FP相談業務で役立つさまざまな情報をまとめています。
ガン・ガン保険
ガン治療の特徴
ガンを発症すると、再発や転移などで入退院を繰り返しがちになる。そのため、治療にかかるコストも高くなりがち。
また、ガン治療においては、健康保険の対象外となる先端医療が必要になることもある。
年々ガン治療は進歩し、ガン患者の生存率は年々上昇している傾向がある。
がん研究振興財団による「ガンの統計2005年度版」によると、ガン初回入院患者の5年生存率は以下のとおり(数値は概算)
男性 | 女性 | |
前立腺がん | 96% | −− |
乳がん | −− | 80% |
胃がん | 75% | 70% |
気管・気管支・肺がん | 36% | 48% |
肝・肝内胆管がん | 40% | 40% |
最近は、放射線・抗がん剤治療は通院で行われるケースが増えているそうです。
入院でしか保険金が出ない保険だと、通院では保険金は出ません。
そのため、通院のみでも保障するタイプのガン保険に加入しているとより安心です。
また、先進医療技術の約7割は、がん検診や治療に使われているそうです。
ガン保険加入の際は、先進医療の保証もあったほうが安心です。
年代別のがんでの死亡率
厚生労働省「平成17年人口動態統計」によると、人口10万人に対する死者の割合は次の通り。
以下は、調査結果のグラフより読み取った概算の数値である。
年齢 | 男 | 女 |
20〜24 | 15 | 10 |
25〜29 | 15 | 15 |
30〜34 | 20 | 25 |
35〜39 | 25 | 30 |
40〜44 | 30 | 45 |
45〜49 | 60 | 75 |
50〜54 | 160 | 120 |
55〜59 | 270 | 170 |
ガンにかかりやすくなる年代
男性は60歳から、女性は30歳からかかりやすくなるという調査結果があります。
ガンと年収の関係
若い人がガンにかかった場合、1/3の人が年収が下がっているという調査データがあります。一方、年金暮らしの人は、ガンにかかっても一定の年金を受け取れるため、年収低下の影響をほとんど受けません。
ガン患者の入院日数
60歳以下の人は、ガンにかかっても通院して治療を行うケースが多いです。
一方60歳以上になると、入院日数が長引く傾向がありますが、それでも通院で治療を行う人のほうが多いです。
ガンの予防に効果があると考えられていること
以下の内容は、ガン予防に効果があると考えられている。
- 禁煙する(喫煙が予防可能な最大の原因と言われている)
- アルコールの摂取を、1日1〜2杯程度に控える。
(喫煙とアルコール摂取が、発がんリスクの相乗効果となる) - 太りすぎない
- 適度な運動を継続して行う
- 野菜や食物繊維を積極的に摂取する
- 肉類の摂取を避け、魚の摂取を心がける。
- 塩分を取りすぎない
- 赤ちゃんは母乳で育てる
(母親が乳がんになるリスクが下がり、子供を肥満や病気から守れる)
食品の接種によって、ガンの発生や進行を防ぐことが科学的に証明された例はない。2010年4月現在。
喫煙が、肺癌、胃癌、食道がんの発症リスクを上昇させることはほぼ確実。
喫煙者の発がんリスクは、吸わない人と比べて男性で1.6倍、女性で1.3倍高まる。
特に肺がんへのリスクは高く、男性で4.4倍、女性で2.8倍になる。
がんで死亡した日本人の2〜3割が、喫煙が原因になると統計的に考えられている。
飲酒量が増えるほど、ガンへのリスクは高くなっていく。(大腸がん、乳がんなど)
しかし、一定量を越えなければ、心筋梗塞や脳梗塞などの病気のリスクを下げる効果もあるとされる。
目安の量は、1日当たり日本酒なら1号、ビール大瓶1本、焼酎やワインはボトルの半分程度。
ガン予防やガン治療に関して、広告に記載の体験談や宣伝文句での効果のアピールは信頼性に欠ける。
実験データの記載があっても、マウスや細胞での実験だけでは科学的根拠としては不十分といえる。
ガン治療はまだまだ発展途上の技術。医学的根拠の追及は医療業界でも継続的に続けられている。
正しい情報をどのようにして入手できるのかをしっかり把握することも重要。
ガン保険
ガン保険の特徴
ガン保険は、入院給付金の支払いに限度日数の制限がない。
初めてがんと診断されたときに一時金が出る保険もある。この制度があれば、初回の治療から費用のかかる治療法による治療を受けることもできる。
ガン保険には、契約後90日間の免責期間がある。この期間中にガンが発覚しても、保険金支払いの対象外となる。
医療の進歩により、がんによる平均入院日数(入院1回あたりの日数)は年々短くなり、2009年現在では約23日にまで短縮されている。
そのため、ガン保険の入院給付金だけでなく、診断給付金などの「一時金」にも注目し、ガン保険選びをしたほうがよい。
上記「年代別のガンでの死亡率」にも記載しているように、若者ほどガンにかかる確率、死亡率は低い。
そのため、ガン保険の保険料は、若者ほど価格は低くなる傾向にある。
終身型/定期型のメリット・デメリット
定期型 | 終身型 | |
保障期間 | ある一定期間 | 死亡するまで |
払い方 | 有期払い | 終身払い (有期型を選択できる商品もある) |
保険料 | 終身型と比べると安価 | 定期型と比べると高価 |
ガンに完全に備えるなら、終身型を選択すると安心できる。
また、たとえば80歳以上の時にガンが見つかっても、無理に手術せず寿命までがガンと共に暮らすという選択をするのであれば、定期型でも問題はない。
ガンの治療研究は、日々進歩している。
将来、新たな治療法が発見されるなどでガン治療の常識が変わった時に保険の乗り換えを視野に入れたいと考えるなら、定期型を選択するのも一つの方法。
ガンの告知と、ガン保険の支払いについて
患者がガンと診断されても、本人に告知をしないケースがあります。
その場合に、ガン保険の給付金が支払われるかどうか、告知をされていない本人に配慮した対応を保険会社がとってくれるかどうか、保険金の支払い方法を配慮してくれるのか、必要なら事前に検討しておきましょう。
上皮内新生物
上皮内新生物(上皮内がん)というものは、粘膜の上の層である上皮の内側にがんができている状態で、ごく初期の状態のがんのことです。
放置しておけば進行してがんになる可能性が高いのですが、治療すれば3年生存率はほぼ100%。除去のための入院は短期間で済み、医療費も高額ではありません。
上皮内ガンでも治療には費用がかかるため、保障はあった方が助かります。ただ、上皮内新生物の保証の有無を、商品選びの決め手にする必要性は小さいといえます。
http://www1.guide3-c.net/post_17.html
http://life.insurance-japan.com/info51.html
http://cancer.nttif.com/advice/page08.html
http://www.hoken-erabi.net/seihoshohin/goods/9712.htm
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