FP相談業務で役立つさまざまな情報をまとめています。
医療費・治療の統計情報
病気別治療費と入院日数の目安
調査機関により、入院日数と入院費の値が異なっている点に注意が必要。
いずれも参考程度に考慮するとよい。
厚生労働省のデータ
入院日数 | 入院費 | |
胃がん | 26.8日 | 120万円 |
気管・肺のがん | −− | 120万円 |
乳がん | −− | 100万円 |
大腸がん | 19.2日 | −− |
悪性リンパ腫 | −− | 210万円 |
高血圧性疾患 | 45.8日 | 90万円 |
虚血性心疾患 | −− | 100万円 |
心疾患 | 24.2日 | −− |
脳血管疾患(※1) | 104.7日 | 230万円 |
神経系の疾患 | 74.1日 | −− |
白血病 | −− | 340万円 |
結核 | 60.3日 | −− |
糖尿病 | 38.6日 | 100万円 |
精神障害、行動障害 | 290.6日 | −− |
- 「−−」となっている個所は、当ページ編集時においてデータがなかったことを表す。
- 上記は医療費の総額の目安。実際には健康保険により患者は3割負担となる。
- (※1)くも膜下出血、脳内出血、脳梗塞、脳動脈硬化などの合計。
脳血管疾患の入院日数が他の病気より多いのは、統計上65歳以上の高齢者が多いのと、リハビリに時間がかかるためである。
全日本病院協会のデータ
2007年1月〜3月 | 2010年 | |||
入院日数 | 入院費 | 入院日数 | 入院費 | |
糖尿病 | 16.4日 | 34.8万円 | ||
急性心筋梗塞 | 20.5日 | 168万円 | 19.4日 | 217万円 |
狭心症 | 5.1日 | 91万円 | 9.2日 | 112万円 |
脳梗塞 | 31.4日 | 75.4万円 | 38.1万円 | 116万円 |
脳出血 | 42.5日 | 85.6万円 | 42.7日 | 116万円 |
肺炎 | 19.4日 | 53万円 | ||
胃がん | 31.8日 | 100万円 | 28.5日 | 121万円 |
結腸がん | 20.8日 | 71万円 | 29.2日 | 118万円 |
直腸がん | 26.6日 | 77.6万円 | ||
気管・肺のがん | 18.8日 | 42.6万円 | 35日 | 110万円 |
乳がん | 10.5日 | 56.2万円 | 20.2日 | 82万円 |
子宮筋腫 | 11.7日 | 55万円 |
- 上記は医療費の総額の目安。実際には健康保険により患者は3割負担となる。
セールス手帖社保険FPS研究所のデータ
入院日数 | 治療費 | |
白血病 | 64.2日 | 336万円 |
胃がん | 34.6日 | 106万円 |
結腸がん | 32.0日 | 91万円 |
直腸がん | 38.4日 | 130万円 |
気管・肺のがん | 34.1日 | 97万円 |
乳がん | 27.8日 | 96万円 |
- 「ライフプラン データ集2007年度版」より。
- 上記は医療費の平均額。実際には健康保険により患者は3割負担となる
社会保険庁のデータ
入院日数 | 治療費 | |
悪性新生物(がん) | 41.9日 | 180万円 |
神経系の疾患 | 18.3日 | 62万円 |
眼及び付属器の疾患 | 14.0日 | 38万円 |
糖尿病 | 39.6日 | 109万円 |
肺炎 | 13.0日 | 40万円 |
腎臓の疾患 | 26.8日 | 107万円 |
妊娠、分娩 | 10.8日 | 26万円 |
- 「平成19年医療給付受給者状況調査」より。
- 上記は医療費の平均額。実際には健康保険により患者は3割負担となる
平均入院日数
厚生労働省の平成20年の調査では、平均の入院日数35.6日。
前回調査より1.9日短くなっている。
年代別の平均入院日数
25〜34歳 | 約16日 |
35〜44歳 | 約22日 |
45〜54歳 | 約36日 |
55〜69歳 | 約44日 |
年齢が高くなるにつれて入院日数も長くなるが、平均でも60日を超えてはいない。
病気別年代別の平均入院日数
厚生労働省「平成17年患者調査の概況」によると、入院日数は以下の通り。
15〜34歳 | 35〜64歳 | 65歳〜 | |
糖尿病 | 18.9 | 25.6 | 42.6 |
心疾患 | 14.4 | 17.8 | 32.1 |
脳血管疾患 | 41.3 | 58.7 | 114.4 |
胃がん | 21.1 | 30.5 | 36.5 |
入院日数の割合
平成17年の厚生労働省の調査によると、入院期間の統計は次のようになっています。
入院期間 | 割合 |
---|---|
2か月未満 | 90.5% |
2か月以上3か月未満 | 3.9% |
3か月以上1年未満 | 4.3% |
1年以上2年未満 | 0.4% |
2年以上 | 0.6% |
不明 | 0.3% |
合計 | 100% |
医療保険の保障日数
上記から、入院保険で必要な期間は、60日程度でもそれなりに十分であるといえる。
ただし、生活習慣病をしっかり補償したい場合、入院日数が延びることを考慮する場合には、120日などの保険に加入するのもよい。
その他補足
入院の日数は、年齢や性別によっても違いがあり、さらに地域によっても違いがある。
中国、四国、九州地方は平均入院日数が多い。
これは、不健康な人が多いからというよりも、人口当たりのベッドの数が多いため、長期間入院できる環境にあると考えられている。
厚生労働省は、患者の入院日数を19日以内に抑えるよう指導しており、入院日数が20日を超えると、病院に支払われる診療報酬が減額されるようになっています。
日本人の死因統計
厚生労働省「平成16年人口動態統計」によると、日本人の死因の割合は次の通り。
ガン (悪性新生物) |
31.1% |
心疾患 | 15.5% |
脳血管疾患 | 12.5% |
肺炎 | 9.3% |
不慮の事故 | 3.7% |
自殺 | 2.9% |
老衰 | 2.3% |
その他 | 22.5% |
平成18年人口動態統計の調査でも、ほぼ同じ比率となっている。
先進医療の医療費と実施件数
先進医療を受ける確率は低いと言えるが、治療にかかる料金は高額になるため、保険でのカバーも必要なら視野に入れるとよい。
なお、実施件数の観点では、治療費が比較的低いものが多い。
詳しくは、下記表を参照(先進医療専門会議「先進医療技術の実施報告」2009年度)
技術名 |
年間実施件数 |
1件当たりの医療費 |
重量子線治療 (固形がんにかかるものに限る) |
779件 | 約302万円 |
悪性腫瘍に対する陽子線治療 (固形がんにかかるものに限る) |
821件 | 約276万円 |
脊髄腫瘍に対する 腫瘍脊髄骨全摘出 |
13件 | 約200万円 |
強度変調放射線治療 | 23件 | 約75万円 |
根治的前立腺全摘除術における 内視鏡下手術用ロボット支援 |
31件 | 約67万円 |
腹腔鏡下肝部分切除 | −− | 約30万円 |
腫瘍性骨病変及び骨そしょう症に 伴う骨脆弱性病変に対する 経皮的骨形成術 |
1039件 | 約15万円 |
乳がんにおけるセンチネル リンパ節の同定と転移の検索 |
11394件 | 約5万円 |
胎児心超音波検査 | 966件 | 約1万円 |
Copyrght (C) 2013-2017 FP勉強会 All right reserved