FP相談業務で役立つさまざまな情報をまとめています。 FP相談業務の情報館

成年後見制度

成年後見制度が利用されていない現実

成年後見制度は、2000年に介護保険制度と同時に導入されました。介護保険制度は今では多くの方に利用されていますが、一方で成年後見制度はそれほど利用されているとは言えない状況です。
その理由として、介護保険制度はその利用メリットが大きい(介護関連費用の一定額までは1割の自己負担で済む)のですが、成年後見制度はそこまでのメリットがなく、だから認知度も低いし利用する必要性がない、というのがおおかたの理由のようです。

たとえば、成年後見制度の利用により、後見人が被後見人に代わって契約などの法律行為を代理できるという特徴があります。しかし成年後見制度を利用しなくても、判断能力がなくなった人とは別の人が代理で物事を進めている現実があるので、成年後見制度の必要性をあまり実感できないのかもしれません。

市町村長が実際に後見人になるのか

法定後見制度において、市町村長が後見人になることができるというルールがあります。家族と死別してしまっているなど、身寄りのない人にとっては、市町村長が後見人になることに意味があります。
しかし実際に市町村長が後見人になるかどうかは、市町村によって温度差あります。成年後見制度の利用に力を入れている自治体であれば、市町村長が後見人になってくれるケースも多いです。しかしそうでない自治体の場合は、自治体窓口の担当者自身が、後見制度のことをいまいち把握していないケースもあるようです。

後見、保佐、補助の区分

法定後見制度において、後見、保佐、補助の分類は、医師の審査を経て、裁判所が決定します。しかしその具体的な判断基準は一般の人にはわからない、ブラックボックスな世界のようです。

任意後見監督人の立場

任意後見制度において、法律上は、家庭裁判所が任意後見監督人を選任することになっています。
しかし実際には、家庭裁判所で後見監督人を任命できる人材を用意できない場合もあり、その場合は任意後見制度を利用しようとする本人やその後見人候補者が、後見監督人として適任と思われる人を裁判所に推薦することもあります。
後見人が自ら、後見監督人を選ぶことになってしまうと、悪い方に考えればこの2人が共謀して悪さをすることも可能と言えば可能となり、これでは監督にならないと見ることもできます。

成年後見契約の内容について

任意後見契約の範囲

任意後見契約では、後見人の権限を契約によって定めます。しかし、後見人が行える権限の範囲を狭くしてしまうと、被後見人に何かあっても、後見人がそれに対処できないという事態も発生してしまいます。
できるだけ包括的な後見を行えるよう、契約を締結することも大切になります。

任意後見制度には、後見人に取消権がない

法定後見制度の場合は、本人が行った契約を後から後見人が取り消せるという取消権があります。したがって、万が一、悪徳商法に引っかかってしまった場合であっても、その契約を取り消すことが可能です。
しかし、任意後見制度の場合には、この取消権がありません。後見人ができることは、クーリングオフの期間に契約を取り消すことや、そもそも本人が契約を実行できないよう、財産や印鑑などをあらかじめ後見人が管理するくらいしかありません。

後見人は医療同意権を持てない

任意後見でも法定後見のいずれの場合も、本人に何らかの医療行為が必要となり、医者が本人とは別の同意者を求めてきた場合であっても、任意後見人はそれに同意することが認められていません。

後見人は、死後の事務を行えない

任意後見でも法定後見のいずれの場合も、本人が亡くなった後に必要となる、役所への届け出、葬儀などの行為は認められていません。というのも、後見制度は、生存中の人に対する支援制度と位置付けられているためです。
もしその事務にも携わる場合には、後見契約とは別の契約を締結しなくてはなりません。

 



▲このページ一番上に戻る

 

Copyrght (C) 2013-2017 FP勉強会 All right reserved