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不動産投資

不動産賃貸経営のシミュレーション

業者が持ってきた不動産賃貸シミュレーションのもとでの不動産賃貸経営は、顧客に不利益が出る場合があります。なぜなら、そのシミュレーションは現実以上に高利回りを実現できるかのような「演出」がなされており、顧客に不利となる前提が欠けていることがあるからです。

不動産賃貸経営の健全性をしっかり検証しようとお考えの場合は、下記のようなシミュレーション方法を参考の上、その健全性を確認するのがよいでしょう。

賃料収入の計算

賃料相場を調べる

http://www.athome.co.jp/souba/
都道府県や路線などを指定して、家賃相場を検索できます。対象物件近辺における同じような間取り、築年数の物件の家賃相場を調べることができます。

空室率の確認

http://toushi.homes.co.jp/owner/
都道府県や市区町村単位で、不動産の空室率を調べることができます。自身が保有する不動産が全室埋まるという保証はありませんから、この平均的な空室率が自身の保有不動産においても発生しうるという前提を置き、それでも黒字を実現できるか検証することも大切です。

想定賃料を算出

賃料相場と空室率から、簡易的ですが
 賃料×戸数×(1−空室率)
の計算式で、毎月の賃料収入を計算することができます。

支出の計算

定常的にかかる費用として、下記の費用が定期的にかかります。

不動産経営の利回り計算

年間不動産収入=収入−支出
利回り=年間不動産収入÷初期投資額

以上は、建物のみの利回り計算です。
土地も考慮に含める場合は、同様にして土地の収入と支出を算出したうえで、利回り計算をする必要があります。

年間不動産収入=(建物の収入+土地の収入)−(建物の支出+土地の支出)
利回り=年間不動産収入÷(建物の初期投資額+土地の初期投資額)

以上の点まで計算できれば、より現実的なシミュレーションになるでしょう。
株式投資と同じく、不動産投資も自己責任で取り組む姿勢が必要です。
業者の「儲かる」という言葉を信じて、投資に取り組むのはたいへん危険です。
不動産投資を行う本人が、その収益性を可能な限り正確に把握し、さらにその収益性を実現するために、責任をもって取り組めることが大切です。

賃貸マンション、オフィスビルの建築費以外の費用

賃貸マンション、オフィスビルを建設するとき、以下のような費用が掛かります。単純に建築費だけではない点に注意が必要です。

建築工事費

建物面積×工事単価

設計・監理費

工事費が高くなるほど利率が低くなることが多いが、一般的に建築工事費の5〜6%と見積もったほうがよいです。

近隣補償費

近隣住民の日陰障害への補償、電波障害によるケーブルテレビの契約料負担などの費用です。建築工事費の1〜2%ほどを見積もるとよいです。

建築関連の金利

建築費用の全額を自己資金でまかなえる場合は問題ないが、そうでない場合には金融機関からお金を借りることになります。その時に発生する金利は、着工時からかかるのが一般的です(着工時にも建築業者から支払いを求められるため)

登録免許税

評価額×0.4%(×1.3)
評価額とは、新築の場合は各法務局で定めている新築建物価格認定基準によります。建築工事費の60〜70%の金額が目安となります。

不動産取得税

建物の評価額×3%
ただし、新築住宅で一定の条件を満たす場合には、1戸当たり1200万円の控除を受けることができます。この控除額は、建物の評価額から引き算することができるものです。

抵当権設定費用

借入金額×0.4%

広告宣伝費

店舗や賃貸住宅の入居者を募集するときに必要となる広告宣伝費用です。賃料の1か月分または建築工事費の1%が目安となります。

消費税

税金と土地以外に支払う費用には、消費税が課税されます。

その他の費用

すでに建物がありそれを取り壊す場合には、建物の解体費用と、住人への立ち退き料がかかります。立ち退き料はかなり高額になる場合もあるので、注意が必要です。

マンション経営の注意点

マンション経営に関心がある方も多いと思います。
そのマンション経営を始めるうえで、気を付けておくべき点を少しまとめてみました。

立地条件が最も重要である

新築後10年ほどは入居者を確保しやすいです。しかしその後は、立地のいい物件でないと入居者が入りづらくなってきます。

初期投資額はできるだけ抑える

高利回りを実現する良い方法は、賃料を高く設定するのではなく、初期投資を抑えることです。建築費を抑えることも大切です。

努力を惜しまない

入居者のニーズにこたえる、ハイスペックな住まいを低価格で実現する、修繕を怠らず買いたくなるような物件となる条件を維持する、家賃の滞納や問題行動を起こさない入居者を選択する(探す)、などの努力を絶えず続けていく必要があります。

