開始20分前から入室できます。それまでは会場に入ることができません。
- 遅れて参加の場合は、直接会場のドアを開けてご入室ください。
- 終了後30分ほどは、自由交流時間とします。スタッフも交えて参加者同士で情報交換をするなど、ご活用ください。
参加費
500円(本来は1000円としますが、最初の数回は500円に設定します)
参加費は会場で集めます。事前振込み等は不要です。
※途中参加、途中退室の場合も、同額となります。
持ち物
特にありませんが、ノートや筆記用具はあった方がよいです。
今回の勉強会で役立つと思う書籍や資料を、持参いただいてもかまいません。
その他
当日の進行は、当勉強会のスタッフが担当します。
(運営スタッフ・サイト管理人の紹介は、このページ末尾のリンク先よりご覧いただけます)
参加費の一部は、「FPのノウハウを結集した、無料のライフプランソフト Financial Teacher System」の開発とシステム運営費として利用させていただいています。
当勉強会運営側の事情で開催日時、場所が変更になったり、やむを得ない事情で開催が中止となる場合がございます。予めご了承ください。
開催内容に変更がある場合には、参加申込者にはメールでご連絡します。
その他、ブログやメールマガジンでもご連絡差し上げます。
開催報告
今回の勉強会には、25名ほどの方にお集まりいただきました。
関東地方の方ばかりでなく、福岡県、静岡県、新潟県など遠方からご参加された方もいらっしゃいました。
下記の4つの事例に対して、各自でアドバイス内容を考えてもらった後に、4〜5名のグループワークで意見交換、ディスカッションをしていただきました。
グループワークの時間は、活発に参加者同士で意見交換が行われ、たいへん盛り上がりました。
当日に扱った相談内容の概略と、参加者の方に発表していただいたご意見を、下記の通りまとめています。
■相談概略
大学生の子供あてに、年金支払いの通知案内が届いた、その親からの相談事例
大学生の間は払わなくてもよいと聞いたことがあるが、子の年金は払うべき?払わなくてもよい?
<参加者の発表内容より>
・FPとして、支払う必要があることを話す(社会制度としての意義を説明)
・学生納付特例の説明をする(10年以内であれば後から払えることなど)
・手続きをしないと、未納になってしまうことを伝える
・未納のままにすると、障害年金の受給権も失うことを伝える
・親が払うことで、社会保険料控除で節税できることを伝える。
・いったん親が払うが、子に対しては「貸し付け」であり、あとで本人に払わせる方法もある。
・親子で、年金について話し合う機会にしましょう、と伝える。
・親が年金に無頓着だと、その子も年金に関心を持たなくなるケースもある
■相談概略
海外転勤になる予定だが、年金や社会保険はどのように取り扱われるのか?
家族も一緒に海外に連れて行くが、日本と外国とで社会保険料の二重払いにならないのか、また家族の医療費がどうなるか(3割負担で済むか、など)も気になっている
<参加者の発表内容より>
・日本の会社から給与が払われるかどうかを、会社に確認してもらう。(日本の会社から給料が支払われていると、日本の社会保険制度の対象となるため)
・会社によっては、福利厚生制度として、海外での治療費を会社が負担してくれるケースがある(会社によって異なる)
・会社には、海外赴任の場合の規定があると思われるので、それを確認してもらう。
・転勤先の国によって、制度も異なる。(社会保障協定の有無、ある一定年数を超える/超えないで扱いが異なる、など)
・海外の医療費は、日本よりも高いものだと説明する。
・海外の事情にも詳しい社労士に聞くようアドバイスする。
・まずは会社の担当者に聞くようアドバイスする。
・FP資格を取っても、答えにくい社会保障の質問はあるものだ。
■相談概略
フリーランスであるが、老後の少ない年金について心配している。小規模企業共済などは、有益かわからず加入していない。
老後のお金について、アドバイスがほしい。
<参加者の発表内容より>
・小規模企業共済は、節税メリットがあることを話す。
・フリーランスは基礎年金しかない、という事実を伝える。
・現在の収入と支出、何歳まで働くか、などをヒアリングし、老後の資金プランを立ててアドバイスをする。
・支出を減らし、貯蓄を増やすことが大切であることを伝える。
・国民年金基金や確定拠出年金など、他の類似制度も紹介する。
・小規模企業共済や国民年金基金といえども、拠出したお金が将来戻ってくる性質のものであり、貯蓄の延長にすぎない、という考え方も伝える。
・会社を設立し、厚生年金に加入する。(ただし会社負担分も自分が負担することになってしまう)
