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資産運用の心得

世間の投資家の行動分析

投資を始めたきっかけ

全体では、人に勧められて始めた人が多いようです。
知人が投資で儲かったという話を聞いたり、資産がどんどん増えていく、という話を聞いたことがきっかけで、投資を始める人も多いようです。

毎月分配金の投資信託を好む人

毎月分配金が出る投資信託の多くは、海外債券の投資信託です。
また、毎月分配金を好む人の多くは、日本株、または日本株の投資信託を持っているケースが多いです。
このような人の場合、海外債券+日本株 という2つの投資対象に分散投資をしているため、結果としてリスクの低い運用形態になっているということもできます。

毎月受け取る分配金は、貯蓄に回している人も多いそうです。
分配金は再投資しない、ということになります。

1年に1度分配金を受け取るより、その1/12の金額を毎月受け取るほうがうれしいため、毎月分配型を好むとも考えられます。
この考え方は、プロスペクト理論でも説明することができます。

分散投資

複数の金融商品を組み合わせていれば、「分散投資」していると考えている人も多いです。
本当にリスクが減る組み合わせなのか、それを判断する知識を持っていない場合が多いようです。

長期投資と短期投資

株を長く持つことで、安定した長期投資ができる、と考えている人が多いようです。
しかし、投資のリターンに関しては、短期的な儲けに強い意識が働いているようです。

次に買う金融商品

投資をしている人が次に買う金融商品は、それまで持っている金融商品と似たようなものを購入する傾向にあります。
その投資商品を買う理由は、儲かった実績がある、慣れている、だそうです。
一方金融機関側の理由は、すぐ売れる、説明に時間をかけなくて済む、という理由だそうです。

投資ブログ

投資に関するブログのアクセス数は、日経平均株価の数値と連動して増減するそうです。

インデックス投信を好む人の特徴

インデックス投信を好む人の多くは、相場に対して以下のように考えている。

資産運用の必要性を顧客に理解させるには

顧客へのFP相談の場面や、身近な人たちからの相談で、資産運用のお話が出ることがあります。

その時に、株や国債などの金融商品の特徴や運用方法について話をするかと思いますが、なぜ資産運用をする必要があるのか、その点について相手に理解してもらうことも大切です。

資産運用は、それ自体を目的とするものではなく、何かの目的を達成するために行う「手段」であるからです。
たとえば、住宅購入、子供の教育、老後生活など、人生には大きなお金がまとまって必要となる場面があります。結婚式を挙げる、車を買う、旅行に行く、等の場合もありますね。

このようなまとまった多額のお金を、その時に突如にして準備することはできませんから、前もって計画的に準備が必要です。
預貯金で貯蓄をしていくのもよいですが、もう少し効率よく早く目的の額をためるその手段として、資産運用をしましょう、というお話になるかと思います。そして、その後、資産運用の具体的な話をするときになって、株や投資信託の金融商品のお話をすることになります。

資産運用のお話をする過程で、資産運用の必要性が理解できても、本当にうまくいくのか、大きく損をしそうなど、相手が不安に感じることもあると思います。
その不安は、適切な説明のもとで、解消してあげることが大切です。

投資という資産運用手段は、メリットもあればデメリット(特に、元本割れになること)もあります。
いかにしてデメリットを避けていくか、避けるためには具体的にどうすればよいのか、どのような知識を身に着けなければならないのか、という点に踏み込んで説明も必要です。

資産運用の必要性を説明し、資産運用のデメリットやその解消法について納得してもらったうえで、資産運用に踏み切ってもらうことが大切だと思います。
相談相手が投資初心者であれば、なおさら大切なことです。

・・・ということは、FPの資格をお持ちの方ならお分かりのことだと思います。
では、実際にその通りにアドバイスができていますか?と聞かれれば、どうでしょうか。
思い当るところがあったなら、次のアドバイスから意識してみましょう。

年齢が若いほど、高いリスクの資産運用ができる?

若い方に対する資産運用アドバイスの現場のやりとりで、以前から気になっている点があるのでそれについて書きたいと思います。

長期投資はリスクが低いから若い人は高リスクで運用できる、とアドバイスする人がいますが、その考え方は正しくありません。投資期間が長いほど、良くも悪くも何かが起こる可能性(株価の急上昇や、会社の倒産など)は高くなるわけですから、投資期間が長いほどリスクが高くなるという考え方が妥当です。

また、若い人はそれ以降の長年にわたる労働時間を費やすことで、たとえ投資で損をしたとしてもその損を取り返すことができるから、若い人は高リスクで運用できる、という考えもあります。
確かにそれは一理ありますが、そもそも損を取り戻すようなことをするくらいなら、最初から投資はしない方がよいでしょう。

本来あるべき資産運用アドバイスの観点に立てば、損をしないようにするにはどう行動すべきかを伝え、その人が許容できるリスクに見合った投資の在り方についてアドバイスをすることこそが重要だと思います。

リスク管理の考え方

リスク管理の基本的な考え方として、「損をした資産を売却する」という考え方があります。

事前に想定した許容損失額に達するほどの損失が出た場合、その資産を売却してしまえば、それ以上の損失を被ることはありません。
また、それ以前の段階で損が出た時に売却すれば、損をする度合い(失われる金額)を減少させることもできます。1億円が10%下がれば1000万円の損失ですが、5000万円を売却して残り半分の5000万円が同様に10%下がると500万円の損失ですみます。

したがって、大損を避けるリスク管理をしっかりしようと思えば、損をするにつれてその資産を売却することも考え方の一つです。資産を売却してしまえば、当然ながら変動する金額の幅は小さくなるので、リスクは小さくなるのです。

