この調査の目的
書店で販売されているFP試験の対策テキストが、実際の試験問題をどれくらいカバーできているかを調査しました。
テキストには、多くの問題に解答できるだけの記述がある(=試験カバー率が高い)のが望ましいのですが、これからFP試験を受験する立場の方にはそのカバー率を知ることは極めて困難です。
そこで、これからFP試験を受験される方に有益な情報をお届けするために、この調査を行いました。
試験に対するカバー度合い(カバー率)を指標とした理由
試験合格に直結する指標
試験対策テキストを選ぶうえでは、読みやすさや分かりやすさも大切ですが、試験に対するカバー率を重要な要素と考えました。
なぜなら、試験で出題される内容がテキストに書かれていなければ、結局受験生はその知識を学べず、試験本番で失点する確率が高くなってしまうからです。
カバー率は試験の合格に直結する重要な指標であるため、今回の調査対象としました。
複数のテキストを統一的に調査されたことがない
テキストの中には、カバー率●●%とか、合格点カバー率●●%など、独自の評価方式で自書を魅力的にみせているものが多数あります。
しかし、一部の問題を除外して測定したり、選択肢を絞り込めない状況を点数化するなど、真に受験者にとって意味のある数値とは言えません。
また、統一的な指標で比較されていないので、受験生は複数テキストの優劣を客観的に比較できません。
客観的な指標で各社テキストのカバー率を比較した事例は、当勉強会スタッフがFP試験を10年以上見てきた中でも存在しません。
ですから、この調査は、FP試験の受験生がテキストを選ぶうえでも重要な評価指標になると考え、実施しました。
調査対象のテキスト(7種類)
対象のテキストは全て、2018年〜2019年版です。
いずれも全国の書店や、インターネットの通信販売で取り扱われているものです。
これであなたも一発合格! FP2級参考書(きんざい)
FP技能士2級AFP 最速合格ブック(成美堂出版)
FPの学校 2級・AFP きほんテキスト(ユーキャン)
史上最強のFP2級テキスト(ナツメ社)
みんなが欲しかったFPの教科書(TAC出版)
最短合格FP技能士2級(きんざい)
うかるFP王道テキスト2級(フィナンシャルバンクインスティテュート)
本調査の参加者
FP2級試験に合格された11人と、当勉強会スタッフ佐藤、 以上12名。
参加者は全員、以下の応募要件を満たした方です。
- FP2級試験の学科と実技ともに、合格していること
- 合格後も、FP2級試験レベルの内容を把握できること
日本全国のFP受験生に役立てられる、日本初のFP試験テキスト調査プロジェクト(当勉強会調べ)ということで、お忙しい中この調査にご協力をいただきました。
調査対象の試験
2018年1月実施の試験
テキストの編集時点において、すでに実施済みの試験です。
この試験のカバー率が高ければ、しっかり過去問を分析して作成され、受験者が学びを深められる教材である、といえます。
逆にカバー率が低い場合は、過去問すら十分に対応できないテキストである、もしくは著者が過去問を十分に分析していない、という見方ができます。
調査対象とした試験は、次の全ての2級試験です。
- 学科試験
- 実技試験(FP協会)
- 実技試験(きんざい個人顧客)
- 実技試験(きんざい生保顧客)
- 実技試験(きんざい中小事業主)
2018年5月と2018年9月に実施の試験
テキストの編集時点より後に実施された試験です。
これら試験のカバー率が高ければ、テキストを購入された受験生が高得点の恩恵を受ることができ、優良なテキストであるといえます。
調査対象とした試験は、次の全ての2級試験です。
- 学科試験
- 実技試験(FP協会)
- 実技試験(きんざい個人顧客)
- 実技試験(きんざい生保顧客)
- 実技試験(きんざい損保顧客)
- 実技試験(きんざい中小事業主)
調査方法
試験の全問題を調査対象に
1月、5月、9月の試験問題において、各問題の選択肢一つずつ、穴埋め問題の空欄一つずつに対して、正しく解答できるだけの記述がテキストにあるかどうかをチェックしました。
一部のテキストでは、正解の選択肢の記述だけを記載していれば「過去問をカバーした」とみなしています。
しかしこの調査では、正解の選択肢の記述だけに限らず、すべての選択肢・穴埋め小問をチェックしました。
一部のテキストでは、過去2度以上出題された問題だけを、カバー率等の指標計算の対象としているものがあります。
しかしこの調査では、過去の出題回数に関係なく、すべての選択肢・穴埋め小問をチェックしました。
テキストの出版後に初出題となった問題に対しても、しっかり対応できたかどうかまで、チェックを行いました。
具体的な調査方法
下記のような評価様式に基づき、過去問の選択肢一つ一つに、テキストに記述があれば該当のページ番号を記入し、記述がなければ×を記入する、という調査方法を採用しました。
自由記述欄もあり、受験生のためになる補足情報があれば、それも記入しました。
作業分担
調査対象となる3回分の2級試験の問題を、参加者全員で分担をして、調査を行いました。
参加者同士で共通認識を持つため、事前の説明会への参加を必須としました。
その説明に参加後は、各自在宅にて調査作業を行いました。
調査担当者全員が参加するメーリングリストを使い、調査の過程で質問があれば全員でその内容を共有し、常に共通の認識のもとで作業を行えるよう環境を整えました。
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