FP技能士1級とCFPの違い
業界の中での資格の価値
FP1級とCFP、どちらに価値がある?
金融業界においては、1級FP技能士やCFP保有者を優遇している企業もあります。
ただし、1級FP技能士の方に価値を置く企業もあれば、CFPの方に価値を置く企業もありますし、両方同じ価値の資格、と捉えている企業もあります。
どちらに価値があるかという明確な理由や根拠は、実際のところほとんどありません。
部課を束ねる人が、個人的にどちらかに価値を感じていれば、それが組織文化として反映されている印象はあります。
どちらもFPに関する最上位資格ではあるものの、これらの資格を取るくらいなら、AFPや2級技能士に加えて、社労士、税理士、証券外務員1種、宅建などの他の専門資格を取得し、ある1分野の高い専門性を歓迎する企業もあります。
ちなみに、金融と関係のない企業では、FP1級もCFPもそれほど重要視されていないのが一般的ですね。
世間での資格の認知度
金融業界の人たちの間では、いずれもFPの最上位資格という認識があります。
しかし一般の人たちにとっては、1級技能士もCFPも馴染みのない資格です。
一般の人にとっては、「CFP」ときいても何の資格かイメージできません。でもFP技能士1級であれば、「1級」とついているので、何らかの最上級資格であることを連想させる効果はあります。
資格取得の最低コスト
FP技能士1級
受験料は、学科試験が8900円、実技試験が20000円〜25000円です。
テキストと問題集を1冊ずつ買う場合、それぞれ4500円ほどしますので、計9000円が必要です。
これらの金額を合計すると、資格取得コストはおよそ4万円ほどとなります。
CFP
AFP取得者でなければCFPを受験できないので、AFPの年会費(年12000円、非課税)を払い続けている必要があります。
CFP試験の受験料は、1課目5250円(税込)です。ただし2課目以上を同時に出願した場合は、2課目目からは1課目あたり4200円(税込)となります。
したがって、6課目を一度に受験する場合は、5250+4200×5=26250円となります。
試験対策テキストや問題集は、6課目分を用意しなければなりません。
1課目あたり、テキスト2000円、問題集2000円、過去問3回分で2400円とすると、6課目分の合計で
(2000+2000+2400)×6=38400円 になります。
CFP資格の正式取得にあたり、FP協会へのCFP登録が必要です。
6課目合格後にエントリー研修を受け、FP協会に既定のお金を払うことで、正式にCFPの資格が認められます。
CFPエントリー研修:10500円(税込)
CFP新規登録料:5000円(非課税、初回登録時のみ)
CFPを取得するまでに、FP協会に2年間分の年会費を払ったとすると、以上の金額を合計した資格取得コストはおよそ10万5000円ほどとなります。
以上は、最低限のコストにすぎません
FP技能士1級やCFPに合格するため、スクールや通信教育を利用したり、1発合格できず何度も受験をすれば、コストもかさんでいきます。一般的に、一発合格はかなり難しい試験ですので、もう少し出費があると想定しておいたほうが良いでしょう。
維持コスト
FP技能士1級は、一度取得すれば永久に有効な資格となります。
一方でCFPは資格を保有する限り、以下のコストがかかります。
- 年会費:毎年12000円
- CFP会費:毎年8000円(年会費とは別・非課税)
- 2年ごとに30単位を取得するための費用:2年間で1万円〜5万円