FP技能士2級 合格に向けての勉強法
試験の傾向・特徴
細かく深いところが出題される
2級の試験範囲の広さは、3級と比べると少し広くなっていますが、3級とそれほど大きくは変わりません。しかし、深さは別格で、各制度の細かい点、奥深い点について積極的に出題されます。
この内容の深さに、思いがけず苦労する方も多いです。3級の延長上の試験ではありますが、油断は禁物です。
学科、実技とも、3級で出題された6分野の基本を理解していることが前提です。
そのうえで、6分野のより専門的な内容が出題されます。
カンで答えても正解しにくい
3級の試験は、すべて2択か3択の試験でした。
しかし2級では、学科試験はすべて4択です。適当に答えても、確率的には正解しにくくなっています。
実技試験でも選択式の問題はありますが、たくさんの語群から答えを選ぶ問題も登場します。また、筆記型の出題もあり、計算結果を数字で書き込んだり、言葉や用語を答えさせる問題があります。
3級の時は、分からない問題があっても2分の1、3分の1の確率で得点できました。
しかし2級では、そうはいかないのです。
求められる解答スピードは、3級の時の2倍
3級と比べた2級試験のもう一つの大きな違いは、受験生に要求される解答スピードです。
例えば学科試験は、3級と比べて問題数は同じだけれど、選択肢の数が増えています。1つの選択肢に書かれている文字量も多いです。選択肢が多い分、学習が浅いと「どちらの選択肢のほうが正解なのかな・・・」と悩む回数も増えます。
実技試験でも、同じことが言えます。
過去に勉強会に参加された2級受験者からも、「試験終盤に時間が足りなくなり、適当に素早くこたえざるを得なかった・・・」と悔やまれる声をよく聞きます。
したがって、1問を解ききるスピードは、3級の時以上に必要です。私は皆さんに、「3級の時より2倍速い読解スピードで問題に向き合う必要がある」と説明しています。
だから、3級と同じ感覚で試験に臨まないようにしてください。
まとめると
以上の特徴から、FP2級試験は3級の時以上に、正確な暗記力と理解力、そして解く速さが求められる試験と言えます。
2級合格への効果的な勉強方針
3級の対策では、基本事項をしっかり押さえて、問題集を繰り返し解く、という方法が重要だと説明しました。
2級でも基本的には3級と同じく、問題を繰り返し解く方法が有効ですが、各制度の細かい点も含めた周辺知識をどこまで増やしているかが合否を分ける重要な要素になります。
したがって、広く深く正確な学習が、2級合格には必要です。
3級の試験対策勉強法と同じく、テキストを読んで学ぶインプット学習と、問題集や過去問を積極的に解くアウトプット学習を併用しましょう。
インプット学習とアウトプット学習については、下記ページで詳しく解説しています。
インプット学習&アウトプット学習の進め方
テキストは情報量の多いものを選ぼう!
2級の試験では、市販テキストに解説されていない事柄が出題されることも多くあります。
皆さんがお持ちのテキストには解説されていないのに、他社のテキストには載っている、ということもあります。
お持ちのテキストが情報量不足であれば、それが受験者の足を引っ張ってしまいます。
単にわかりやすいだけのテキスト、大した厚みのないテキストでは少し不安です。
厚めで情報量の多いテキスト1冊でしっかり勉強することで、合格することは十分に可能です。
余裕を持ってより高得点での合格を目指す場合には、複数の試験対策テキストを活用する、またテキスト以外にも、専門的な書籍やサイトでさらに学習する、という方法もあります。
問題集を使ってのアウトプット学習
問題集を使って、できるだけたくさんの問題を解いてください。
多くの問題を解くことで、どこが勉強不足なのかを客観的に分析できます。勉強不足の点を見つけたら、テキストを使って復習したうえで(インプット学習をやり直す)、繰り返し問題を解きましょう(アウトプット学習)。そうすることで、合格に必要な知識がどんどん蓄えられていきますよ。
基本事項を確実に理解していくことはもちろん、難しめの問題でも得点し、高得点を得られるよう、深く正確な学習を心がけてください。
問題を繰り返し解いて、解答スピードを上げよう!
すでに書いた通り、2級試験は3級よりも早い解答スピードが求められます。
深く正確な知識が必要だと説明しましたが、スピードが足りないと試験本番でその力を発揮しきれません。
これは、とてももったいないことです。
スピードを上げるためには、問題集を繰り返し解いて、問題慣れ、解答慣れしていくことが大切です。
1回目よりも、2回目のほうが早く解けようになります。2回目より、3回目のほうが早く解けるようになります。
すでに解いた問題を、もう一度繰り返し解くことも、スピードアップにつながるトレーニングになります。
過去問や予想問題を解くときには、必ず試験さながらの時間配分でチャレンジして、時間に余裕をもって解ききる練習を積んでくださいね。
3級レベルは完ぺきに仕上げよう!
2級で学ぶ内容のベースにあるのが、3級で学んだ内容です。
3級レベルの理解があやふやだと、2級の問題になかなか正解できない、ということになりかねません。
それに、2級試験でも、実は3級レベルの問題がいくつか出題されるのです。
2級受験者は、この3級レベルの問題を落とすべきではありませんね。
なので、3級レベルの学習に不安があれば、2級の勉強を始める前に、3級の時に使った問題集を完璧に答えられるくらいに知識を固めておきましょう。
そうすると、2級の試験勉強も、エンジンがかかってスピーディに進めていくことができますよ。
それと、「3級はあまり勉強しなかったけど、なんとか合格したよ」という方は、私から見るとちょっと心配。
3級があやふやな状態で2級の勉強を始めると、分からないことも多くて精神的にまいってしまう場合も。
2級の敷居がちょっと高すぎるな・・・と思ったら、迷わず3級のテキスト&問題集でしっかり復習しましょう。
一見後戻りしているように思うかもしれませんが、そういうあなたにとっては、エンジン全開で前に進んでいるのです。
3級の教材を終えたときに、もう一度2級のテキストを読んでみて下さい。
スラスラ読み進められることに、きっと驚きますよ。その驚きは、2級合格へのやる気・さらなる推進力に変わることでしょう。
まとめ:地道に学習を積み上げよう
2級でお勧めする勉強法を、ご紹介しました。
「2級も、ちょこっと勉強すればすぐに受かるよ」なんていう人もいますが、このような意見にはあまり真に受けない方がよいです。よほどの事前知識を持っているのであれば、確かにすぐに合格することも可能ですが・・・。
FP技能士2級は、3級に比べるとかなり難しい試験です。
入念な学習を重ね、合格を勝ち取ってくださいね。
2級試験対策に役立つページのご紹介
2級では5種類の実技試験があり、どれを選択したかによって勉強の仕方や合格の可能性も変わってきます。当サイトには、実技試験の選び方を解説したページがあります。
2級の試験対策テキスト選びにお悩みの方は、下記のページも参考にしてください。
また、2級試験では、テキストに載っていないことが出題される、いわゆる難問も多くなります。そのような難問対策のコンテンツも、当サイトに用意しています。
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