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FP技能士1級学科 合格率、難易度が高い理由

FP1級学科試験の合格率を紹介した後、なぜ合格者が少なく難易度が高い試験なのかを、詳しく説明しています。
このページの内容は、FP1級に関する多くのサイトからも引用され、参考にされています。

FP技能士1級学科の合格率

試験日 1月 5月 9月
2019年 8.45% 11.77% 10.14%
2018年 14.52% 8.24%
2017年 13.98% 10.41%
2016年 12.37% 4.84%
2015年 13.09% 15.41%
2014年 12.19% 11.56%
2013年 15.30% 8.99%
2012年 12.86% 9.93%
2011年 7.48% 17.40%

FP1級学科は難関試験であり、難易度は2級より格段に高いです。

2級の合格率はおおよそ30〜50%くらいですが、これは団体申込などによって受験の意欲のない人を含んでの合格率です。自ら受験を希望し、努力した人の合格率は、おおよそ50%〜60%くらいと思われます。
一方、1級学科の合格率は上記のとおり10%前後です。1級学科は受験意欲のない人を団体申込させることはほとんどありません。ということは、本気で合格を目指す方々が受験した結果、10人に1人しか合格できない、難易度の高い試験であることがお分かりいただけると思います。

一発合格できる人は、さらに少ない

筆者はFPが集まる勉強会などによく顔を出しますので、多くの1級受験者に話を聞いておりますが、FP1級学科に合格するまでに、3回ほど受験される方が多いです。

複数回の受験で合格する人がいての合格率10%ですから、1級学科試験を一発合格できる人は、3〜4%くらいではないかと推測しています。

何回目の受験で合格したのかという調査結果が存在しないので、正確な情報とは言えませんが、参考にしてみて下さい。

難易度が高い理由

優良な試験対策教材が存在しない

1級学科合格が難しい一番の理由は、優良な学習教材が存在しないことです。

2級や3級の時には、さまざまな出版社が本を出していて、どれを選べばよいか迷うほどの数がありました。しかしFP1級の書籍はそれとは対照的で、大型書店でも数種類しかなかったり、書店によっては1冊もないことすらあります。
5,6年前に比べれば少し種類は増えていますが、これらの希少な試験対策書籍には、いずれも次の問題点があります。

このように、優良な試験対策テキストがないことが、合格率を下げている大きな要因です。
これはFP1級学科試験にかぎらず、合格率の低い他の資格にも共通して言えることです。

これには、出版社側の事情もあります。1級学科対策の良質な試験対策教材を作りにくいのは、次の要因があるためです。

仮に、試験に出題される範囲を網羅的に解説した書籍を作るには、筆者の感覚だと5000ページ分くらいは必要です。異常に分厚く重いテキストになり、そんなテキストを買おうと思う人はいないでしょう。
また、購入見込み者が少ないので、テキスト作りにコストをかけると、出版側が利益を出せなくなります。
このような背景もあり、心の底から優良と思えるFP1級試験対策テキストが、残念ながら存在しないのです。

とはいえ、テキストも問題集も買わないというわけにもいきません。FP1級学科対策 テキスト・問題集の選び方 で解説していますので、参考のうえ、みなさんにとって適したテキスト・問題集を選んでくださいね。

過去問学習が、通用しにくい

過去問を繰り返し解いて合格を目指すという方法は、2級や3級では十分通用します。
過去問と類似の問題が出題されやすかったためです。

しかしFP1級学科試験は、その傾向は弱まります。
過去問と類似の問題が出題されることはあります。しかしその数は、2級に比べてかなり少なくなります。つまり、それまで過去問で出題されなかった内容も、たくさん出題されるということです。
FP1級学科試験は、新しい法改正の出題にも比重が置かれ、試験の出題範囲は2級に比べて格段に広いです。そのため、過去問と異なる問題を出しやすい一面があります。

したがって、過去問ベースの試験対策では、過去に出題されなかった問題への対応力がつけられず、合格に届きにくいのです。FP1級学科対策の具体的な学習法については、FP技能士1級学科 勉強法・独学の心得 で詳しくご説明しています。

優良な講座・スクール・通信教材も存在しない

いくつかの会社が、FP1級学科対策の資格取得講座や通信教育事業を展開しています。しかしその数は非常に少ないです。2級や3級の講座はたくさんあったのとは対照的です。

しかし、筆者が複数社のFP1級学科の講座について調べてみたところ、次のような気になる点を持つ講座が多くあると感じました。

市販の試験対策テキストをベースに授業が展開されている

おそらく市販テキストを講師が読み、その内容をわかりやすく解説してくれたり、分厚いテキストの中でどこが重要なのかを教えてくれるものと思われます。
ただこのスタイルだと、独学で勉強することを、講師が代弁しているだけとも言えます。
独学の場合と比較して、学習できる範囲はあまり変わらないでしょう。
また、すでに述べた通りですが、FP1級学科は出題範囲が非常に広く深いため、市販の試験対策テキスト外からの出題には対応しづらく、この講座だけで合格圏内に入ることは困難と思われます。

数年ごとにしか、教材を更新していない

最新の法改正事項も出題される1級試験において、古い情報で学習する点にリスクを感じます。教材を提供する側が、最新のFP1級対策講座を出し続けられなかったのでしょう。

過去問解説をベースとしたカリキュラム

過去問をベースとした授業だけでは、先程ご説明したように、非常に幅広いFP1級学科の試験範囲に対して、断片的な学習にとどまってしまいます。
これでは、合格圏内に届きにくいです。FP1級学科は法改正問題の比率も高く、出題範囲の広さゆえ、過去に出題しなかった問題も多く出題されます。過去問ベースの講座では、それに対応するのは困難でしょう。

 

これらの講座を筆者が実際に受講して回ったわけではないのですが、案内パンフレットや紹介ホームページを見ただけでも、心配に感じる講座が多くを占めていました。それが、正直な印象です。
「ここなら大丈夫かな」と思える講座の登場を、期待したいところです。

満点6割の120点を取れそうで取れない

不合格者からのお話を聞くと、100点〜119点の方が多いです。
不合格となって再挑戦しても、このあたりの点数にとどまってしまう人も数多くいます。あたかも、120点のラインに見えない魔の壁が存在しているかのような試験です。

確かに120点を取れれば合格です。しかし受験者の9割の人が、120点に達しないのはなぜなのか、その理由をよく分析しなければなりません。

難易度が高い理由を具体的に説明してきましたが、2級と同じような勉強法では、FP1級学科では合格ラインの120点に届きにくいです。

合格するための学習法自体を、FP1級学科では変えなければならない!

これは、FP1級受験者に私が頻繁にお話している言葉です。
受験される皆様には、十分ご認識いただきたいと思っています。

他のページでも、FP1級学科合格のための学習法について説明しています。
それらも参考の上、難関1級学科試験を乗り越えてほしいと思っています。

 

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