一方で、値下がりした資産をさらに買い足す「ナンピン」と呼ばれる手法もあります。
しかしこれはリスク管理の話ではなく、損を取り戻してより儲ける可能性を高めようという考えに基づくものであり、リターンを追及する投資手法です。
分散投資そのものは、リスクを小さくする投資手法です(正規分布を使って数学的に説明ができます)
しかし分散投資のリバランスは、ナンピンに基づく考え方ともとらえることができますので、見方を変えるとリスク管理手法ではなく、リターンを追及する投資手法とみなすこともできるのです。

資産ポートフォリオを説明する

FP相談業務として、資産運用のポートフォリオについて説明をすることがあります。
資産のポートフォリオとは、手持ちの金融資産構成(不動産を除いた、現金、預金、株などの資産構成)のことを表します。

手持ち資金の全額を投資するわけにもいきませんし、不測の事態に備えて、ある程度の現金を手元に置いておくことも大切です。
では、どれくらいの現金を手元におき、どれくらいの金額を投資目的で使えばよいのでしょうか。

この答えは、各人の収支の額や、お金に対する考え方によっても異なってくることろではあります。
一つの目安として、下記のような考え方があります。この目安を参考に、相談された方の状況を考慮の上、それぞれの資金の額とその理由を含めて、アドバイスをしていけばよいでしょう。

すぐに利用可能な手持ち資金

いざという時のために手元に置いておくお金です。生活費の6か月〜1年分をおいておくとよいですが、長期間仕事がないことにも備えるなら、1年半〜2年分でもよいです。流動性と換金性が特に重要なので、普通預金などで用意をしておきます。

使用予定のある資金

およそ5年以内に使うことが決まっており、かつそのお金がないとライフイベント上の問題が発生するお金です。たとえば、住宅購入資金やリフォーム資金、自動車買換え資金などです。適切な流動性と、元本割れしない仕組みの金融商品で用意するのがよく、定期預金や個人向け国債などを活用します。

投資資金(資産運用資金)

以上のお金を除いたうえでもなお余っているお金は、投資に使える資金です。投資資金といっても、安定運用型(社債、債券型投資信託)と、積極運用型(株式、外貨商品)、ハイリスク型(FX、先物、オプション)を分離して管理することが重要です。

なぜ資産運用にこだわるのか

世間のFPさんの提案を見て、たびたび疑問に思うことがあります。

毎年平均年収が低下している現状に対処する場合や、将来必要となる資金を用意する場合に、ほとんどのFPさんは「資産運用で備えましょう」と提案します。
ところで、資産運用以外に対処法はないのでしょうか?

資産運用は一つの方法ではありますが、年収がアップする提案をすることも一つの方法ですよね。FPであれば、やはり資産運用に関心が向いてしまうのだと思いますが、それだけが唯一の解決策ではありません。

収支の改善に当たり、年収がアップするようなキャリアプランを提案したり、その人に無理のない範囲で副業やアルバイトの提案もありだと思います。
でも、「副業しましょう」「妻も働きましょう」というだけでは、少々物足りない気がします。
どんな副業がよいのか、どのようにして職を得る活動をするのか、その方の性格や働くことへの意識をくみ取りながら、その方にあった具体的なアドバイスを踏み込んで行えると、より素晴らしいと思います。
FPとキャリアコンサルタントの両方を武器に活動されている方もいらっしゃいます。一方で、そんなことはFPの仕事ではない、とおっしゃる方もいますけれどね。

私がアドバイスをするときは、副業など今よりプラスで働く方法を具体的に話すこともありますし、年収アップのための転職を目指してみてはどうでしょう、などと話すこともあります。私自身が働き方を変えながら収入アップに向けて行動をしてきましたし(いわゆる実業家精神というのでしょうか)、副業をしている方々との交流もあるという背景もあって、こういう提案にも抵抗はありません。

収入が足りないからといって「資産運用で何とかしましょう」という類のアドバイスでは、「あなたの年収アップは期待できないよね」と間接的に言ってるようにも思えるのです。

資産運用の重要性も理解できますが、資産運用以外の手段でも、収支の改善を実現することはできます。FP提案において、上記のような働き方の具体的提案できるようになっておけば、顧客相談の幅が広がりますね。

儲け話・投資本の裏事情

書籍タイトル「株で●●万円儲けた」「FXで年利●●%」

本屋さんに行けば、「株で●●万円儲けた」「FXで年利●●%」などといった書籍を見かけます。

これらの書籍は、株式上昇相場の時代や、FXブームで一方的なトレンドが発生しているときにはよく売れます。
しかし一方、急激な下落相場や「100年に1度の大不況」などといわれる時代にはこれらの本の売れ行きは止まります。
逆に「100年に1度の大不況はなぜ起こったのか」とか「●●こそが世を不景気にした元凶だ」などといった本が売れるようです。

本のタイトルは、本が売れやすくなるように、多くの人の注目を引くようにという思惑でつけられます。
株の上昇相場や為替の大トレンドが発生しているときなどは、それなりに設ける人は出てくるので、本の筆者も探しやすい。
逆に下げ相場ではそういった人も出てこないので、著者を探しづらく、また読者からの共感も得にくく、本を出版しにくいという事情があります。

本の出版側も、読者が儲かる/損するということには関心がありません。
重要なのは、本が売れるかどうかということです。

その書籍を読んで利益を出せるかどうかは、結局のところ、投資家の実力によって決まります。
おいしい話だけに注目した人は、最後は大損してしまうケースもよくあります。
本のタイトルだけにとらわれず、日々学ぶ心が重要です。

 



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