・フリーランスを15年続けている実績があるので、今後のビジネス拡大など展望を聞き出す。
・フリーランスには定年退職がなく、可能な限り働き続けられるのはメリットであることを伝える
■相談概略
60歳で定年だが、その後に再雇用してもらうか、自営業をするかなど様々なことが視野に入っている。
一方、60歳になっても年金をもらえないとか、働きながら年金をもらうと年金が減らされるなどの話も聞いており、さらに雇用保険ももらえるのかも気になっている。
<参加者の発表内容より>
・年金定期便を確認してもらい、どれだけ年金を受け取れるのかを把握してもらう。
・在職老齢年金は、会社員として雇用されていれば対象になることを伝える。
・繰上げや繰下げの仕組みを伝える。また、手続きが必要であることも伝える。
・様々なことを聞きたがっているが、それらにすべて答えたとしても、相談者は理解しきれないであろう。
・結局、60歳になるころにどうしたいのかを、先に考えてもらう必要がある。
・しかし、あらゆることを考慮の上で60歳以降の生活スタイルを判断しようとしているなら、とにかく幅広く説明して理解してもらうしかないのかもしれない。
・老後の働き方は、家族とも話し合っておくのがよい。
参加者からの感想
※いただいたご感想を、一部抜粋してご紹介しています。
◆1
本日は大変お世話になりました。
企業年金の話、子どもの年金の支払いの件など非常に参考になりました。
また次回も日にちがあえば参加させていただきたいと思います。
今後ともよろしくお願い申し上げます。
◆2
このたびは初参加させていただきまして大変ありがとうございました。
2時間という時間が本当に短く感じられもう少し長い時間でやられたらいいかとも感じました。
参加された方々との名刺交換もできました。
また次回もセミナーをやられるようでしたら今度は具体的相談例でもってキャッシュフロー表を作っていただければいいと思いました。
今回いろいろとでたご意見から自分なりに納得したことがいくつかありましたので本当にためになりました。
心より感謝しています。ありがとうございました。
◆3
昨日は大変お世話になり、ありがとうございました。初めて参加させていただいたので、不安もありましたが、とても充実した時間を過ごさせていただきました。
遠方から来ている方、いろいろな職種の方の集まりは刺激になりました。
またぜひ参加させていただきたいと思っております。
今後ともよろしくお願い致します。
◆4
こんにちは。先日はありがとうございました。思い切って参加して、本当に良かったです。
ケーススタディは勉強になりますね。知識不足の分野がはっきりわかります。
また、同じ知識の応用でも、状況により使い分ける必要があることもわかりました。
全部をまんべんなくというのは無理なので、自分の本職から派生して出てきそうなお金に関する事柄について知識強化することを目標にしたいと思います。
私は、FP資格はあるものの、プロのアドバイスを届けたいわけではなく、お客様と同じ生活者として、お金のことをどう考えるべきか、導く立場になりたいと思っています。
少し先を歩む者として、お客様のこれからの人生にはいろんな選択肢があることを示し、どのように選択していくべきか、自分で考えることの大切さを伝えたいと思います。
これからもよろしくお願いします。ありがとうございました。
◆5
昨日は、有意義な時間をありがとうございました。一方的な講習、勉強会は数ありますが、やはり共有しあえる場は、自分のためにも、参加者全員にとってもプラスになると思います。
資格保有者だけでなく、これから資格にチャレンジしようとおもっている方も参加できるところもよいですね。
私自身のFP活動、その他の活動で、何ができるか、どういうカタチにしたいのか、今一度考えていきたいと思います。
今後とも、よろしくお願いいたします。
ありがとうございました
◆6
お世話になっております。大変有益なセミナー、ありがとうございました。
FPとしての活動実態がまったくない自分にとっては、FPの方や金融系の方と異業種交流を図ることができて有益でした。
とにかく質問を連発するクライアントに網羅的に答えることが、FPの対応として適切ではないという考え方が新鮮でした。
この考え方は中小企業診断士にとっても参考になります。
問題数は減らし、1問を深くやる方がいいような気がしました。
(運営上大変ですが)模範解答を用意し、論点を一つ一つ丁寧に解説していくイメージです。
1級勉強会もぜひ開催いただきたいと思いました。
素晴らしいセミナーをご提供いただきましたこと、重ねてお礼申し上げます。