場合によっては外部委託

楽をするためではなく、より効率的にリターンを得られる条件があると納得できるなら、場合によってはサブリース契約やマンション管理の外部委託契約を検討してもよいです。

他にも大切なポイントはあると思います。
不動産投資を始める場合は、ある程度の知識を持ったうえで計画的に行うのがよいですね。

譲渡、相続時の敷金の扱い

他人に賃貸している不動産を、別の人に譲渡または贈与する場合、その不動産の敷金も含めて譲渡・相続すると問題は起こりにくい。
敷金を考慮せずその不動産を譲渡・贈与してしまうと、譲渡・贈与された人が、賃貸契約終了時に、敷金の返還を、自分の個人資産から行わなければならなくなってしまう。

REIT

REITは金利上昇に弱い

REITは投資家から集めた資金だけでなく、借入した資金で、多数の不動産を購入していることが多いです。
そのため、負債の割合が高ければ高いほど、金利上昇による利払いの増加により、収益が悪化する恐れが高くなります。

REITに投資をする際には、金利動向と、借入金の状況についてチェックを怠らないようにしましょう。

不動産オーナーによる不動産管理会社の設立

不動産管理会社のメリット

一般的に、大規模に不動産経営を行うオーナーが不動産管理会社を設立することで、減税の効果を得られます。

一人が高額の不動産所得を得ると、非常に高い所得税率が課税されます。しかし管理会社を設立し、その管理会社の社員を自身の親戚で構成することで、親族に給与所得として所得を分散させることができるます。社員となったそれぞれの親族が、低い所得税率を適用することとなり、それによって節税ができるというのが、減税メリットといわれる理由です。

不動管理会社のパターン

不動産管理会社には、下記の3つのパターンがあります。

一つ目のパターンは、不動産は個人が所有したままで、不動産の管理だけを不動産管理会社に委託するパターンです。

二つ目のパターンは、不動産を管理会社に一括して貸し出すサブリースのパターンです。
一つ目のパターンより、不動産管理会社が行う仕事が増えるので、その分不動産会社の取り分は多くなります。
個人が不動産所得を得るという点は変わりませんが、不動産管理会社から不動産所得を得るという形態になります。

三つ目のパターンは、建物を管理会社に売却し、土地は個人が保有し続けるパターンです。
管理会社が、個人から土地を借りていることになるので、土地に関してのみ、個人が土地代を不動産所得として得ることになります。

上記3つのいずれのパターンも、不動産管理会社に親戚を社員として当てることで、不動産所得を給与所得に変換して、社員である親戚に所得を分散することができます。

不動産管理会社の注意点

1つ目のパターンでは、不動産会社に支払う管理料が適正な金額かどうかに注意が必要です。
不動産管理料が多いほど、不動産管理会社の取り分が大きくなります。そのため所得分散効果は大きくなりますが、税務調査で問題視されやすい点でもあります。

2つ目のサブリースパターンでは、管理会社への貸付賃料が税務調査で問題視されやすい点です。一括貸付において、低い賃料で貸付するほど所得分散効果が大きくなりますが、その賃料が適正かどうかを十分考慮する必要があります。賃料が適正でないと税務署に判断されてしまうと、適正な賃料との差額に対して課税され、それにそれに対する加算税も加わってしまうことになります。

3つ目の売約するパターンでは、不動産を管理会社に売却した金額が、適正な時価であるかどうかが重要視されます。時価より低額で譲渡したと税務署に判断されると、時価との差額に対して課税され、それにそれに対する加算税も加わってしまうことになります。

まとめ

不動産管理会社を活用する場合には、不動産管理規模が大きいほど、また不動産管理会社の社員数が多いほど、所得分散効果は大きくなります。しかし、そのやり方が税務上適正かどうかが、税務調査での重要なポイントとなります。
また、節税とはいっても、どれだけ節税になるのかを計算のうえ、計画的に行うことも大切です。
管理会社を設立することによってどれくらい節税効果があるのかを、関係者の所得税率の違いなどを考慮し、しっかりとしたシミュレーションをもとに判断をすべきであるといえます。

 



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